【\S25H20】
木材強化剤
DS−45
T.はじめに
木材強化剤 「DS−45」 は、杉や檜の様な軟質針葉樹材、及び桐等の軟質材を補強、強化する目的で開発された木材強化剤です。
従来から、木材の強化方法としては、WPC(Wood Plastic
Combination)処理はありますが、高価な含浸設備が必要だったり、又、できあがった素材はプラスチック化され、木の質感が無くなる、といった欠点がありました。
この処理剤は、木材に、単に塗布、浸透させるだけで表面部分、特に吸い込みの激しい軟質部分の物性を改善することが出来ます。 又、硬化時の収縮率が小さいので、硬化時の反りなどが少ない強化剤です。
U.特性
1.配合比
主剤:硬化剤=2:1
2.粘度
主剤:1500mPa・s 硬化剤:200mPa・s 混合粘度:350mPa・s
3.硬化時間
指触乾燥:8時間(20℃)、60分(55℃)、40分(65℃)
硬化乾燥:24時間(20℃)
4.荷姿
主剤:16kg 硬化剤:8kg 専用うすめ液:16L
5.消防法
主剤:第4類第三石油類(危険等級:V)、
硬化剤:第4類第二石油類(危険等級:V)
専用うすめ液:第4類第一石油類(危険等級:U)
6.労働安全衛生法 主剤および硬化剤:非該当
V.使用方法
1.塗装方法 刷毛、又は、専用塗装機
出来るだけ、無希釈で、染み込ませるようにしてご使用下さい。
希釈が必要な場合には、溶剤としては、専用うすめ液で、強化剤総量の20%以内の量にして下さい。
希釈しすぎますと、硬化が遅くなり、かつ、希望の強度が発揮出来ない事があります。
2.ポットライフ 約1時間(20℃、100gポット)
量が多くなると、ポットライフは短くなり、発熱も大きくなるのでご注意下さい。
W.一般的塗布条件
1.前処理
ペーパー掛け #150〜#180 サンドペーパー
基本的には、次工程以降でペーパー目が出ない範囲で、なるべく粗いペーパーをご使用下さい。
ペーパー目が粗い方が、木材強化材「DS45」の吸い込みが良くなります。
研磨後は、研磨粉などを十分に除去して下さい。
2.予熱
被塗物をあらかじめ、50〜60℃に加温して下さい。
出来れば、硬化温度よりも5〜10℃程度高い方が望ましいです。
予熱により、被塗物表面温度が上がり、次の塗装工程で、木材強化剤「DS45」の粘度を下げ、
吸い込性を向上させ、同時に、硬化乾燥工程での発泡を抑えることが出来ます。
3.塗布
木材強化材「DS45」を10〜15g/尺2
となるように塗布して下さい。
塗装方法としては、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター塗装、しごき塗りなど、どの方法でもご使用になれますが、樹脂のポットライフには十分ご考慮下さい。
粘度が高い場合には、専用うすめ液で希釈して下さい。
なお、希釈量は、主剤と硬化剤の混合後の総量の20%以下となるようにして下さい。
4.セッティング
塗布後、樹脂が被塗物に吸い込むまでの時間が必要です。 一般には10〜15分程度です。
もし、塗布後の被塗物の温度が次の硬化温度より高い場合には、このセッティング工程は不要です。
5.硬化
硬化は、次工程の塗装時に悪影響を及ぼさない範囲で短縮出来ます。一般的には、指触乾燥程度で次工程に移れます。本来の硬化には、常温(20℃)では1日、60℃でも、1時間程度を要します。
なお、被塗物を予熱しておくと、この時間を短縮できます。(60℃で40分)
なお、硬化反応は、冬場(5℃以下)では、殆ど進みませんので、必ず加温して下さい。
6.上塗り
一般の溶剤系塗料を塗布すると、「DS45」が硬化不十分の場合には、上に塗る塗料中の溶剤により溶かされ、肌が悪くなったり、密着不良や、硬度が高くならなかったりする場合があります。 紫外線硬化タイプの様な無溶剤系の塗料をおすすめ致します。
X.使用上の注意
1.主剤と硬化剤の比率は、厳守して下さい。 比率が変わると、強度が発揮出来ません。
2.反応による硬化特性は、温度に大きく依存します。
一般には、温度が10℃上昇すると、反応速度は約2倍速く、従って硬化時間は約半分になります。冬場、5℃以下になると、反応性が非常に落ち、硬化に長時間を要しますので、保温して下さい。
3.一度に大量の主剤と硬化剤とを混合しないで下さい。
大量に混合すると、発熱量も大きくなり、内部にこもった熱により、反応が促進され、その結果、急激な発熱を生じます。
発熱による反応促進と、反応促進による発熱と、連鎖的にすすむと、かなり高温になり、発煙や発火の可能性がありますので、ご注意下さい。
なお、この発熱は、DS−45に、予め、専用うすめ液等の溶剤を希釈剤として添加しておくと、かなり抑えられます。
ただし、うすめ液の添加量は主剤と硬化剤の合計量の20%(重量%)以内にして下さい。 うすめ代が多くなると、硬化が遅くなったり、硬化後の樹脂の収縮が生じる場合があります。 特に、専用うすめ液以外のシンナーを使用すると、硬化が非常に遅くなる場合があります。
4.出来るだけ専用塗装機をご使用下さい。 主剤と硬化剤を直前に混合して塗布しますので、強化剤の性能を100%発揮出来ます。
5.被塗物は、下記の理由により予め予熱することが好ましいです。
予熱により、被塗物の温度が高くなるので、塗布された木材強化剤「DS45」の温度が上がり、その結果、「DS45」の表面粘度が下がり、吸い込み性が良くなります。
更に、「DS45」の温度が被塗物温度より低いので、木材の導管部分などの吸い込み性の良い部分が冷却され、その結果、導管部分などの吸い込み性があがります。
又、「DS45」を硬化する際に加温するのが望ましいですが、予め予熱をしておくと、加温の際の発泡が抑えられます。
6.もし、塗布が旨くゆかなかったり、或いは硬化の際の加熱などにより発泡してしまった場合には、完全硬化前であれば、アセトンやウレタンシンナーなどの溶剤で拭き取ることにより除去出来ます。
硬化してしまった場合には、ペーパーで研磨して下さい。
7.塗布量は、被塗物の性質にもよりますが、スギやヒノキの様な柔らかい素材の場合には、10g/尺2
以上塗布することが必要です。 好ましくは、12〜13g/尺2 程度の塗布量が必要です。 少ないと、強度の発現はあまり期待できません。
8.木材強化剤「DS45」は、どんな厚膜でも硬化し、肉ヤセは非常に小さいので、塗装直後とほぼ同じ状態で硬化します。 従って、吸い込まない部分の膜厚は、厚くなってしまい、次工程の塗装によって解決することは困難です。
例えば、12g/尺2
で塗布され、吸い込みが全くない場合には、次工程で12g/尺2 以上の膜厚で塗膜を付けないと、強化剤の吸い込まない部分の凸部分は解消されません。
従って、塗布後、吸い込みの悪い部分は、なるべく、刷毛やへら、或いはロールにより掻き取ると、均一な厚さで塗布出来るので、後工程が容易となります。
9.後始末:硬化物は溶剤には溶解しません。 従って、使用後は、塗装機などを速やかに洗浄して下さい。
洗浄液としては、アセトン、ウレタンシンナー等が使えます。
10.硬化剤は、塩基性のアミンを含有していますので、かぶれや、アレルギーを生じる恐れがあります。
使用時には、手袋、保護めがね、防毒マスクなどの保護具の着用、並びに換気を良くしてご使用下さい。
11.木材によっては、本処理剤を塗布する事により、黄色〜褐色に変色する場合がありますので、ご留意下さい。この変色は、硬化剤中の塩基性成分と木材中のヤニ成分との反応によると思われます。
12.一般に、木材強化剤「DS45」の塗り重ね時間間隔は、かなり長いですが、上に塗装される塗料との相性がありますので、塗り重ねの密着性については、予め確認の上、ご使用下さい。
13.この木材強化剤「DS45」のガラス転移温度は、約140℃です。 この温度以上の温度で再加熱すると、型押し等の二次成形も可能です。
14.この木材強化剤「DS45」は、大和塗料産業鰍ニ三精塗料工業鰍ニの協同開発による特許製品です。