ガラ塗装は、単純な構造の被塗物の塗装に向いており、
のれん玉、数珠玉、或いは、植木のハサミの柄等の塗装に
利用されています。
設備的には、筒状の容器に、被塗物を入れ、これに、上から
塗料をまぶす様に振りかけ、容器の蓋を閉め、容器ごと
ガラガラと回転させます。
この音から、「ガラ塗装」という名称がついたのかもしれません。
所定時間、ガラガラとかき回す内に、塗料が被塗物に万遍なく
付着し、同時に、被塗物同士が切磋琢磨され、表面が滑らかになります。
半乾きの状態で網の上に空け、塗料が乾燥するまでの間に、
何度か被塗物を船の櫂の様なものでかき回し、互いが
くっつかないようにしながら乾燥させます。
塗料としては、弊社の下記の様な塗料が使用されます。
下塗り:PSシーラー
上塗り:MLA、 ML
下記に、実際の塗装設備の写真を貼付しましたので、
ご参考にして戴ければ幸いです。
一般的なガラ塗装設備
塗装用の筒の大きさは、石油缶のサイズと比べて下さい。
直径は、60〜0cm、長さは、1.2m程あります。
塗装されたものを、塗装筒を回転させ、下にある箱に
落とし込みます。
容器自体は、木製以外に、次の図のような金属製のものもあります。
更に、大量生産向けには、下図のような2〜3連に繋げたものもあります。
刃物の柄(取っ手)等のガラ塗装
空の状態
塗装容器に被塗物を充填した状態
この状態で、上から塗料を0.5〜1L程度、上からまぶすように
かけます。
その後、塗装容器の蓋を閉め、均一に塗装されるまで回転します。
塗装容器から被塗物を出し、乾燥用の網の上に出した状態
塗装後、上図の様に、網の上(乾燥台)に万遍なく広げて、
乾燥させます。
完全乾燥する前に、途中で、数回、船の櫂の様なもので
被塗物をかき混ぜて、互いにくっついている部分を
剥がしてやります。
かき混ぜるタイミングは、塗料が指触乾燥する手前です。
軽くくっついていた部分は、それ以降の乾燥の段階で
なじんでゆき、あまり目立たなくなります。
乾燥を早めるために、扇風機の風を当てる場合もありますが、
湿気の多いときは、湿気を呼び、ブラッシングする場合が
ありますので、ご注意下さい。
ガラ塗装の塗装設備としては上の図の様な八角形の筒
以外に、下図のような、らいかい機の様な塗装機、
丁度、乳鉢と乳棒(すりこぎ)で、こねる様な方法もあります。
壺の中に被塗物を入れ、この上に塗料を振りかけてから、
かき混ぜます。
塗装終了後、壺の下の口を開けて、中身を出してから、
上記と同じようにして乾燥させます。
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