冬
赤切れに 母の苦労を 思いけり
木枯らしに 虫の音消える 秋の暮れ
寒々と かがり火揺らす初春の
風に流れつ 除夜の音響く
風抜けて ひとつふたつと舞い落つる
雪の白さに 思いみつめる
雨後(あめのち)の 闇にまたたく天地(あめつち)に
寒さ忘れて ただ立ちつくす