信  禄   P4

 

    惟神会委員長 川   村   二   郎

 

 本日は信仰と福禄ふくろく―しあわせ)についてお話をいたします。

 惟神会では毎月二十五日に氏神さま、祖霊さまの奉斎式をお仕えしておりますが、今日はそのことについてぜひ皆さまに知って頂きたいことがあります。

『国教』第四十七号(岸先生の講演記事)に記載されていますので紹介いたします。

 

 氏神奉斎に当って氏神さまは八意思兼大神さまの命をもって『これが神の氏子である。今日から氏神として氏子を守護せよ。福禄を与えよ』と命ぜられてお鎮まり遊ばしたのであるから、必らず何か金銭上の利得とか、健康上の守護、利益とかがあるのである。

 初めから何のご守護もご神徳もない人があるとすれば、その人は真の信仰をしていないのである。必らず邪神、邪霊との縁を切ろうと思わぬ人である。

 氏神はご守護ご神徳を与えんとせられてもその人の霊がこれを受け取ろうとせぬのである。

と教えておられます。

 このことは氏子が氏神のご守護、ご神徳をさえぎる邪神や邪霊と縁を切って、真の信仰に目覚め、子が親を信頼し、感謝すると同じ心持ちで、否それ以上の敬虔けいけん―うやまいつつしむ)な心持ちで朝夕お仕えし、行ないを正してゆくならば、氏神さまは喜んでご神威ご神徳を垂れ給うものと解釈してよいのではないでしょうか。そうでないと信仰というものに味がなさ過ぎます。

祖神に接する温味が少な過ぎ、誠に冷たい信仰となるのであります。

『これが神の氏子である、今日から氏神として氏子を守護せよ、福禄を与えよ』との命令を受けて氏神さまがお鎮まり遊ばすそのことに何ともいえない温味を感じ、恐懼するのであります。

 私は今日皆さまに、わかりきったことをお尋ねし、わかりきったことをお話しして、奉斎式の日に大神さまが『これがあなたの氏子ですよ、今日から氏神として氏子を守護しなさい、福禄を与えてやりなさい』と紹介されたことに、値打ちのある氏子として、また会員として成長したかどうかよくよく反省したいのであります。

 質問第一は、我々は惟神会員なのですが惟神会とはどんな会で、何のためにあるのですか。

 質問第二は、我々は氏神さま、祖霊さまをお祀りしていますが、どなたが祀らせてくだ

       さったのですか。

何のために祀っているのですか。

あなたは氏神さまの何なのですか。

 このことは我々が知っていなければならないことであり、わかりきったことでありますが、繰り返し反省しなければならない大切なことなのであります。

 皆さま既にご承知のとおり、惟神会とは

 『惟神の大道を広めるため、一つの団体を作れ、そうして目的達成を少しでも早める運動をせよ』

との神のご要求によってできた、神人一体の会でありまして、敬神崇祖、四魂具足の信仰を世に広めるために存在する会であり、その目的達成を少しでも早める運動をする会なのであります。そうして我々はその会員なのであります。

 わが惟神会の主神であらせられる八意思兼大神が惟神会にお出ましになり、会の盤境にお鎮まり遊ばしたご神意もそこにあり、また大神が我々に氏之祖ノ神を祀らせてくださったのも四魂具足の行に邁進すると同時に、本会の使命である国教確立(日本人をことごとく惟神会員にする仕事)に協力するためであって、我々はここに深く思いをいたさねばなりません。

 この二つを達成することは即ち氏神に対する報恩であり、祖霊に対する孝行であり、かつ国家社会に対する荒魂の偉大なる発揮であります。帰するところ悠遠なるご神業の翼賛であって大神のご神意に酬い奉ることになるのであります。

 私達は以上のことをよく自覚して毎日自分の言行心、特に行を反省し、正しい清い心を持って氏神さま、祖霊さまにお仕えし信仰を深め、高めてゆくことが『福禄』を与えられるに足る氏子として、会員としての大切な条件なのであります。

 まず会員として、氏子としてやらねばならぬ最低の行、十二項目の徹底から始めて、素直に工夫、実行し、反省感謝を繰り返し、自らの行を改めてゆくならば氏神さまは大神さまの命令どおりに、福禄は求めないで神の方から氏子に与えられるのであります。

 真の信仰の立て前としては氏子としてまた惟神会員としてご神徳、ご稜威は求めてはならないものでありますが、氏神は大神のご教示に素直で四魂具足の実践に真剣なものを愛し喜こんでご神徳を垂れ給い、福禄を与え給うのであります。氏神さまは大神さまの命によって氏子として、会員として真に理解あり真に四魂具足の実践に努力し、会の発展に協力する者を愛し、福禄を与えて大神からの『福禄を与えよ』とのご命令を果されるのであります。

 このようにして日本人のことごとくを幸福な、四魂民族に育てあげることによって、ご神業を達成されるのであります。

 お互いに助けあい、励ましあって、求めないで福禄の頂ける氏子、会員になりましょう。

以 上

                   (昭和四十八年七月十五日 八意思兼大神月次祭における講演要旨)


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