- Tuba
- 気づけばかれこれ20年以上この楽器を吹いている。人生の半分以上この楽器と関わっているのだからすごいと思ってしまった(^^;) 先日天狗になる書き込みがあったので(^^;;;) 今自分が考えている、好みのTubaの音について書いてみようと思う。
私自身身近で一番あこがれている音は、我が師匠である京響の武貞先生の音である。C管での音しかり、最近聴いたF管で吹いたブルックナーの9番の時の音はすごく刺激になった。言ったら元シカゴ響のアーノルド・ジェイコブス氏の系列?であるヨークタイプの楽器の音である。いわゆるアメリカンタイプというやつかな。杉山さんがウィーン国立歌劇場にいったように今世界のTubaの流れはこの方向に向かっているのだと思う。しかし、私の音がその流れかといったらちょっと違うかもしれない。まずマウスピース。ペラントゥッチの70番というカップの底がまるく浅いジャーマンスタイルというマウスピースを使っている。楽器もマイスターアントンというヨークタイプに比べれば非常にタイトでベルに響き止めがついている楽器を吹いている。せばさんの音って明るいと言われる。この楽器で武貞先生みたいな音を出したいとイメージしつつも、この楽器の音によりあっているのではないかと思う、高校時代に聴いた大フィルの唐川先生のその当時の音をイメージして楽器を吹いている。その当時の唐川先生はヤマハのF/Bのダブル管という楽器を吹いていたと思うが、たしか小さい楽器だったと記憶している。自分のイメージのベースとしてこの音があって今の私の音が成り立っているのではないかと思う。
後一つ衝撃を受けた話。大学の時北ドイツ放送響がシンフォニーホールでブルックナーの8番を演奏したのだが、そのTuba奏者のヒルガースがジャーマンブラスで演奏したスタイルと全然違うスタイルで吹いたのだ。その時は舞台横の上手側の席で聴いていたのでベルからの直接の音やからと思っていたが、大学3年の時バリ・チューバ協会のキャンプで志賀高原に行ったとき、稲田さんが帰国された時で講師で来てはって講習があったのだ。その時デモでヴァルキューレの3幕の前奏曲(いわゆるヴァルキューレの騎行というやつ)を吹かれたのだが、バリバリに音をわって吹かれたのだ。当然僕らは「えっ?」と思った。ドイツでバリバリに活躍していた人がなんで?なんである。話を聞いてみるとこれがジャーマンスタイルだったのである。これですべての話がつながったのである。ドイツのスタイルは全然違うかったのである。
Tubaという楽器は他の金管楽器に比べてまだ歴史の浅い楽器なのでその国によって演奏スタイルも違うし、楽器の調もドイツではBorF、ウィーンではF、イギリスはEs、アメリカはCと違うし、楽器の形もメーカーによってさまざまであったりとで、それぞれのお国柄でこんなにも違うので注意深く見たら面白いのだが、最近は前記でも書いた流れになってきているのがある意味寂しいかも。(2004年12/15)
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- ヴァーグナー
- バイロイト音楽祭真っ只中の真夏。一生に一回でもいいからバイロイト詣でをしてみたい。
ヴァーグナーの名前を初めて知ったのは、なんと家のピアノのメーカーがヴァーグナーだったのである(^^;;) その時はどんな曲を書いた作曲家とは知らなかったが・・・。はじめて聴いた曲がたぶんタンホイザーの2幕の行進曲だろう。授業か先輩に借りたカセットテープか記憶は定かでないが、その時から好きになった曲だったと思う。ヴァーグナーがすごいと思ったのは、音楽のページに書いているあるテレビ番組でリングが特集されたこと。その時4日間もかけて行われしかも専用の劇場まで作ったオペラってどんな曲なんだろうと思ったし、その時もうTubaを吹いていたので客席から見えないオーケストラピットというのにも興味を持った。初めてのヴァーグナーのオペラ体験は、高校の時来日したベルリン歌劇場のマイスタージンガーのTV放映だ。ビデオにも録画したので何回も見た。それくらいブルックナーと並んではまってしまった。その当時はまだ高校生だったので、ダイナミックなオーケストレーションに惹かれたのだろう。大学に入ってからはさらにのめり込み、年末のFMで放送されるバイロイト音楽祭をエアチェックしたり大学の図書館にある本も読みあさった。3回生ぐらいの時にバイエルンのリングが放送された。もちろんビデオに全部録画した。バイエルンには憧れのロバート・トゥッチ先生がいてたのと演出がすごかったのとでビデオを見まくった。少し後にレバインのメトロポリタンのリングも放送されこれも全部録画したが、これはそれほど感銘を受けなかった。聴いているとスターウォーズを演奏しているのかと思うようなオケの演奏は・・・。話は変わるが、私の師匠である武貞先生は演奏会の休憩時間などで舞台に出てパッセージをさらったりしているが、よくジークフリートの第2幕の冒頭を吹いている。私もレッスンを受けたがあれがウォームアップに最適なのである(と私は思っているが(^^;;)私も本番の時、舞台に上がったらトゥッチ先生や武貞先生の演奏をイメージして(^^;;;)吹いている。
話をもとに戻そう。就職してからは仕事におわれなかなか観るのに長時間とられるヴァーグナーを見れないが、最近新国立歌劇場の「ジークフリート」がTVで放映されていたので観たが、ジークフリートがスーパーマンのTシャツを着ていたり、舞台の装置などを見ているとすごく違和感を感じた。確かにクプファーやフリードリッヒ、レーンホフといった当時前衛的な演出は好きであったが、今の演出は・・・。最近のバイロイトの批評を見てもリングの演出の評判も賛否両論あるみたいで、私はメディアとかでも見てないのでなんとも言えないが、オペラの演出ってなんなんだろうと思ってしまう今日この頃である。
LIVEでのヴァーグナー体験は卒業してから関西二期会公演の「ヴァルキューレ」と「パルジファル」だ。バイロイトやバイエルンとは違うけどやはりLIVEで観るのはいいね(^^) なので余計にバイロイトに行きたくなった。やはりノイシュバンシュタイン城、ミュンヘン、バイロイト、ドレスデンをまわるヴァーグナー旅行をしたいものである。(2004年 8/21)
- 朝比奈隆さん
- 私がブルックナー好きになったのは、朝比奈さんが大フィルの監督だったというのは大きいと思う。高校の時、はじめて大フィルの定期でブルックナーの4番を聴いた時の感動は今でも憶えている。それから大学時代、朝比奈さんにかぎらず大フィルの定期ほとんどフェステイバルホールの2階の一番後ろで聴いていたが、朝比奈さんの指揮の時はなかなかチケットがとれなかったが「ひょっとしたら今日の演奏会が朝比奈さんを聴ける最後かもしれない」と思ってなんとかとった思い出がある(^^;) 今日の演奏が最後が10年も続くなんて思わなかったが・・・(^^;; 話を戻そう。わりと身近にブルックナーを取り上げる指揮者、オーケストラがあったためブルックナーに惹かれていったのであろう。
最近仕事が忙しくて演奏会から遠のいているのが残念だが・・・
その朝比奈さんが2001年12月29日に亡くなられた。ご冥福をお祈りいたします。(2002年 1/7)
- ブルックナー
- 音楽のはじめのぺ−じにも書いてるが、ブルックナーの音楽をはじめて聞いたのはこの時である。ブルックナーという人を知ったのは朝比奈隆さんの本だった。そして高校1年の時はじめてCDを買う。交響曲第7番、指揮クルト・マズア、ライプツィッヒゲバントハウス管弦楽団でした。7番から入門したのがよかったかもしれない。ブルックナーにしては長くなく(でも1時間はかかる)長調の曲やしわかりやすかったかもしれない(でもどこまでわかっているのかな?)。はじめて生で聞いたのは前記の組み合わせで交響曲第4番だった。場所はシンフォニーホール。
とにかくハマった。CDを買うお金がなかったのでFMのエアチェックで集めまくった。演奏会も行った。特に朝比奈隆、大阪フィルの組み合わせでブルックナーやるときは必ずいっていた。
なんでブルックナーにハマったんだろう。曲を聴いてると心が穏やかになるというか落ち着くんですね。それで受験とかで悩みが多い時期に心を和ませてくれるというのでハマったのだろう。
しかし、このごろブルックナーをゆっくり聞く時間がないな〜。
- マーラー
- マーラーもブルックナーと同じ時に出会っている。でもこちらはすんなり自分の中に入らなかった。特に大地の歌の6楽章と交響曲第9番である。なぜかというと「恐い」のである。何が恐いのかというと「死」ということである。聞いてると「自分はもうすぐ死ぬんと違うか」と思ってしまったのです。それからしばらく聞けなかった。やっと聞けるようになったのは二十歳すぎてから。死に対しての受けとめかた、曲の感じ方がかわったのであろう。何が変わったって聞かれてもなんか言葉で表現できないあほな私ですが、今は聞けるようになったし好きな音楽になりました。
最近はブルックナーよりも聞いているような気がする。
自分でもなんでかわからない。
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