2005年6月10日(金)。
Caravan
@梅田バナナホール


招待イベントで、Caravanのライブを観てきた。
Caravanは、最近ちょっと気になっていたので、音を体験できてよかった。

観るまでは、
「ジャックジョンソンにドラゴンアッシュっぽさを加えて、声が福山雅治!」
という風な音だという印象を勝手に抱いていたのだけど。実際に浴びてみると、ちょっと違った。いや、大分違った。

所謂サーフミュージック(というの?)を機軸にしているんだとは思うんだけど、Caravanの奏でる音は、それらのあからさまに外へ向かって行く開放感に溢れただけのものとは微妙に違う気がする。旅や窓から出て行く生活が好きな空気が息づいてはいるんだけど、それが時にとてもインドアでもある空気を生み出す。特に1人で弾き語りをした「Feed Back」という曲や、友達のことを歌った「236」という曲は、自然の中に積極的に出て行って外のリズムと調和しようとするというよりは、野外で1人部屋の中にいる心地で何かをポツリと願ったり回想している、インドアなのかアウトドアなのか分からない、記憶の中で空間をごちゃ混ぜにする独特の味がある。それでいて、パーカッションを基調にリズムが幾重に折り重なるアコースティックな音像は、非常に開放的でもあることも確かで…。聴いている内に、何だか煙に巻かれたような気分にされてしまった。でも、やはり抜群に耳に身体に心地良いのは間違いなく。ますます分からなくなってしまう。
そんなありそうでなかった雰囲気。

お客さんを盛り上げるのはさりげなく上手いし、バックとのバンドの息もバッチリ。どこまでも複雑な様でいて、ものすごく単純でさっぱりしている。直球で漂い感のある快楽的な様でいて、奥は迷路の様になっている。何とも掴めないライブだったのだけど、Caravanの唄う言葉には時々簡素でありきたりなのにビックリするほどドキッとする瞬間もあったりして。なかなか、楽しく緩やかに時間が流れていったのでした。