2005年6月21日(火)。
OWEN
@心斎橋PIPE69


「きっと、この人は唄うことが特別なことじゃなくて、生活の中に根付いてるんだな。」
そう感じるライブは終始和やかで、ゆるゆるだった。
小さなライブハウスだったので、オーディエンスとの他愛ない会話も多く(英語だったのであまり聞き取れなかったけど・・・)、サポートのギターの人ともちょこちょこと、たくさんやりとり。それはまるでOWENの家に招かれて、部屋で弾き語りをしてもらっているかのごとく、のんびりとリラックスした雰囲気。

「息をする延長線の上で唄う人だな。」
そういう風にも強く感じた。全くポーズや無理をしていないかのように、軽やかにメロディを奏でる。そのメロディは驚くほど滑らか。柔らかな唄声と合わさったそれは、時に過度にナイーブでもある。でも、彼の佇まい自体はホワホワしていて掴み所がない。

いきなりコードを間違えて、片言の日本語で、
「なんでやねん。」
と突っ込んだり。いきなり唄い出して、ぼんやりと曲を終わらせたり。
アンコールでリクエストされた曲を、
「忘れちゃった!」
と言い切っちゃったり。プロフェッショナルなパフォーマンスとは、かけ離れているのかもしれない。

ただ、その適当さから生み出されるメロディはやっぱり滑らかで、唄声はやんわりと包み混んでくれるようなおおらかな力強さがある。そして、時折ハッとさせられる程、その二つがキレイに絡み合いこぼれ出す瞬間が訪れる。上手い下手じゃない、OWENという人の生活が息遣いとして鳴っていた。ダレ過ぎだった感も否めないのが残念ではあるけれど。