P
E
E
R
の
補
聴
器
体
験
記
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「片側難聴の人には補聴器は役に立たない」
「軽度難聴の人には補聴器はいらない」
本当でしょうか?
《今までの常識では》
私は片側(左)のみの難聴で、一般的な4分法での平均聴力レベルは33.8dBで
軽度難聴です。けれども左の低音部は45〜50dB、高音部は60〜85dB?と高音障害
が強いのが特徴です。しかも健聴の右耳は高音部でも10dB以内ですから、左右差が
非常に大きく、左耳の正確な聴力は測定できません。音のゆ
がみもひどく、両方の耳を使っても子音の聞き間違いがおきます。特に周囲に
雑音があるとき、反響音があるときは聞き分けが難しいのです。どちらかと言う
と大きな音のほうが聞き分けるのが困難です。また少し大きな音は耳にビンビン
響いて普通の人よりずっとうるさく感じます。
正確に測定もできないし、補聴器の効果が現れにくい聞こえの症状です。実際、
主治医は初めから「日常生活に影響ない」として、補聴器については何も言っていま
せんでした。
《デジタル補聴器を試用することになりました》
ところがこのところデジタル補聴器が年々急激に進歩してきました。これなら
音域ごとの細かい調節が可能で、必要以上に大きな音はカットできます。そのことを
ここの掲示板で話していると、補聴器の技術者でお店も営んでいるN氏がメールを
下さいました。「デジタル補聴器を使ってみませんか?」
初めはお断りするつもりでした。デジタル補聴器は10数万円もしますし、私は
障害者手帳交付対象ではないので援助は一切ありません。休職中の私には収入がない
ので、役にたたないかもしれない補聴器にそれだけのお金は払えません。
ところがN氏からの返信では補聴器には試用制度があり、それを利用して長期的
に貸して下さるとのこと。デジタル補聴器にも10万円を切る機種が出てきており、
今後中度・軽度の難聴、片側のみの難聴の人にも使ってほしいので、装用した感想を
教えてほしいとのこと。
2001年の年末。本来ならお店は休みのところ、N氏は私の為にシャッターを
開けて待っていて下さいました。そしてお借りしたのが、この耳掛型のデジタル
(フルデジタルではない)補聴器です。
補聴器に次第に慣れていく過程や、フィッティングの詳細に
ついてはいずれまた書きます。とにかく3ヶ月にわたって何度も
補聴器店を訪問し、細かいフィッテイングを繰り返し、N氏から補聴器の仕組み
や取り扱いについてて丁寧な説明を受けました。

《3月末の感想》
補聴器は静かなところでは確かに役に立つが、効果の割りに価格が高い。
補聴器をつけていると苦痛なとき
・騒音や反響音があるとき…特に風が強い日は風の音がとてもうるさい。
・周囲に人声が多いとき…昼食時の学生食堂などでは補聴器を装用すると、
耳閉塞感が起きる。
・外耳の皮膚感覚が過敏なとき…耳栓は柔らかい素材にしているが、それでも
違和感が強くて装用できない。
・体調が悪いとき…耳鳴りやリクルートメントも強まっているので、補聴器を
つけるとよけいにうるさくなる。
(逆にマスキング効果で耳鳴りが小さくなる人
もいるらしいが)
こういう場合はすぐに補聴器を外す、スイッチを切るなどする。調子が悪いとき
には決して無理に装用しない。もし補聴器が耳穴型だと小さすぎてこうした操作が
しにくい、また紛失などが起こりやすいのではないだろうか。
補聴器が役に立つとき
・静かな教室での講義…先生の声が明瞭になり、方向感覚や立体感も増すので声の
表情がよく分かる。
・1対1の会話…わざわざ聞こえる耳(右)を相手に向けなくても、正面を向いても、
下を向いても聞こえる。
・後方から車や人が近づいたとき…特に聞こえにくい左側の後方から車や人が接近
した時、補聴器がある方が早くに気がつく。
・外国語やぼそぼそした話し声を聞くとき…補聴器を装用すると、聞き取る力が
大きく向上する。
・テレビやラジオを聞くとき…特に音楽の場合、音質がずっとよくなる。音量も
1段階落とすことができる。
・大きな音が響くとき…すぐ近くで工事や草刈をされても、なんとか我慢できる。
補聴器がなければ逃げ出したくなる。
私の場合、初めは補聴器の効果はあまりないと予想されたが、実際に使って
みると思ったより効果は大きかった。成人になってから難聴になると、たとえ
片側でもダメージはかなり大きい。それまで脳は両耳で聞いた音を基準に判断して
いたのだから、片耳だけの情報では言葉が聞き取りにくいだけでなく、方向も立体感
も感じられない。補聴器によるゲインはごく僅かだが、静かな環境ではかなり効果が
ある。