三次元漂流記 2005
キョン邸 [11−12月のモデル;豪邸]
真冬の裏庭。

キョンの横で、寒さを肌身に感じながらのれんを作る。
ニャンの時からそうしていた。
新聞というのは保温効果の高いもので、
貼り終えてから中に手を入れてみると、
直前までとは比べものにならない。

キョンは、大した用事のない時はこうして顔だけ出している。
中には毛布。
あまりふわふわにすると、何故かおしっこをかけるのである。

□■■ DEC. 27

キョンのお散歩コースの山道が舗装されてゆく。
キジ達の住む林が半分刈られて、ただの木の列になってしまった。
こんな田舎からも、生き物は追い出されてしまう。
地下にはネズミ、地面にはゴキブリ、空にはカラス。
薄汚いヒトなどと暮らしてくれる強い生き物は、それ位だろう。
滅ぼしておいて動物園や標本で観察しようなんて、なんと浅ましいのだろう。

何が少子化対策だ。
日本なんて、いや、地球なんて、土地が全然足りていないじゃないか。
人間ひとりが生きるのに必要な土地というのが、
まさか寝る場所だけなどという謙虚なことを言うつもりでもあるまい。
ものを買う場所、働く場所、学校、娯楽施設、
日々使う電力を発生させる場所、日用品を製造する工場、
原料のために荒らされる自然、汚される水、etc、etc、
一生のうちに破壊する土地、地球から奪う面積全てを指す筈だ。
土地なんて、全く足りていないじゃないか。
足りていれば、そもそも人の間で争いなど起こるものか。

ニワトリ母さん達の小屋に最後まで一緒にいた足の悪い雄のカモっ子が、
外で仲間達と暮らすようになった。
小屋には、新しい卵が2つ。
交代で温めているようだ。
今度は誰の子だろうね?
小さいから、またカモだろうね。
ニワトリは面倒見がよい。
子猫の世話をするニワトリもいるらしい。
羽の間に潜り込んで来ると、ちゃんと広げて入れてあげるのだ。
昔、飼っていた時は、インコなどと比べて理解力も低く、走るものに付いて行くアホな鳥だと思っていた。
近くにいるのに、何を見ていたのだろう、
人間の尺度でしかものを計れない、アホな子供だったんだな。


□■■ Nov. 30

部屋の模様替えに伴う片付けに追われていたら、頼まれていた歌詞が全然進まない。
入稿を急ぐため、何と、明日までに欲しいという。
無くてもよいとは言われても、やはり歌詞は載っていた方が絶対に良い。
英語なのだから、尚更だ。
無理ですよね、と言われたが、確約はしないで大急ぎで取りかかる。
3曲分を6時間で一気に書き上げる。
既に最初の3時間で、久しぶりに肩がガチガチに凝ってしまった。
が、凄まじい集中力、という感じでもない。
常にリラックスした状態で、次々にアイデアが湧く。
無駄なく、ストレートに筆が進んだ為のスピードだったのではないだろうか。
midiの楽譜と音源をシンクロさせることができたのも大きい。
何だ、こんなに楽なんじゃん。
燃え尽きるのがが深夜だと虚しいものだが、まだ入浴にも早い時間なので気分がいい。
さぁ、カーテンえらぼっと。
と、寝転がると、ボ〜〜〜ッとして動けなくなってしまった。
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