厚生省 シックハウス問題に関する検討会             平成12年4月27日
 室内空気汚染に係わるガイドライン(案)
  1.室内濃度に関する指針値(別添1)
 
    トルエン            :263μg/m(0.07ppm)
    キシレン            :870μg/m(0.20ppm)
    パラジクロロベンゼン:238μg/m(0.040ppm)
 
 
 2.室内空気中化学物質の採取方法と測定方法
 
窓を開放し、30分間換気後、密閉し、5時間後における概ね30分間採取の濃度(μg/m)で表す。
空気資料の採取場所は、室内は居間及び寝室の2ヶ所、室外1ヶ所の計3ヶ所とする。
試料の採取は、2回又は2重並行採取とする。
 
ホルムアルデヒドは、NDPH誘導体固相吸着/溶媒抽出−高速液体クロマトグラフ法によるものとする。
 
VOCは、活性炭などの吸着剤を充填した補修管に外気を吸引して測定対象物質を捕集する。次いで捕集管を溶媒で溶出させ、これをキャピラリーカラムに導入して、GC−MSにより分離、定量する。
MS(質量分析計)が無い場合には、検出器としてFID(水素炎イオン化検出器)を用いることも可能である。
 
採取場所は、室内では、部屋の中央付近の少なくとも壁から1m以上離した高さ1.2〜1.5mの位置で、屋外では、外壁及び空調給排気口から2m以上離した高さ1.8m以上の場所
 
 
 3.記録項目
  (1)住宅に関わる項目
     1)戸建 構造(木造、2×4、木質プレハブ、鉄骨プレハブ、RC、その他)
      階数(平屋、2階建、3階建、その他) 
   2)集合 階建、階部分 
   3)規模 1階(u)、2階(u)、3階(u)、延面積 
   4)改修の有無 改修時期(年月日)、家具購入時期(年月日)
 
 
   (2)測定時間の生活状況に関わる項目
 
     1)1日の窓の総会報時間
 
     2)1日の換気扇の総使用時間
 
     3)1日の暖房器具の総使用時間
 
     4)暖房器具の種別
 
     5)1日のクーラーの総使用時間
 
     6)1日の喫煙本数
 
     7)芳香剤の使用状況
 
     8)スプレー等の使用状況
 
     9)殺虫剤、防虫剤の使用状況
 
    10)調理の状況
 
    11)防蟻処理を行ったか否か
 
    12)室内の温度、湿度(日平均値、最高、最低)
 
    13)天候
 
    14)建物の新築、中古の別
 
    15)戸建て、集合の別
 
    16)その他
 
 4.測定時の気温・湿度による濃度の補正 
  C0=C×1.09^(25−t)×(50+rh)/100
    t:平均室温(℃)、rh:平均湿度(%)  
 
 WHOによる室内空気汚染源となる可能性のある有機化合物の分類 
  VVOC  超揮発性有機化合物 <0〜50-100℃    ホルムアルデヒド
   VOC    揮発性有機化合物 50-100〜240-260℃    トルエン、キシレン、スチレン
   SVOC  半揮発性有機化合物 240-260〜380-400℃  可塑剤
   POM    粒子状物質 >380℃               農薬、難燃剤