寝台急行「銀河」

夕方にスケートのイベントがある日の夜は長い。
どれくらい長いかというと、夜行バスに間に合わないほど長い。
夜行バスの出発時間は横浜発の夜行バスで9時台、東京発で10時前後。去年12月の全日本のスケジュールでは論外の時間であり、今回のDOIでも微妙な時間になる。
だがどうしても翌日の仕事は休めない。そんな大阪勤務社会人スケートファンにとってのお助けアイテムが一つある。横浜駅23時26分発、大阪7時18分着の寝台急行「銀河」がそれである。
何しろこれに乗れば11時前まで新横浜にいられるのだ!この前の全日本で利用してすっかり気に入り、今回も使うことにした。
前回はB寝台だったが、今回は奮発してA寝台の利用である。

DOIが終わってから5人で飲みに行き、気がつけば夜11時前。慌てて店を出てお別れし、東神奈川で乗り換えて横浜駅のホームに発車3分前に着く。(実は新横浜であの電車に駆け込めていなかったら乗り遅れてました^^;>ご一緒した方々)
夜11時30分の横浜駅のホームはまだまだ宵の口。土曜日なのでサラリーマンはさすがに少ないが、なにしろ東京−大阪間の夜行バスが5000円を切ることもあるこの時代。夜行に乗り込むような旅姿の人間はごくわずか。
スケートを見た後は国内外関係なく視点が非日常モードになる。DOIとワインの酔い、そして夜行列車に乗る前とくれば非日常モードの度合いはかなり高い。そんな視線で見ると、横浜駅のホームには土曜日とはいえ日常が漂っている。長野行きの夜行列車でもそうだったが、夜行に乗る前のこの非日常と日常の交錯を目にするのがたまらない。

6両編成の銀河のうちA寝台は一番前の1両だけ。A寝台のドアを開けると乗務員室があり、向かい合わせの座席と更衣室がある。おお、B寝台と格が違う。
そしてA寝台へのドアを開けるが…
A寝台、豪華!

と、感動していてもわからない人がほとんどだと思うので、 以前乗ったB寝台との比較を挙げさせていただく。
A寝台 B寝台
カーテンの柄 花柄 ストライプ
寝台の向き 進行方向に平行 進行方向に垂直
寝台幅 93cm 70cm
寝台全面 一部
オプション 折りたたみ式棚あり ―――――
ハンガー、室内履き、浴衣の備え付けは同じ

4000円上乗せするとこれだけ違うのね!

乗客の入りが2割程度なので洗面所も使い放題、しかもちゃんと三面鏡つき。ただ惜しいのが車内販売がまったくないこと。仕方がないので洗面所の横に備えているウォータークーラーの水を飲む。いかにも昔からのJRという感じの紙コップ。自動販売機でもあったら助かったのだが…まあとことん非日常の世界に浸るのも悪くない。
寝台はカーテンで区切られているので、中は完全に個室状態。荷物の整理や何やらでごそごそしていると、動物か鳥になって巣作りをしている気分になる。荷物の整理をしているうちに大船、身支度をしているうちに小田原に停車した。時計を見ると0:00前後。さすがに終電なのか、ホームも2、3人しかいない…って、これだけ窓大きかったら外から丸見えやん!!浴衣に着替えていたのであわててカーテンを閉める。新しく乗客が乗り込んだ様子はない。
一通りご挨拶のメールを打ち、寝る。


寝台が進行方向と平行になっていると、やはり寝やすい。大きな振動が一度あり、目が覚めて時計を見ると朝の4時だった。外はまだ暗い。

「あと10分ほどで大津です」の声で目が覚めた。確か大津には止まらないのだが、大津から京都までは在来線でも二駅なので、そろそろ起き時。着替えてから携帯でBBSに書き込む。
A寝台は寝台全面に窓がついているのでパノラマの景色を楽しむことができる。また窓と寝台の高さが同じなので、寝転びながら景色を見るということも可能。大阪までの30分間、ゆったり景色を楽しもう…と思いきや、京都駅を過ぎたところで隣のレールの快速電車と並んでしまった。日曜の朝なのであちらも思いきりすいており、見ようと思えばお互い向かいの様子が丸見えになってしまう。
見られる度胸はないので、やはりカーテンを閉める。


ほとんど人がいない大阪駅のホーム。大阪環状線の中には朝帰りなのか床にひざをついて寝ている人がいた。沿線にある女性専用サウナで一息つき、日常の世界へ戻った。