宝塚ガーデンフィールズ 2

ウッドランド・ガーデンの小川を渡ると、大小の切り株が流木のオブジェのようにディスプレイされた一角。
巨木の下にはアカンサス・モリスが沢山植えてありました。
フリチラリアなどの球根類もこの辺りに植えてあるのでしょうか。
ここを抜けると右手にハーブガーデンが見えてきます。

パティオを中心に放射状に広がる「フォーマル・ハーブ・ガーデン」。大型になるアーティチョークなどがありました。
もっと真中に植えないと夏通路に倒れかかってくるよ、なんてちょっと小姑になって呟きたくなるところもありましたが(笑)、ハーブ、プラス葉もの等の組み合わせになっていて、一年を通して楽しめるように工夫されています。
ハーブガーデンの周りはカラー・ボーダー花壇となっていて、ハーブを邪魔しないセージやサルビア等が咲いていました。
パティオの向こうに見えるグリーンでできた屋根は展示物などを閲覧できるサマーハウス。

ボーダー花壇に咲いていたゲラニウム。
色などは判りませんがデルフィニウムも苗が沢山植えられていました。
セージ類をはじめ、全体的にブルーのお花が多く見られます。

手塚治虫記念館前。

記念館前をロビニアの長いアーチをくぐって出ると
突然巨大な壁が出現します。
「チャペルの遺跡」と名付けられた壁の前や側面にはパンパスグラスや赤や黒、緑のニューサイラン、縁取りには朝霧草、トリカラーのアジュガなど。
エリゲロンが植えられてたのはちょっと安直かな。

この壁はコの字型になっていて反対側に回りこめるようになっています。
チャペル側の写真を撮りませんでしたが、ジャスミンやハニーサックルなど、草姿がやわらかで香りの良い植物を中心に植えられています。
元からあった木を残す為、崩れたように壁が途中までになっているなど、うまく新旧の融合がなされていると感じました。

池側に咲いていた、アスクレピアス・ツベロサ。
ヤナギトウワタ、宿根パンヤともいいますね。

「テンプルと水辺の植物のエリア」。
池の手前には草丈の低いグラス類を、淵にはシペラス・パピルスやカヤツリなど。

反対側は「泉と牧草の自然なエリア」と名付けられた小高いコーナーです。
サルビア、コレオプシス、ツリージャーマンダーなど。
手前は小高い丘から池に流れ込む小川。

上の板の通路を先へ進むと「シークレット・ローズ・ガーデン」があります。
オールドローズと宿根草中心となっていて、バラは主張し過ぎないよう、宿根草の中にバラがある、という感じです。
本場イギリスの庭は写真でしか見たことがないのですが、このエリアを見て、向こうはきっとこういう感じなんだろうな、と思いました。
ひっそりとバラの咲く秘密の園…そんな雰囲気が想像できます。春にまた来たい。
壁に誘引されていたのはアルベリック・バルビエ。

初めて目にするお花です。個性的な花形。
「テコマリア」とラベルがありました。調べてみるとテコマリア・オーレア。テコマリアの中でもオーレアは数が少ないそうです。
このエリアで気になったのはクレオメ。
私には昔から民家の門前などに植えられていたお花という印象であまり好きではないのですが、ここでは沢山植えられていました。このお花がバラとどう融合するのか…ちょっと興味があります。

この庭園は私にはとても好印象でした。一言でいうと、わくわくする庭。
庭自体は本当に出来たばかりで土肌が見えています。しかしその土はふかふかで良質のものが使ってありました。
ふかふかの土の上を縦横無尽に張り巡らされた潅水装置には安心感を得られたし、殆ど全ての植物にラベルがつけられていたのに満足しました。ただ、ワサワサと繁ってきたときにも見えるようネームプレートになっているといいのにな、とは思いましたがそれだと植物園のようになってしまうのでしょうか。
カラーリーフやグラス類など、パッと見には地味にも見える植物の中にちょっと珍しいものやセンスのよい植物が程よくポイント的に使ってありました。
ただそこにあるように見えて、しかしよく見ると良質でとても手間がかかっている…私の最も好ましいと考えるスタイルです。
この庭で一つ注目すべきは「色」ではないでしょうか。
花色と葉色、葉色と葉色、それらと全体の景色の色。四季を通してどのように変化していくのか、それぞれの色を見てみたいと思いました。
何気なく見えて素通りしてしまいそうなところも、実は全体のバランスを考えて綿密に計算されてあることに気付かされ思わずう〜んと唸ってしまう、そんな庭でした。

来春のグランドオープン時の入園チケットをエントランスでもらったので、今回の私の想像がどんな風に具体化しているのか、確認しに行こうと思います。

宝塚ガーデンフィールズ内 英国風ナチュラル庭園‘シーズンズ’

所在地…兵庫県宝塚市武庫川町(宝塚ファミリーランド跡地)
      .0797-85-6210
営業時間…10:00〜17:30(12/1〜2/29…〜16:30)
休園日…毎水曜日
入園料…大人600円、子ども300円
公式サイト…宝塚ガーデンフィールズ
        http://www.gardenfields.jp

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