黒ワニス | 瀝青質系、一般用 |
早ウルシ | 瀝青質系、速乾性 |
ビスマチックソリューション | 瀝青質系 |
スチールコート K | 歴青質+合成樹脂系 超速乾性 |
スチールコート R | 歴青質+合成樹脂系 耐候性 |
スチールコート P−14−4 | タール系 防錆力 |
スチールコート D | 非危険物、瀝青質+合成樹脂系 |
瀝青質について
瀝青質とはアスファルト、ギルソナイト、コールタール、ピッチ等を総称していいますが、各々はその原料、成分とも全く異なるものです。
アスファルトは石油からガソリンや軽油を蒸留した残渣成分であり、一方、コールタールはその名の通り石炭(コール)より乾留されて製造されます。
近年、問題になっている発ガン性物質は石炭を乾留して得られるコールタールに含まれており、このコールタールを含有する塗料が規制を受けているのが現状です。
かつて、鋳物業界では、赤く灼けた鋳物を、コールタールに浸漬して、もうもうと黄色い煙(タールの煙)を出しながら、鋳物に焼き付け塗装をしておりました。
なぜなら、タールは、油状の物質であり、常温では、殆ど乾燥しないためです。
その結果、現場の塗装作業者は、その煙を浴び、顔や手足など、露出部分には、吹き出物、今から思えば、腫瘍が出来、健康には非常に悪い状況でした。
しかしながら、タール自体は、防錆力に優れていますので、弊社では、使いこなすべく、改良を重ね、常温乾燥するタール系塗料として、
「スチールコート P−14−4」を開発し、上市致しました。
この塗料は、成分としてタールを含有しておりますので、皮膚に付かないように注意する必要はありますが、常温で乾燥出来ますので、お客様には喜んで頂いております。
一方、現在ご使用頂いております「ビスマチックソリューション」は、アスファルト系ですので、発癌性のあるタール系物質を含有しておりません。
各物質の成分、性状等について、理化学辞典、原料便覧等に記載されている資料のコピーを以下に添付しました。
──────────────────────────────三精塗料工業株式会社
アスファルト【英 asphalt 仏 asphalte 独 Asphalt】
固体又は半固体の瀝青質混合物。
天然に産する物を天然アスファルト、石油から得られる物を石油アスファルトという。
主成分は複雑な炭化水素であるが、一般に硫黄、窒素、酸素等の化合物を含む。
天然アスファルトには、砂、砂岩、石灰岩、粘度、頁岩等と結合した物もある。
アスファルトの成分は、石油エーテルに可溶のペトローレン或いはマルテンと、不溶のアスファルテンとに分離することが出来、アスファルトの性状はこれら両者の存在割合と性状によって支配される。
石油アスファルトはアスファルト基原油を常圧蒸留及び真空蒸留し、釜残油として得られる。
これをストレートアスファルト(straight asphalt)と呼ぶ。
ストレートアスファルトを加熱し、空気を吹き込んで酸化重合させたものをブロンアスファルト(blown
asphalt)という。
ストレートアスファルトはペトローレンが多く、伸度や粘着力が優れ、道路舗装に多く用いられる。
ブロンアスファルトはアスファルテンに富み、軟化温度が高く、弾性が大きく、防水用、ルーフィング用、電気絶縁用等に使われる。
コールタール【英 coal tar 仏 goudron de houille 独 Kohlenteer】
石炭を高温乾留した際に生ずる油状物質。 比重1.1〜1.2。
特に低温タールと区別するときは高温タールという。
収率は石炭の重量に対して3〜6%である。
主として芳香族炭化水素から成り、フェノール、クレゾール等のフェノール類、少量のピリジン等の塩基性油、ごく微量の二硫化炭素、チオフェン等の硫黄化合物を含む。
石油化学工業が発達する以前は、芳香族化合物の最も重要な資源であった。
通常、分留その他の薬品処理方法などにより、分別精製される。
特にその低沸点留分は、染料、医薬品、合成繊維、合成樹脂、爆薬等の原料として、或いは、溶媒として重要であるが、高沸点留分は充分には活用されていない。
コールタールの留分は、およそ次のように分けられる。
1)軽油:約170℃迄の留分(ベンゼン、トルエン、キシレン等を含む)
2)中油:約170〜230℃の留分(ナフタリン、フェノール、クレゾール等を含む)
3)クレオソート油:約230〜270℃の留分(ナフタリン、フェノール、クレゾール、ナフトール等を含む)
4)アントラセン油:約270〜400℃の留分(アントラセン、フェナントレン等)
5)ピッチ(蒸留残留分)