ひょんなことからペアを組み始めたジェイミーとデイヴィッド。今までのペアの概念を覆すプログラム、「ラブ・ストーリー」を作り上げ、短期間で一気に世界のトップクラス入りを果たす。
彼女達の最大のライバルは長野オリンピック以降ペアの王座に君臨しているロシアのベレズナヤ&シハルリーゼ組。感情を表に出した普段着のようなスタイルで観客の共感を得るジェイミー達とは違い、バレエの基礎に基づく一分の隙のない様式美が彼女達の持ち味。ロシアの伝統を引き継ぐそのスタイルから感情や素顔というものはうかがえない。
北米とロシア、革新と伝統、開放と神秘。全てが対照的なこの二組が散らす火花はソルトレークシティーオリンピック、フィギュアスケートの最大の見所。ゴールドメダルはどちらの手に!?

勝負は意外な展開を見せた。小さなミスを重ねたベレズナヤ組に対し、ジェイミー達はパーフェクトな演技。しかしジャッジはジェイミー達への得点を出し渋り、ゴールドメダルはベレズナヤ組の手に。呆然とするジェイミーとデイヴィッド。コーチ、関係者、マスコミ、ファンも同様で彼女達にかける言葉もない。

しかし翌日、それ以上の衝撃が待っていた。

良心の呵責に耐えられなくなったフランスジャッジが捨て身の覚悟でペアのジャッジングにおける不正を告白。実は昨日のジャッジングはジェイミー達を脅威に感じたベレズナヤ組とロシア連盟があらかじめ手を打っていた陰謀だったのだ!
ISUはフランスジャッジの証言を元に徹底的な調査を始める。その結果長年にわたってロシアがジャッジに掛け続けた圧力の構造が明らかになり、ベレズナヤ組のゴールドメダル剥奪が決定。
ジェイミーとデイヴィッドは真のオリンピックチャンピオンに―――