2008-2009年のエルビス・ストイコ

「独り言」、エルビスがらみの話はこちらに書くことにします。
これ以前のものはこちら

2008−2009シーズン
更新のお知らせ:2009年3月5日
こちら
四大陸開催中にエルビスの記事が二つ出てきましたが、リンク切れの心配がないIFSForumの記事をリンクしておきます。
エルビスとウンベルトが出会ったのはたった2ヶ月前。友達の子供に滑り方を教えにGuadalajaraのリンクに行ったところ、そこはウンベルトがいるリンクだったのが事の始まりだそうです。
エルビスは自分のリンクタイムの交渉目的でリンクに行ったのですが、ウンベルト達(このリンクに大きなスクールがあります)にとっては飛んで火に入る夏の虫もといカモがネギをしょって来た状態もとい。
始めは子供達の指導や氷の調整をするつもりでいたようですが、色々やっているうちに?ウンベルトをコーチすることになったそうです。ウンベルト、何気に強運&押しが強い(笑)
ウンベルトは2006−2007シーズンを学業のためにお休み(メディアインフォメーションより)。300人いるクラブでコーチをしながら週4時間の練習をし、競技生活を続けていたようです。(この経歴、関君や中庭健ちゃんと話が合いそうですね。年も近いですし。)
そんな状態のウンベルトにスポンサーがつくようエルビスが手配し、なんとか四大陸出場にこぎつけた様子です。
来年もこのコンビ師弟で四大陸に出られるよう願っています。

それともう一つ。
以前メキシコのリンク事情について、「練習環境の詳細は知りませんが、エルビスがアマチュア時代に接したスケートとはかなり違う世界がそこにはあるのではないでしょうか。」と書きましたが、想像以上の世界が存在していました。

いろんな部品を寄せ集めたザンボニー。おかげでザンボニーに見えないザンボニー。修理をしようにも合う部品がなく、自分でタイヤを削って付け替えたとか。氷を調節する機械の修理やブレード(これザンボニーのブレードか靴のブレードかどっちなんでしょう)水の調整までしていたそうです。
本当、そのまま映画にできそうな展開ですね。


引退した選手が教えている選手の試合に立ち会う際「自分で滑った方が気が楽」というコメントをよく読みますが、エルビスは自分で滑る方がしんどいそうです。

更新のお知らせ:2009年3月5日
コーチ・エルビス(&ウンベルト)の写真をまとめました。こちら写真だけでいいという方はそのまま、私のレポートを読んでくださる方は英文の下の空白部分にカーソルを合わると文字が出るようになっています。

一応申し上げておきますが、気がつけばエルビス単体の写真が結構少なかったです。さらにエルビスよりウンベルトの記述の方が多いです。多分。
やはり試合の主役は選手、選手を見ずしてコーチを語るべからずということでしょうか。ウンベルトあっての今回のエルビス、「どうコーチするんだろう」と思うと、自然とウンベルトに視線が行きました。エルビスがリアクションの少ないタイプというのもありましたが。
エルビスの記述が少なくて物足りなく思われる方は、ウンベルトの記述からエルビスの様子を脳内補完してお楽しみください(笑)。

取材(?)記事第一弾:2009年2月5日
ということでThe Globe and mailからこちら
うわ、書いているのBEVERLEY Smithさんだ。久しぶり―――!!!(お前どれだけマニアだよ)

この記事はインタビュー記事ではなく、基本はエルビスのオフィシャルサイトのメッセージ内容の解説に音楽活動やウンベルトの話を添えています。むしろこの記事を読んだ方がオフィシャルサイトのメッセージの内容はわかりやすいかもしれません。ぶっちゃけエルビスの言葉ってわかりにくいので。
Heart & Soul訳すのもどれだけ苦労したか…。ネイティブスピーカーの素の言葉を書いているということなのでしょうが。

この記事によると、エルビスはボストンにオフィスを持つエージェントと契約を結び、ショー活動の復帰を目指しているようです。CDについては出ているのかそうでないのか微妙な書き方。いやそこの所はっきりさせてください。頼みます。
ウンベルトの話は…まあ、試合を待つことにしましょう。ジャンプが向上したという話が書かれていますが、去年の時点で彼のジャンプでトリプルは3種類(トウ、サルコウ、ループ)です。種類が増えたのか、安定度が増したのか、どうなったのか興味があります。


オフィシャルサイトのメッセージ:2009年2月1日
もし2006年のプロ引退から今回のコーチ活動までのエルビスの時間の流れが気になるという方がいらしたら、今すぐエルビスのオフィシャルサイト、トップページのメッセージを翻訳ソフト使ってでも読んでください。
私が訳すのも概要を説明するのも重すぎる内容ですから。
ブログを持たないエルビスがネット上で実質初めて発信したメッセージです。



それにしても訊きたいことの答えが結構書いてあるような……。メキシコを活動拠点にしたのですね。

しかし壮絶な内容です。自分を傷めつけて、ボロボロになって…魂が放浪していたという印象を受けました。よく薬に影響される方向にいかなかったものです。
その闇を抜けた先が、2年間触れていなかったスケートだったと。


そしてラストの2文は私も気にしていたところです。城を出た王が身一つになって戻るわけですが、さてどうなることか。さすがにこのメッセージ通りのdirty little ruscal(薄汚い小悪党)って事はないと思うよ?>エルビス

このメッセージを見て「ショーで見られるの!?」と受け取った書き込みがディスカッションボードにありましたが、正直それは早計過ぎると思っています。Backの解釈が分かれるところですね。
それは四大陸が終わってからの展開を待ちましょうか。



しかしこのT.S.Elliotの言葉。
「始まるということは終わることが始まるということ」というのは私がエルビスのファンになった時に認識したことでしたが、その逆を考えたことはなかったですね……。

メキシコトーク:2009年1月13日
日を変えてメキシコトークをさせてもらいます。

今回の話、エルビスが教えているのがアメリカやカナダのジュニア選手ではなく、メキシコの選手というのがとにかく目を惹きました。マニアックな視点で四大陸を見る私としては、ちょっと嬉しい。いや、かなり盛り上がっています。

メキシコという国はフィギュアスケート界ではマイナーといえるでしょう。世界選手権のシングルでは毎年予選落ち、全日本選手権でいうならフリー前半グループクラスの力の選手達。四大陸は年に一度の晴れ舞台なのか、その場にいること自体を楽しんでいる選手達の姿が見られます。
練習環境の詳細は知りませんが、エルビスがアマチュア時代に接したスケートとはかなり違う世界がそこにはあるのではないでしょうか。キングの枕詞がついていた存在がそこへ入っていったわけですよ。おもしろい興味深い流れじゃないですか。
四大陸の会場の観客はどう迎えるのでしょう。かつてのキングそのままか、それとも別の存在としてでしょうか。


以前エルビスがメキシコに行っているという情報が流れたことがあってここでも書きましたが、本当だったのですね。その時につながりができたのでしょうか。その辺ちょっと聞かせてウンベルト(Humberto:スペイン語はHの発音なし)!エルビスは捕まえるの難しいでしょうから、情報収集を狙うならウンベルトですよ。>メディア。
ウンベルト視点のあれこれに興味があるのです。いっそ私が自分で訊きたい(大暴言)。


そしてですね。
メキシコの選手のコーチということは、バンケットでチーム・メキシコのテーブルにいるということですよね。
メキシコの連盟スタッフと接触する機会があるということですよね。
ということは、エルビスとリカルド先生とのツーショットなんて構図もあったりしちゃったりするってことですか!!(煩悩爆発)
(リカルド先生:Ricardo Olavarrieta、メキシコの元選手兼テクニカルスペシャリストとして活動中。)
誰か写真撮ってー!エルビス+チーム・メキシコのショット―――!!!


He IS Back!!:2009年1月9日
IFSのディスカッションボードより。
エルビスが、メキシコの選手、Humberto CONTRERASのコーチと振付をしていて、四大陸にもコーチとして行くそうです……!こちら

もう終わったと思っていたのに。
もう過去のことだと思っていたのに。
そんなそんな、まさかまさか。



えーと。

エルビスは引退時にコーチ志望はないことをコメントしていました。セミナーをやったりアドバイスをすることに興味はあっても、フルタイムのコーチングはないと。
本当にコーチ?アドバイザーでなくて??
四大陸に出てくるメキシコのシングル選手の大半が生まれ育ちも練習場所もメキシコなのです。ってことは、エルビス、メキシコで活動してるの!?今回の開催地がバンクーバーだから、それ限定で契約したんじゃなくて!?

しかも私この選手の演技見たことありますよ!四大陸で2回!!とりあえずISUのメディアインフォメーションこちらとオフィシャルサイトこちらをリンクしておきます。
このHumberto君はイーグルとスピンが綺麗な、わりと線の細い印象の選手です。ぶっちゃけエルビスとは全くタイプが違います。この人の振り付けしたの!?



あまりのニュースにパニック状態です。頭の中の整理がつきませんし、訊きたいことが沸いてきて止まりません。誰か四大陸で取材してください。カナダメディアが放っておかないとは思いますが。

まずはHumberto君の呼び方をチェックしないと。
メキシコって何語でしたっけ!?


フィギュアスケートDays Plus・男子編:2008年9月27日

なぜこのコーナーにこの本の話が入るかといいますと、田村岳斗先生のインタビューでエルビスの話が出てきたからです。
田村先生いや時間を戻して田村君!エルビスの事語ってくれてありがとう!!

ではネタバレにならない範囲で説明をいたしましょう。
インタビュー内のとある質問で田村君が答えたのが長野オリンピックでのエルビスの様子でした。それから興が乗ったのか(?)エルビス関連のエピソードを語る語る。文章量にしてほぼ1ページが埋まる勢いでした。合計4つのエピソードで、いずれもいい話です。

で・す・が。
コアなエルビスファンの視点で読むと印象が180°変わるのですよこれが(笑)。

そのエピソードの主な出所は97年のスケートカナダ。当時高校2年生でテンパった行動と心境だった田村君が可愛すぎました。そりゃエルビス、(以下自重)。本来は「エルビスが好きな人はぜひこの記事を読んでください」と書く所ですが、ぶっちゃけエルビスが好きな人より田村君が好きな人に勧めます。(注:そちらが編集側の意図です)
ご本人とファンの方々には申し訳ない視点ですが、10年経った今になって語ってくれたのが嬉しかったです。本当にありがとう。

久々にセミナー(スケート)の話:2008年9月3日
カナダのケベック州にあるBeaconsfield Figure Skating Clubで、エルビスが子供達を相手に8月25-26日の2日間のセミナーをとり行ったそうです。こちら
エルビスのかつてのトレーナーがらみで縁があったそうですが、セミナーの話をまとめるのに4カ月かかったとか。

エルビスがスケートに関わっている話題が出てくると、やはりほのぼのとしたものを感じます。

でもさエルビス、生徒が何人いるかわからないけどお昼ごはんぐらいは食べようよ(笑)

北京オリンピックを終えて:2008年8月

記事自体は前頁(スケート暦2007-2008シーズン)のものとなりますが、思うことがあるのでこちらの扱いで書きます。

スポーツに対するメディアの報道姿勢や中国そのものに関する報道のあれこれから色々なことを思ってしまい、正直北京オリンピックをあまり楽しめませんでした。
あれだけ楽しみにしていたのに。


オリンピック開催前は中国での開催の是非を問うことがいろいろありましたが、始まってしまえばやはりその勢いに流されてうやむやになった形になりました。実際運営に支障をきたすほどの事故が起こらなかったわけですから、この開催は成功したといえるでしょう。実際にオリンピックをボイコットした男子マラソントップクラスのある選手は、出場しなかったことを後悔するコメントを残しています。

エルビスは―――どんな視線で北京オリンピックを見ていたのか。
それとも完全に背を向けてしまっていたのか。



あの発言後のエルビスの評価…といいますか、周囲から向けられる視線が気になるのです。
表面上真っ向から(北京)オリンピックを否定した発言。オリンピックの熱気に包まれているこの時期では、少なくとも今までのような支持を受けることはないでしょう。決してスキャンダル(醜聞)ではありませんが、下手なゴシップよりエルビスのパブリックイメージに影響を与える気がします。

そして2年後のバンクーバーオリンピックに絶縁状をたたきつけた形になると思うのです。カナダのオリンピック委員会やスポーツメディアがあのようなスタンスを示した元選手を受け入れて利用することも、エルビスがそれに参加することも今の私には考えにくいので。

エルビスはその成績だけでなく、それ以外の要素や活動である意味カナダスポーツ界のセレブリティになっている存在だと推し量っています。ですが今回のことでそれが保てるのでしょうか。
別にエルビスがそれを保てなくなることを心配しているのでなく、エルビスが自分の周りの物を断ち切ろうとしているような何かを感じるのです。

私がそれを気にしてどうするという話ですが。

スケートから去って。
過去の栄光に背を向けて。
この人はどこへ行くのでしょうか。


まあ私から言えるのはこれです。
それだけ東アジア文化に入り込んでいるのなら、生きているうちに一度は中国に行っときな?(関西弁)

それも赤で装飾されて英語が通じる「チャイナタウン」ではない所に。したがって香港は不可、上海は微妙。やっぱり北京でしょうか。いや前北京で市バスに乗った時「この辺エルビス連れて来たらツボかもな…」と思ったことがあるので。
………って、オリンピックの取材で行ったら一番早い話やん。


それにしても。
とことんおもしろい存在ですよねえ……。(縁側でほうじ茶すすり)

 

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