庭はバラのジャングル
 訳があって昨年の10月から全くバラの世話が出来ませんでした。
 秋の花がら摘み、お礼肥、牛糞のマルチング、そして、剪定までも。
ご覧の通り庭はバラのジャングルです。
お恥ずかしい…

 現状に嘆いてばかりいても始まらないので無剪定のバラの園を観察してみることにしました。
 剪定したときと比べることで今まで知らなかったバラの姿を見つけることが出来るでしょうか?
  このジャングルを私なりに楽しんでみることにします。


雨を蓄えたパットオースティン
雨上がりの朝、パット・オースティンが咲きました。
  私は例年、パット・オースティンを強めに剪定しています。
剪定時と比べて花が少し大きいような気がします。
 心配だったのは樹型です。剪定していないので枝が伸びすぎて弓状になり頭が垂れて地面に付くかのように花が咲くと予想していましたが、花の咲く高さは意外と強剪定時と変わらないのです。
雨水をいっぱい含んでいても凛と上向きに花を開らいてくれました。
 そして、驚くべきは蕾の数です。剪定時とあまり変わりません。
 ただ、一カ所にひとつしか蕾を付けていないのが少々寂しいかな。
 自慢の照り葉は剪定した方が新しい葉がより多く茂ることは説明するまでもないでしょう。


2 つ の 蕾
左の写真はルイーズ・オディエです。
左の蕾は今年生まれた蕾。
右の蕾は?
枯れているので咲くことはありませんが、ゾウムシにやられたわけではありません。
実は昨年秋の蕾なのです。近づく冬の寒さに開かずに時間が止まってしまいました。
 そんな蕾の横から新しい蕾が息吹いているのです。
 すごく逞しいと思いませんか。

4 年 目 の 願 い
右の写真はシャルル・ド・ミルの蕾です。

 私はこの花に最もオールドローズのイメージを重ね合わせています。
 このバラが持つたたずまいや雰囲気こそが私にとってのオールドローズなのかもしれません。

 そんなシャルル・ド・ミルを地植だけではなく鉢植えでも育てています。
花が咲いた時に好きな場所に持っていきたいからです。
「シャルル・ド・ミルの香りの中でアールグレイを楽しむ」
これは私が描いたひとつの理想像です。
 でも、そんな私の気持ちを知っているのか否か、3年間も蕾を付けてくれませんでした。
オールドローズを育てているとこの様なことが稀にあります。
苗を植え付けて、その後は元気に生長しているのにもかかわらず何故か花が咲かない。その原因が全く分からない、とにかく数年間花が咲かないのです。
 でも、ある時突然に花を披露してくれる。私たちはその時がいつ来るかも知らされないまま、ただ待つだけなのです。

 そして、遂にシャルル・ド・ミルの鉢植えに最初の蕾が付きました。
4年目の対面です。生い茂るバラのジャングルの中で小さな小さな蕾がひっそりと姿を現しました。剪定しない方がシャルル・ド・ミルにはあっていたのでしょうか?
その瞬間は後少しで訪れようとしています。嬉しい!!

こ ぼ れ 種
 これも初めて目にする光景です。
クープ・ド・ヘベの足元にノースポールのこぼれ種が飛んでいます。
 例年は冬に牛糞などの有機質をマルチングするので種が飛んだとしてもこの様に咲くことはありませんでした。
雑草なら即抜きますが、何だか良い感じに咲いていますよね。
とても抜き去ることなど出来ません。
許してね。

な ぜ ?

悲しい…どうしたの?
雨で傷んだ花びらをやっとの思いで開いたら…
おしべとめしべがまるで巨大なグリーンアイのようになっている。
どうしてこうなったのでしょうか?
私の経験で初めての出来事です。
スベニール・ドゥ・ラ・マルメゾンに一体何が起こったのか?
世話をしなかった私への無言の警告なのか?
私はバラにレッドカードを突きつけられた思いがしました。
悲しそうな目で私を見つめるスベニール・ドゥ・ラ・マルメゾン…

私はただひたすら謝りました。
「ごめんね」

葡萄紅(プタオホン)

 上の写真は京阪園芸で手に入れたチャイナローズの葡萄紅です。
新苗を育てて3年目、これまでは小ぶりの花を繰り返し咲かせてくれました。
それが本来の花型だと思っていたのに今年の花にはビックリ。
x1.5倍ほどの花を咲かせているではありませんか!
 旺盛に生長し、太いベーサルシュートを伸ばしていたとしてもバラ本来の花を付けるとは限らないのですね。その事を葡萄紅から教えてもらいました。
知らなかった…彼女の本当の姿を…

ジャングルになった薔薇の園には私の知らないことがまだまだ詰まっているようです。

次回は昆虫編かな…