三次元漂流記 2002
キャンディとスイカ君 [4月のモデル;
 じゃじゃ犬キャンディと泣き虫スイカくん]
5月9日、晴れ。
お引っ越しを4日後に控えたキャンディは、
2階のベランダで、ママ達と離れて遊ぶ練習。
お姉ちゃんが「大丈夫だよ」って言ってるのに、
窓を見上げて、口を尖らせて、キュウキュウ鳴いちゃった。
お引っ越しの時はお姉ちゃんも車に乗って、
抱っこしてくれるんだって。
それでね、僕達は仲良しだから、
付いて行ってあげなさいってさ。
新しいおうちで、泣かないようにって。
仲良くしてね、あんまり乱暴しないでね、キャンディ。

□■■ Apr. 27th

頑固なお姉ちゃんは、キョンがお気に入りらしい。
声が聞こえると、キャンキャン鳴いて、お兄ちゃんのところへ行きたいとせがむ。
体は小さいけれど、きりりと締まったチャーミングな目元に鋭い歯。
2番目は、お公家さんのような高貴な顔立ちの、男前で大人しいボンボン。
お姉ちゃんと弟が取っ組み合いをしていても、いつもひとりで遊んでいる。
抱っこしても、この子だけは強く咬まない。
体は最初から大きいけれど、おっとりとした、優しい子。
末っ子は、日に日に黒く、コロコロになり、いつの間にかクロスケと呼ばれている。
怖いもの知らずのこの子は、いかつい体のキョンにも向かって行く。
どろんこの足で家に上がって、何かおもしろそうなものを探しては、
見付かって叱られると、一目散に逃げて行く。
痛い思いをさせたり、恐い目に遭わせたりする訳ではないから、むしろ、鬼ごっこのようで楽しいのかも知れない。
無くなったものは、あの子達の小屋を覗けばある。
ママは、仔犬達が少し羨ましいのかな。
子供達のかじっていたおもちゃや、大好きな新聞、タオルなどを、同じように噛んだり振り回したり、
リーシを外してあげた時には、基地になっている植木鉢用の棚に大きな体で入ろうとしてみたり。
いつも走り回っているから、一家の集合写真がなかなか撮れないね。

末っ子以外の引っ越しの日取りが決まった。
怪獣達に夜明け前に起こされて体当たりされる毎日も、あと2週間か。
もう、当たり前のようになってしまったけれど。


□■■ Apr. 26th

こらっ、勝手に上がり込んで鏡を覗いてるナルシスト犬は誰だっ。
ポケットから手袋を盗むなっ、引っ越しの時に君達にあげるんだから。
チューしてくれるのか、エエ子やな...... いてててて。
あっ、スリッパ返しなさい!
とと、両方から靴を噛むなぁ〜、あ、る、け、な、い、、、、、、、


□■■ Apr. 25th

里親詐欺で騙し取られた動物達は、実験の他、殺されて皮を三味線に使われたりもするらしい。
そんなことを思うと、その音色に聞き惚れる気がしなくなる。
バイオリン、胡弓、考え始めればきりが無い。

向上したいと願う子は、何がどう欠けているのか、知りたいのだ。
褒め称えることは支援にならない。
過大な評価を与えたりすると、結局は本人にも、自分の目指す場所が判らなくなる。
褒めて教えるのは、せいぜい小学生まで。
楽しくなければ学べないのなら、何をやっても成就できない。
有望な若者を潰してしまうのは、"善意"に満ちた軽薄な大人かも知れない。

人の世には、浅はかな奴、とんでもない奴、結構いるものだが、
すれ違う程度の相手になら、善人になれる人が多い。
主義主張や利害関係が絡まないせいだろうな。

私のことを親切だと思う人は、親切な人に違いない。
私は、私に親切にしてくれた人以外に親切にする程、親切ではないから。


□■■ Apr. 24th

朝の逆光に映し出される、親子のふわふわのシルエット。
オートフォーカスカメラと私の腕では到底、記録できない幸せの色。


□■■ Apr. 21st

先生って気負い過ぎ
親は甘え過ぎ

"人の世"は所詮、人のもの。
改革しても"人の世"。
興味ないのよ、私は傍観者。


□■■ Apr. 19th

君はひとりで生きて行けるから。
そう思うのは、ここが人間の為に改造された世界だからかも知れない。
もしもひ弱な我々が厳しい自然の中、足で動ける距離だけを住処に暮らしているのだとしたら、
もっとより添って生きようとするのかも知れない。

大阪で道行く女性達を観察していた。
同じ人が何度も通るなと思っていたら、どうやらメイクらしい。
みんな同じ服装をして、同じ顔をしている。
意地悪そうにつり上げた目尻、らくがきにしか見えないマスカラ、あほみたいな紅い頬。
流行というのは、格好をつける為に追うものだと思っていたから、ショックを受けた。
オリジナルならいいというものでもないが、わざわざ不細工を真似ることはないだろうに。

感謝されたくてするのは、親切どころか、ハレンチだ。

1年で独り立ち出来なかったら、破門。
1年で独り立ちさせられなかったら、クビ。
独り立ちとは、自分で学ぶことが出来るようになること。
先生の仕事とは、答えを教えることでも、宿題を書き直してあげることでもない。
かなの読み書きと辞書の引き方を教えることだ。
教える方も教わる方も勘違いしているから、こんなにも情けない奴が多いのだ。


□■■ Apr. 18th

「仔犬が欲しい!成犬なんか要らない!」
という人に、仔犬なんか渡せるか。
そういうのが、大きくなって可愛くなくなった犬を棄てに、毎シーズンやって来るんだよ。

キャンディはママが大好き。
走り回っては、ママの顔や耳にぴょんぴょん飛び付いて、叱られて転がされても、嬉しそうに尻尾をぴろぴろ。
弟達との取っ組み合いの毎日。
小柄なのにけんかが上手。
大人しいからメスが欲しい、と、最初に行き場が決まったのにね。
こんなじゃじゃ犬が来たら、驚くだろうね。
お母さんに一番よく似たべっぴんさんだから、きっと可愛がって貰えるよ。

母のように愛したいと願う者
父のように慕われたいと願う者
本物ならば、そこに自然にあるもの
無いから、欲しがるんだね

おこづかいをくれるおじさんに付いて行くのだったら、それもひとつの生きる道。
それなりに覚悟して行くんだね。
変なことされたと文句言ったり、泣きついたりしなくていいように。

「日本の音楽を変えるぞ!」
と意気込む人は多く見て来たが、良い方向へ変える力を持っている人はそういない。
たとえ本気でも、肝心の方法を知らない。
結局、辿る道は皆、同じ。


□■■ Apr. 17th

駅からの帰り道、空を見上げると、細い、気位の高そうな月が独り、まばゆく光っていた。
近付き難そうな星達が遠巻きに見守る。
雨の後のきらきらした空気。
暫く、地上のことに手一杯で、夜空なんて忘れていた。

親のコネで入学した奴が入学式で、何だっけ、トップで合格した子が読むやつ、
アレをやっていたら、そりゃ馬鹿にされる筈。

助け合うのと、寄りかかり合うのは違う。
助けて貰うのも、寄りかかられるのも、本当はまっぴら。
何故かいつも、肩が重いけど。


□■■ Apr. 16th

正義の仮面を付けて。
守ってあげると言いながら、部屋をこっそり覗く奴。
教えてあげると言いながら、でたらめばかり並べる奴。
ま、タダで何かを手に入れようなんて、甘いということだろうね。
私には関係ないんだけど。

バレなきゃ反省しない人は意外に多い。
知らない振りをして見ていると、どんどん図に乗るからオモシロイ。

正直な人に出会うと、ホッとする。
当たり前のことが貴重だなんて、どうかしてる。

この頃は、腰の重い私に落ち着く暇が余り無い。
変化を受け入れる為の準備だろうか。
又、新しい何かが目を覚ましかけている。
守らねばならないものが無くなったとき、それは一気に暴れ出すのだろう。

おまえ達の未来に、私はいない。
その小さな手でしっかりと歩いて、自分の運命に辿り着けるように、
ここでずっと見ていてあげるから。
淋しくなったら呼びなさい。
夢の中で抱っこしてあげよう。

大人達はおままごとに夢中。
高価な食器に、味のある手作りテーブル。
格調高い音楽を聴きながら、マナーに気を配り真顔で箸を取る。
碗の中身は、どろだんご。


□■■ Apr. 15th

自然なんてものがどこかにあるのなら
君達とずっと暮らしたい
野生など許されるのなら
草木の間で眠りたい
貪欲な獣によって創り出された
アンドロイドのような生命に

人間が嫌い
馬鹿で無知な癖に自覚が無いから
気付いていても
自分は例外だと思っている
救いようのないアホだから

仲間や上司の批判を一生懸命する人は、いざ、その人物と離れると、全く同じ事を引き継いでしまうようだ。
伝染病なのか、もともと正義感など無く、ただ、羨ましかっただけなのか。

筋の通らない言い訳ほど見苦しいものは無い。

さぁて、次は何ごっこする???
大人達のお遊びの時間。
発想の貧弱な人しか入れてあげない。

良い魔法使いだと言うから助けてあげたのに
こんな悪さをするのだと知っていたら、自由になんてしなかった
壺の中にお戻り
私の世界をこれ以上、滅茶苦茶にしないで

笑顔はとっくに消えているのが判ったら
がらくたを持ってさっさと失せるがいい
ここは私の寝室だから

ディレクターに気に入って貰う音楽を作るのも、「ファン」に気に入って貰う音楽を作るのも、同じ。
そんなことも判らないなんて、情けない。

「見返す」とは、何と愚かな考えだろう。
手段を選ばず、なりふり構わず、表面的に成功したとして、一体、何の意味があるのだろう。
ダメなものはダメ。
答えは覆らない。
己を顧みることなしにムキになっても何も生まれない。

自分自身と闘えない人は誰とも闘えない。
真の闘いの意味など理解出来る筈もない。


□■■ Apr. 14th

水のほとりを、ふさふさと緑がそよぐ。
れんげが並んでいる。
雀達が、ハチドリのように花の上を徘徊する。
いくつ巡ったのか。
まるで、生命の順路が矢印で示されているようだ。

「素質がある」というのは、そのままでは使い物にならないということ。
使い捨て時代には、百均程度のクオリティで充分だからオッケーオッケー。
使っとけ、つかっとけ。


□■■ Apr. 13th

川沿いの道を歩く。
大量発生した蚊の群れ。
セキレイが、嬉しそうに頭の毛を逆立たせ、衣をはためかせている。
少し煙い風は、中国のあの水際の町を思わせた。
とてつもなく遠いような、振り向けばすぐ近くにあるような、あの日々。


□■■ Apr. 12th

「裸の王様」という、一般大衆を風刺した寓話がある。
ものの価値が判らないから、社会的地位のある人の言葉に同調して、判ったふりをする。
子供に指摘されて正直になるのも、周りがそうするからに過ぎない。
しかも、読んだ"大衆"は、それを王様に対する風刺だと思い込んでしまうのだから、
予測される読み手の反応も風刺していたのだとしたら、凄い。

苦労しない人にはシワが無い。
水仕事をしない人の手はつるっつる。
それを見ただけで綺麗だと言うのなら、皮の一枚下など見えないでしょう。

あなたが無知なのは私のせいではなく、
あなたが怠惰なのも私のせいではありません。
子供ならまだしも、逆ギレする大人は手に負えません。

狭い世界に長く生きて来た老人が語る「世間」ほど、説得力に乏しいものは無い。


□■■ Apr. 11th

「動物園にいる、お鼻の長〜い動物、なぁんだ?」
「ぞうー!」
へーーー、アフリカじゃなく、まず動物園にいることから始まるんだ。
じゃあ、何ですかい?
「うさぎの天敵はな〜ぁんだ」
「にんげ〜ん!」
「正解っ。」
あたかも、地球や自然というものが人間社会の内側に点在しているかのような。
人類の侵略がこのまま進めば、無限の宇宙も、
切り取られて庭にでも並べられてしまうのだろう。

分業の世の中に生きている以上、他人の職業を見下す資格は無い。
職業と呼べるものである限り。

日雇いの仕事にしろ、ライフワークにしろ、私如き者の言葉に耳を傾けてくれる。
「お客様は神様」だ。
このありがたさは、身を以て知らねば、理解できるもんじゃない。
違った解釈をされているのが残念だ。


□■■ Apr. 10th

鹿の子ちゃんが、言葉を話すように、ワウワウ、と語りかける。
お願いがあるとき、文句があるとき。
この子は、喋る犬だ。
お手もお座りも教わっていない、賢い犬だ。

少し前の中国は未曾有の株ブーム。
学生から八百屋のおやじまで、誰もが株を転がした。
後に識者が「株を扱う資格の無い者にまでその機会を与えてしまった為に、経済が乱れた」と表現した。
今のインターネットが、日本にも同じ状況を作り出している。

"芸能人"達の学芸会に、素人が参加し始めただけの話。
何てことはないのさ。


□■■ Apr. 9th

音楽家が音楽家としての良心を忘れたこの時代に、"夢"や"希望"など存在し得ない。
そういう商品名のちゃちなおもちゃが、手垢にまみれて道端に転がっては、
麻薬か新興宗教のように若者達を壊して行くだけ。

怒っていても、飢えてはいない。
自分にふさわしい宝が懐にあって、それを大事に抱いている勇気があるから。

知識や技術じゃなくってさ......
志が低いんだよ、あんたらは。
まぁ...... 志だけ高くても、というか、鼻息だけ荒くてもね。

落ちぶれたプロやプロ志望の者が、見栄で「仕事、仕事」という事情はよく判るが、
人をタダで使いまくっておいて、「仕事、仕事」はどうかねぇ。
使って下さいと頼まれているんなら、話は別だけどな。

上を見て暮らしている。
頑張らないとな。
天国に届かないぞ。
足を引っ張るなってば、私は上を見て生きるんだから。
下を見て暮らしている人達に、私の力など意味ないでしょうが。


□■■ Apr. 8th

切ない夢を見た。
鹿の子の子供達は、実は育成ゲームのプログラムで、生まれて2週間を過ぎた朝、
ぜんまいの切れたおもちゃのように寿命が尽きて止まっていた。
見ると、やはり鹿の子も。
この子達と暮らした日々は一生、色褪せることはないだろう。
現実に残された時間と反比例するかのように深まって行く思いを枕に、床に就いた日の夢だった。

下手くそにコーラスなんてできないって言ってるじゃん。
音痴修正装置やカスケイドなんて使おうと思っている時点で、音楽は放棄していると断言していい。
第一、アマチュアがアマチュアを使う場合に、そんなものは必要ない筈なのだ。
......え、プロ志望なの???
ぷぷ...... 腸捻転おこしそ〜。

日本の"アーティスト"のレベルが低いのは当たり前。
後から育てるなんて言いながら大したことのないのを拾っておいて、
結局は教育なんてできずに、その"作品"を一生懸命、磨いているのだから。
素人さんはいつまでたっても、素人さんなのねん。
選ぶか、育てるか、少なくともひとつは真面目にやらないとダメじゃ〜ん。
ま、育てるにはそれなりの才能が要る訳だから、職人として尻拭いする方が楽なんだろうけどさ。
業界の方にも、才能は不足しているってことねん。
あたしにはもう関係ないけど。

プロを名乗りたがる人達はそんなこんなでどうしようもないけれど、
自称アマチュアの音楽は、結構捨てたもんじゃない。
「歌が上手い」「見込みがある」と紹介されて、下手でなかった試しはないけれど、
「うちのバンドの曲です」と、フツーーーに渡されたのが、当然の如くに上手かったりする。
上手いのが当たり前なのが自称アマチュアで、下手でも上手いと思いたいのが自称プロ、
いやはや、面白い社会現象だわ。


□■■ Apr. 7th

手を伸ばして届かないからとダダをこねる子は嫌い。
泣いているからといって、取ってあげる人は大嫌い。
取ってあげなさいと言う人はもっと嫌い。

能力が足りないのは、持って生まれた不幸なんかじゃない。
努力することを怠って開き直る癖がついてしまっているとしても、それは誰のせいでもない。
自分の意志で幾らでも変えられるのだから。

Give & Take でいつもプラマイゼロの人には、かすめ取られるばかりの人生の味は判らない。
自分のせい以外で泣くことの無い人に、説教なんてされたくない。
前向きに生きろなんて私に言える人は、飽食のこの国にはいない。


□■■ Apr. 6th

電車の中で目を閉じると、ニャンを思い出す。
安らかな時を過ごそうとすると、決まって現れるものがある。
眠りの世界と死は限りなく近いのだろう。
むしろ、どこかでつながっていると言うべきか。

やんちゃ坊主の末っ子は甘えん坊。
用も無いのにキュウキュウ鳴いては箱を飛び出し、ママの横で心地良さそうに眠る。
ママはと言えば、急に教育に目覚めたのか、
聞かん坊達の首根っこをくわえて、大人しくしなさいとでも言い聞かせている様子。
走り回っては絡み付く子供達を持て余し気味のママ。
疲れて、少々イライラしているみたい。
でもその姿は、さながら"ヒワの聖母"。
間違いなく、至上の幸福の構図だ。


□■■ Apr. 5th

日本の"アート"が安っぽいのは、自分のことばかり並べているから。
"感動"する人達というのは、自分の境遇に当てはめて、共感するだけ。
そういうのは"あり"だけど、それが"表現"の解釈としてまかり通っているのは、いささか残念である。
芸術イコール"自己表現"という誤解が根本にある事実も否めない。

日本語のおかしな人は歌なんて上手くならない。
こんな簡単な事が判らないようじゃ、ダメだね。
説明するのも疲れるし。


□■■ Apr. 4th

とうとう鹿の子も倒れた。
下痢をして吐いて、辛そうなので病院へ。
明日の朝まで水も飲んではいけない、夜まで何も食べられない。
子供達のオシッコも舐めてはいけないから、外の小屋でおやすみ。
今晩は冷えるのに。

タクシーで病院に行った。
酔いそうな運転だったので、可哀想だった。
帰りには、ドアを開けたタクシーに向かって歩いて行く。
「あたし、これに乗って帰るんでしょ?」
来た時のことを覚えているんだ。
賢い。
タクシーでの送迎を覚えた、お嬢様。


□■■ Apr. 3rd

壺売って、壺売って......
1億人に1円ずつ恵んで貰って億万長者になるように。
仕方がない、断りきれない、は善意じゃないよ。
「顔が広い」なんて自慢にならないよ。
周りに少しずつ迷惑をかけながら、自分達が幸せになるなんて、最低だ。


□■■ Apr. 2nd

仔犬達の耳は、少し自分でコントロールできるようにはなって来たみたいだが、まだ前にテロンと垂れている。
一番上のお嬢さんは、おてんばでたれ目でチャーミング。
漫画のキャンディキャンディを思い出すので、キャンディと呼んでいる。
頭が良くて機転が効く、喧嘩でも小さな動きで相手を封じる合理派。
跳びかかられてもさらりとカウンターパンチ。
強い。
2番目の子はお姉ちゃんと同じく、母親似だが目はきりっとりりしい。
男前だが、いなかっぺ大将の西一に似ているから、2番目だけどはじめちゃん。
マイペースな平和主義者。
末っ子は黒い体にくりくりのお目々が可愛らしく、クマと呼びたい顔立ちだが、
お腹と手の白模様がそっくりな、隣の父親疑惑犬と同じになるから、トラにしておこう。
最初にちょこまかし始めた、一番の暴れん坊。
利発で運動神経抜群、だが動きを読んでいるお姉ちゃんが一枚上手。
みんな、母親には無い目張りがくっきりと入っていて、黒い筋が長く伸びた目尻が涼しく引き締まっている。
キョンみたいに。
......ん???


□■■ Apr. 1st

先週の金曜、鹿の子の一番上の子、ひとり娘が倒れた。
朝から食欲が無く、やんちゃ娘が大人しいなと少し気になってはいた。
昼過ぎにご飯をあげようとしたら、苦しそうに下痢をして戻し始めたので、
「お医者に行こうか?」と言っている内、うずくまってしまった。
病院に電話をすると、4時の診察まで待つように言われたので、鹿の子のいる小屋に寝かせた。
暫くして様子を見ると、吐きながらぐったり伸びている。
2時間半も待てない。
再度、電話をして事情を話し、病院を開けて貰った。
寄生虫がわいているとのことで、吐き止めと下痢止めを射って貰った。
さてさて、一家、お腹の大掃除。
翌日、末っ子の黒い子が吐いたとの連絡を出先で受けた。
元気に遊んでいるらしかったが、病院に連れて行って貰った。
お姉ちゃんと同じ注射をして貰って帰って来た。

月曜日、ガレージで遊んでいると、お姉ちゃんがうんこをした。
何やら、白いひもが見える。
まさかと思って割ってみると、条虫の死骸がとぐろを巻いていた。
1センチに満たない細いうんこに虫が1ミリだから、かなり太く見える。
間もなく、2番目の男前もうんこをした。
外からは見えないが、割ってみるとやはりいた。
ひぇ〜〜〜っ。
小さな体の中にこんなのが生きてうじゃうじゃいたんだもの、そりゃ倒れるよね。
ごめんね。

© K. JUNO ALL RIGHTS RESERVED.
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