三次元漂流記 2005
犬の気持ち [10月のモデル;この心が読めるかっ?!]
犬の気持ちに詳しい人にでもかなりの難問であると思われます。
さて、この表情は何を表すのでしょう?
答えは、、、、、「喜び」です。
これは、大好きな人の指にじゃれ付くところです。
うちのキョンは、嬉しい時、フガフガと吠えながらこの顔で襲い掛かって来ます。
ガバ〜っと口を開けて、手に食い付くのです。
口は開けたままで、咬みはしません。
この顔で、チューしに来たりもします。
加減が上手なので、ヒゲが当たるだけです。
或いは、丁寧に鼻をベロンと舐めてくれます。
ご飯をあげるときも、このテンションにならないと食べないので、
ちょっかいを出して遊んだり、乗せたりと大変です。

□■■ Oct. 8

差別というのは、自分を善良だと思い込んでいる人の心の中にある。
奥などではなく、ど真ん中に、エラソーな顔をしてふんぞり返っている。
だから、怖いのである。
我が家のオカンは、部落差別などの話が出る度、
自分がしていないからと大いにその不当性を語ったり、
己が学歴差別を受けたと愚痴ったりするが、職業差別や性差別は堂々とする。
それを差別と自覚しないばかりか、
己が社会的にまっとうな人間であることの証明だと思っているようだ。
「最近の若い者は」と同じ口調である。
そうせねば、己の存在を肯定できない病気なのだろう。
古いことは良い、新しいことは悪い、
若い者の価値観は認めない、結婚しない女、子供を産まない女は人として価値が無い。
平気でそんなことを言う田舎女もいる。
私は見事に、人間として認めて貰えない人種のようだ。
どんなに誠実に生きていようと、どんなに影で人の為に働こうと、
もともと人間として見られていないのだから、同じなのである。
悪いが、この人達の滅亡と共に、間違った価値観も滅んで貰うことを祈るしかない。
その為に、子供達の教育をしっかりしよう。


□■■ Oct. 7

午前中は降っていなかったのに。
何で雨になってから出掛けなくちゃならないのだろう。
私のミスじゃないのに。
こんなの、もう沢山だ。
最悪の日だ。
私の人生が最悪だったと証明された日だ。

止み間に郵便局に行こうと着替えると、キョンに見つかった。
何を期待しているの?
朝、お散歩に行けたじゃない?
嬉しそうな顔で地団駄を踏まれちゃあ、仕方がないな。
ちょっとだけ、うちの前の道だけだよ。
折り返し地点から少し戻った田んぼの横で、綺麗な雑草を見付けた。
家に帰って訊こうと思って、葉の形とつぼみの色を覚えていると、
キョンがそこにうんこをした。
向かいから、頭の小さなスマートなブチ犬が来る。
興味津々、戦々兢々の幼げな表情。
キョンは怒らずに、その場に座り込んで尻尾を振って待ってあげている。
1メートルほど手前に来ると、やはり怖いのか、逃げてしまった。
後ろを気にしながら、トコトコ帰って行く。
折り返し地点の墓の辺りを振り返ると、焦げ茶の犬がいる。
黒い斑のコワそうな顔が、まっすぐにこっちを見ている。
ステキチがご飯をちゃんと食べさせて貰っていれば、あんな大きさだったろうな。
たまに左を気にしながら、じっとこちらを見据えている。
キョンがお座りのまま、好きな犬を見る目でキュンと鳴いた。
ステキチだ。
そんな筈はなくとも、私はステキチを見つめていた。
大きなおおきな時間が、我々を包んだ。
やんちゃな子分と、そのたよりない飼い主の様子を見に来たのだろうか。
気が遠くなりそうな懐かしさに、涙が湧いた。
そんな筈はないのだから、あの犬の縄張りとプライドを侵してはならないのだからと、
キョンを連れ、急いでその場を去った。
大粒の雨が降り出した。
立派じゃないけど、何とかやってるよ。
君みたいには、なれないね。
君みたいな人間にも、なかなか出会えないね。

さよなら
約束はもうしない
命を賭けた誓いだって
一生のお願いだって
アンタは寝過ごして終わりだろう
ボーッと生きている奴人相手に
これ以上エネルギーを無駄にしたくない
私の時間を吸い取った
アンタはこなきじじいだよ


□■■ Oct. 6

最近の子供達は、弱くなっているんじゃないかと思う。
昔だって、炎天下の朝礼で倒れる生徒は幾らでもいたし、
換気の悪い体育館で吐きそうになる授業だってあったのだ。
学校や教師への制約が少なかった時代だから、今より苛酷だったかも知れない。
気温が年々上がったせいもあるとは言え、余りに死亡事故が多過ぎないか。
健康を無視したスパルタ教育がいいとは決して言わないが、
クーラーなんか見た事ない!なんて子供時代を送った我々と、
汗をかかずに育った世代では、生命の力に大きな差があったとしても不思議はない。
かつての芸術家達の描いた未来が、次々に現実になって行く。


□■■ Oct. 5

おかんがハチ取り器の材料の酒を買いに出掛けた。
珍しく分量を全部覚えているらしく、
痛みかけたブドウを入れると更に効果があるのだと、張り切ってそれも買って帰った。
容器にするペットボトルが無いなあと言いながら、
早速、酒180ml、酢60ml、砂糖750gをボールに入れて混ぜ始めた.....
が、砂糖が多くて混ざらない。
暫く置いても、殆ど砂糖のカタマリ。
何だか、1つ作るには妙に多いなぁ〜。
この日、一番安かったのは、あっさりとジューシー、新鮮で大きなブドウ。
勿体無いので、皮を入れる。
テレビでは1リットルと言っていたが、500mlのペットボトルで済ませるか。
カッターで穴を開ける..... と、細かいところを忘れてしまった。
ホームページで確認しよう...... ととと!
「この材料は10本分です。」
ナニッ。
こらオカン!
しかし、それにしては少ないな。
酒の分量は合ってるぞ。
酢も..... ん?!
砂糖だけが10倍じゃ〜〜〜〜〜っ!
そら溶けるかぃっ。
どないしてくれるんじゃコラ。
ボールいっぱいの砂糖.....
酒は200ml入りだから、もう20mlしか残っていない。
また買いに行くというオカンを引き留め、無水エタノールと酢で延ばした。
よかよか。
これをベランダに吊るす。
私の部屋は、網戸を開けないから大丈夫でしょう。
その日の朝、既にハチは来なくなっていた。
2日後、見に行くと、ブドウの色でワインのようになっていた。
ダメじゃん。
思いきり屋根の陽が透けている。
直射日光に当たると、菌が死んでしまって発酵しない。
よって、効果ナシ。
外すのが面倒で吊るしたまんまだが、どうせハチは来ない。

伯母が「ハチドリ」と呼ぶ虫がいる。
日本に野生のハチドリがいる訳ないので、多分、コイツのことだろう。
我が家では「ハナアブ」と呼んでいたが、それも違うらしい。
緑のもいるし、オレンジや黄色いボディのもいる。
ハチドリに似ていると言われれば、そう見えなくもない。
愛嬌のある顔で、器用に羽ばたきながら花の蜜を吸う。
名前が知りたくなったが、どう調べていいのか見当がつかない。
何を手掛かりにすればよいのだ?!
「『ハチドリみたいな飛び方』で調べれば?」
て、そんなん間違う人いるんかい?
しかし、他に思い付くものもない。
「ハチドリ」「昆虫」で調べてみると..... 出て来たではないか。
「ハチドリを見ました」という報告がよくあるらしい。
日本にはいないし、連れて来る事も禁じられていて、飼育も難しい。
目撃されるのは「ホウジャク」ですよ、とのこと。
「スズメガ科ホウジャク亜科」
あんなに可愛いのにあの無気味なスズメ蛾の仲間?!
飛ぶの上手いし、思いっきり昼間、花の密吸ってますけど?
うちのスイフヨウに来てる2羽、いや2匹はホシホウジャク?
同じ木にスズメバチも来るから、スズメ対決か。
この子たちは、ハチに襲われないのだろうか?
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