【\技資\FS-SS30】
三精塗料工業株式会社
 

 

天然樹脂塗料

ホルマリン シーラー FS

 

 

T.はじめに

 近年、住宅の高気密化 に伴い、シックハウス症候群が顕在化 してきています。
 欧米では、10年以上も前から、化学物質の健康への影響に関する研究が行われ ていますが、我が国では、昨年になりようやく、政府が重い腰を上げて、規制を始めました。

 現在、我が国では、次の3物質3薬剤の建築建材への使用削減が決められ ました。

   3物質:ホ ルムアルデヒド、トルエン、キシレン

   3薬剤:木材保存剤、可塑剤、防蟻剤
 

 その中で、シックハウス症候群に最も影響を有しているのが、合板の接着 剤や壁紙の糊の防腐剤として使われてきたホルムアルデヒド(ホルマリン)であることが判明してきております。
 

 「ホ ルマリン シーラー FS」は、この有害 な発癌性物質でもある、ホルムアルデヒドを有効に遮蔽できる天然樹脂由来の塗料です。
 

U.特徴

 1.ひとと自然に優し い

   ◎溶剤は、エチルアルコール:安心して使えます。

  ◎成分の天然樹脂は、食品添加物として使用されている安全なもの。
    生分解性があるので、環境を汚染しません。
    炭素と水素と酸素から出来ており、燃焼しても、有害ガスは発生しません。
 

 2.作業性がよい

  ◎溶剤は、一般の塗料と比べて、安全性は高いですが、換気には注意しましょう。

  ◎速乾性なので、作業性に優れます。
 

 3.ホルムアルデヒド等の化学物質の遮断能力に優れる
 

V.使用方法

 1.使用前には、塗料をよくかき混ぜて下さい。

 2.塗装用具:刷毛、スプレーガン
   ハケ塗りの場合には、塗料をたっぷり含ませることの出来るニス刷毛が好ましい。

 3.うすめ代:専用シンナー(エチルアルコール)で10〜20%希釈して下さい。

 4.塗装は、2回以上、出来れば3回塗りすること。
   塗布量:1回当たり、60〜70g/m2

 5.塗り面積
    1回塗り:10〜15m2/L
    2回塗り: 7〜10m2/L
    3回塗り: 5〜 7m2/L

 6.乾燥時間:約1時間(気温:20℃、湿度:60〜70%)

 7.用具の洗浄:専用シンナー又は、アルコールで洗浄して下さい。
         樹脂は、アルコールにしか溶けません

 8.塗料の保管:容器を密閉して、乾燥した冷暗所に保存して下さい。
   高温下保存されますと、塗料が乾燥しにくくなり、性能が落ちます。
 

W.使用上の注意

 1.安全な溶剤を使用していますが、有機溶剤でもありま すので、塗装中、乾燥中と

もに、換気を良くして下さい。  2.可燃物ですので、火気には注意して下さい。

 3.よくフタをし、子どもの手の届かない冷暗所に保管して下さい。
 
 4.塗料は、天然物固有の色である茶色に着色していますので、淡色物の塗装には
   適しません。 多少ブラウン系の色がつきます。
 

X.荷姿
 
  ホルマリンシーラー FS:15kg、 3.5kg、 1L

  専用うすめ液 :16L、  4L、  1L、  500ml
 

◆ホルマリンシーラー FSの効果について
 

◎JAS法による試験結果

 試験試料:アミノアルキド塗装合板

 塗装方法:各種塗料を刷毛塗り

 塗 布 量:1回当たり60〜70g/m2 で、1〜3回塗り

 試験方法:JAS規格 特殊合板のホルムアルデヒド放散量試験

 試験結果:塗料の種類とホルムアルデヒド抑止力

 
ホルムアルデヒド
 
 
塗布塗料
塗重ね
回数
塗布量
(g/m2)
放散量
(mg/L)
抑止率
(%)
 
 
未塗装(ブランク)
0回
4.7
0%
 
 
ホルマリンシーラー
FS
 
1回
2回
3回
15
25
33
2.5
0.9
0.2
47%
81%
96%

 
アクリルラッカー
(比較)
1回
2回
3回
14
25
35
2.8
2.1
0.9
40%
55%
81%
 







 

 

◎簡易型気中濃度測定器による試験結果

 

 試験方法:ホルマリンシーラー FSを3回塗装した時のホルムアルデヒド濃度

測 定 器:ホルムデジタルキャッチャー (98年6月)

 

塗装前
(ppm)
塗装後
(ppm)
抑止率
(%)
 
 
合板で作成した
300×300×300の箱
28.6
1.11
96.1%
 
 
下駄箱の内部
1.50
0.05
96.7%
 
  合板で作成した箱は、一辺が30cmの箱であり、体積に占める表面積が実際の

 家と比較して非常に大きいため、ホルムアルデヒドの濃度がかなり高くなっています。

 実際の住宅(この場合は下駄箱)の場合には、せいぜい数ppm程度の場合が多く、

 環境基準値の0.08ppmをクリヤーすることは可能と思われます。

 

 

◆参考資料

 

 合板にはJAS規格があり、このホルムアルデヒド放散に関する規制値を、次の表示

 しました。

 新規格
旧規格 
水中濃度(注1)
気中濃度(注2)
 
 
 
平均値
最大値
 
 
F☆☆☆☆

0.3mg/L以下
0.5mg/L以下


F☆☆☆
F1合板
0.5mg/L以下
0.7mg/L以下
 0.2ppm

F☆☆
F2合板
5.0mg/L以下
7.0mg/L以下
 2.0ppm

 F☆
F3合板
10.0mg/L以下
12.0mg/L以下
 4.0ppm

 
  (注1)検体(50×150mm 10枚)から放散されるホルムアルデヒドが300mlの蒸留水
     にとけ込む量

 (注2)合板(床面積の3倍量、室温30℃、湿度80%、換気1回/時間)の場合の室内
     汚染推定値

 

一方、WHOの基準値は、0.08ppm以下であり、我が国の厚生省の専門検討会議

による室内濃度指針値も、0.08ppmに規制されました。

 

上記の表を見ると、最もグレードの高いF1合板でも、むき出しのまま

 使用されれば、ホルムアルデヒドの室内濃度指針値をクリヤー出来 ない

 ことになります。

 

 それでは一体どうすればよいのでしょうか?

 方法としては、いくつかが考えられますが、

 

 これから建築する場合:

  1)ホルムアルデヒドを発生しない原材料を使用す る。

   (無垢材又はF0合板など)

 

 既に、発生源が有る場合:

  2)発生したホルムアルデヒドを活性炭などの吸着剤で吸着除去す る。

  3)発生源に塗装などをして、被覆、遮蔽す る。

  4)ホルムアルデヒドと反応する化学物質を用い、 反応により、安定な

    (無害な)物質に変える

 といった方法になると思われます。

 

 特に、問題となっているのは、後者の様に、既に、発生源が有る場合です。

 

 2)の吸着剤に関しては、冷蔵庫の脱臭剤と同じで、吸着 容量以内であれば、かなり

   低濃度にまで、除去が可能です。

 

   しかしながら、吸着剤が飽和してしまえば、これ以上吸着出来なくなり、気温が

   あがったりすると、逆に、放出され、その結果、発生源となる場合があります。

 

 3)は、材料からしみ出してくるものを、一部は、反応により固定化したり、又、

   緻密な塗膜で、しみ出てくるものを押さえ込むという 方法です。

   根本的な解決法ではありませんが、放出速度を大幅に低下させることが可能で す。

 

 4)は、反応により安定化させ、除去するのですが、現在のところ、安全性が高く、

   かつ、有効な物質が見いだされておらず、決定的なものはありません。

   合成物質を使用してもよいのならば、かなり有効な物質はあります。

   (現在、弊社に於いて安全性を含めて検討中です)

 

 ◎ホルムアルデヒドの発生に関しては、2)の様な方法で濃度を低下させますと、

  放散は、平衡反応ですので、濃度が下がった分だけ、発生源より更に放出されるため、

  材料の中の全ホルムアルデヒドが無くなるまで、いつまでも放出され続けます。

 

 ◎従って、付け焼き刃的にはなりますが、いくつかの方法を併用し て対策することが

  重要です。

   例えば、3)と2)の併用など。

  塗装して、ホルムアルデヒドの発生量を減らして、少なくなったホルムアルデヒド

  を活性炭で吸着除去する…これにより、活性炭の寿命を長くすることが出来ます。
 
 



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