浄化によって霊位は高まる 【52年1月号】 P04
昭和三年二月二十九日と昭和七年六月三日と、両度、岸先生が八意思兼大神に次のようにお尋ねをされています。
○ 霊界には親子、夫婦の霊の位置関係がありますか。
この問に対して大神から
○ 霊界の霊の位置関係は、浄化の程度によって定まる。その位置関係は階級に従う。
と教えておられます。
今まで、私どもは人間は帰幽して霊界に入ると、子孫の正しい祭祀と、霊界での修業と相まって、段々に浄化するのであると了解していましたが、このご教示によって、このことがより具体的に理解ができます。われわれ人間は、霊界に入りましても浄化の程度によってその階級を異にし、その階級に従って霊の位置関係が定まることになります。子孫の祭祀の大切なことと相まって、四魂具足の修業の大切なことを今更ながら痛感する次第です。
更にまた岸先生の
○ 人が体霊の機能を以て生活している間に、信仰の最上位に達することができますか。
とのお尋に対して、
〇 人として生きている間にも、その修業の程度によっては信仰の最上位に達することができる。
との意味のご教示があります。
このみ教えによって、人間は生きている間も信仰に励み、努力するならば、その励む程度によって、その信仰の階級が段々上昇して、最上位にまで達することが可能である。と了解できるのです。
人間が体霊の機能を以て生活している間、つまり生きている間にもその修業によっては、人間の意識構成の諸霊は浄化され、人間は生きながらその霊位は段々と上昇して、信仰の最上位にまで達することができるとのご教示と拝察するのです。
人間は生きている間も、帰幽して霊界に入っても変ることなく、顕幽を一貫して神掟の実行に励めば、その努力の程度によって信仰の階級は段々上昇して、遂に信仰の最高位にも達し得るのです。励めば励むに従って信仰の階級は昇り、怠れば降るのであると理解するのです。
人間の生ある間も、帰幽して霊界に入ってからも、顕幽を貫く修業は神掟である四魂の信条の実行あるのみです。
○ 真神霊は四魂の反省なき者には感合せず。
○ 真神霊との感合は、その人の信仰と一致すべし。
とのご神示が今改めて胸を打つのです。
「会員たる者は、朝眼が醒めたら直に四魂具足といふ心が真先におこるように四魂具足々々々々と心懸けて貰いたいのであります。この四魂具足の惟神の道を一刻も離れないように努力すれば、常に神人感合の状態になり得るのである」
「人間は信仰といふものが、智識で解るものと思う習慣性があるが、真の信仰に入るには先ず信仰は智識でわかるものである、との考えを棄てて貰いたい」
「神や、平田の示すことを実行してこそ意味があると考へる」
と教え訓しておられ、また本会の創始者岸先生は
「四魂とは奇魂、荒魂、和魂、幸魂の謂であって、この四つの魂を具えることが人間の神に近寄る道である。此の四魂を具足する考えを以て神に仕え申せば神はお喜びになるのである」
「神人感合と一言にいうが、なかなか此の域に達するのは難かしい、故に人間は絶えず反省し、懺悔して行かねばならぬ。反省し、懺悔する毎に神さまは感応して導いて下さるのであるから、次第々々に人間が神人感合の域に達して行くことができる」
「信仰はすべて実行にある、その実行が一歩進めば信仰も一歩深く進むのである」
「氏神は正しき信仰の人にのみ、よく感合せらるるのである」
など、親切に導き訓しておられますが、実行という事はいうべくしてなかなか大変なものなのです。
昭和九年三月十四目のご神示には
○「神界では人の克己心を認める。克己心と信仰とは比例する」
と訓され、信仰は勇気が大切、克己心を奮い起して努力せよ、と訓されています。なま優しいことでは真の信仰に入ることはできないぞ、とのご教示です。苦しいからやめる、めんどうだからやめるというような弱い心では、霊位の向上は不可能なのです。
生きている間でも、修業如何によっては信仰の最高の階級にまで上昇することができる、と申されているのです。真剣に信仰に生きようと努力している者にとって、何という力強い神のお言葉でありましょう。
岸先生が国教第十号(昭和四年三月号)に
「神の守護に依って、神人感合の状態に達すれば、取りも直さず人にして神の働きができるわけである」
と述べておりますのは、この境地をさしておるのではないでしょうか。
人が常に自分の信仰を厳正に点検し、反省し、懺悔して信仰の向上に励み、霊位が向上して信仰の階級が上昇し、神のみ心に叶うようになればなるほど、神のご守護は自然に大きくなります。
神人感合の妙域に達して、人間にして常人の想像もできない考えと、行為ができるようになり得るとのみ教えです。真に信仰に志す者にとってまことに有り難い心強いきわみです。
○ 真神霊は四魂の反省なき者には感合せず。
○ 氏神は正しき信仰の人にのみ、よく感合せられるのである。
○ 真神霊との感合はその人の信仰と一致すべし。
○ 御神業は絶対服従にて、神の御心と合致した時御守護下さるものと決めてよろしい。
とのご神示の数々は、どうかすると怠け、ゆるもうとする会員の心をピシャリと鞭打っ感のものがあります。
日本は思想的に、今将に非常時の様相を呈しています。
(昭和五十一年十一月二十一日 八意思兼大神秋季大祭における講演要旨)
以 上