三次元漂流記 2003
ささのはさらさら〜むきむき〜 [7月のモデル; たなぼた、、、、、を願うか、たなばた]
ミュージカルのオーディションの審査をして帰って来た時でしょうか、
うちにこんなもんがありました!
短冊に何か書けというので、「超回復!」裏には英語で「Super Recovery」。
そもそも筋力トレーニングというものは、「今ある筋肉を強くする」のではなく、
筋肉細胞を一度ギリギリまで追い込み、破壊します。
新たに作られる筋肉は、以前よりも強いものであるため、
再生を待ち、破壊を繰り返すことにより、より屈強な筋肉が得られます。
この原理を「超回復」と呼びます。
低迷する世界経済と、人間社会の復興への願いを込め、
シュールな挿し絵も添えてみました。(まるで一筆書き)
ああ、達筆、、、、、

□■■ Jul 24th

お前は、醜いものを本当によく知っている。
鏡に映った「金」への執着が厭で、右隣にいる友を「金の亡者」に仕立て上げて、
慈善事業家の顔をするんだね
指から溢れる「性欲」が汚らわしくて、左にいる友が「色欲鬼」だと陰口をいい、
聖人君子になりすますんだね。
不自然だよ。
真実を知らない人にだって、スケールが大き過ぎて信じ難いハッタリばかり。
全ての嘘に辻褄を合わせられる程、あんたは賢くないんだよ。
信じたフリをして近付く同類の者達に囲まれ、
あんたは醜さという財産を貯え、更に醜いものに敏感になって行く。
気付かないのかい。
それが、美を創造する素質だということに。
せっかく醜いものを見付けたのに、砂をかけて隠そうをするなんて。
美しいものに囲まれ、美しいフリをすることを夢見るばかりの愚かなお前には、
己の醜さに気付き、それを作品としたという面彫り職人のような天才は、
微塵も備わっていないということだ。


□■■ Jul 22nd

君の「愛」のことばに心が動かない
君が「愛」を語るのにふさわしい人かどうか知っているから
君の「愛」のことばに「夢」みる人は
それがただの「夢」だと気付いているのかも知れない
フィクションとは人を夢中にさせるもの
「愛」はただの作り話
君はその場限りの主人公
照明が落ちればさっさと帰って眠る
後片付けも人任せ


□■■ Jul 18th

「そいつは妄想癖で虚言症があるから、近付かない方がいいよ。」
そう、忠告してくれた人達がいた。
私は生意気にも「自分で会って判断します。」と答えた。
実際に、そうした。
本当の答えが判ったのは、何年も経って、多くの犠牲を払った後だった。
いや、答えは最初に判っていた筈だった。
ただ、「妄想癖で虚言症」というのがどれほど悪質なものなのか、
どれほどの実質的、精神的被害を与え得るものなのか、知らなかったのだ。
人は騙されて賢くなって行く。
賢くはなっても、同じように狡くなってはいけない。

私は正直だと言う。
私は正義感が強いと言う。
そう、お前が言ったのさ。
今、お前は、私を「病気」だと言うんだな。
さすがに「嘘つき」だなんて言ったら、お前の正体がバレてしまう、
その程度の計算ができる脳はあったんだ。

正直に育ててくれた両親や先生に感謝している。
嘘をつかないことが当たり前だと知らない人もいるみたいだから。
誰も見ていなくとも、自分は見ている。
己の醜さに気付き、開き直った時、或いはショックの余りに隠してしまいたくなった時、
人は心を失い、人の形を失う。
昼間は紳士を装った怪物は、闇に紛れると、、、、、

天才に生まれなくて良かった。
「あいつは天才だからおかしいんだ」
なんて言われなくて済む。
私にあるのは、自制心と根性、
人並みではないのは集中力だけ。


□■■ Jul 17th

道によく食べ物が落ちている。
子供が学校の帰りに捨てるパンが多い。
何故、捨てるのだろうと首を傾げた人がいた。
まずいから、つまらないから、沢山あるから、飢えていないから、、、、、
まともな教育を受けていれば、どれも食べ物を、しかも道ばたに捨てる理由にはならない。
まさか、「心の闇」や「将来への不安」などが原因ではなかろう。
親にまともに叱られたことのない成人が少なくない。
少年犯罪の増加の理由を、根本の根本から、
本当の出発点から見る必要があるのではないか。
テレビ番組の企画として面白い筈はないけれど。


□■■ Jul 16th

自転車を入れようとガレージの門を開けると、枯れ枝を轢いた。
気になってしゃがみ込み、手に取って観察した。
どう見ても枯れ枝でしかない、その余りにも軽い欠片には、不思議な重みがあった。
暫くして帰って来た母に確認すると、やはりそうだった。
何日か前に、巣から落ちたヒナであった。
樹の皮にしか見えない砕けた翼の内側に貼い付いた、
乾燥した樹肉のようか細い骨は黄色に褪せ、
無数の細かい空洞が、幼い骨であった名残りを示していた。
隣の茂み、お母さんの見えるところに、そっとしのばせた。
翌日の夕方、同じものを路地で見付けた。
巣に残った2羽のヒナは元気に成長している。
大きな口を開け、偉そうに鳴いている。
いっちょまえに、黒い頭に赤い喉を覗かせて。


□■■ Jul 13th

隣家の屋根の下に、燕の巣ができた。
卵を暖める親鳥の体が大きくはみ出していた。
人や犬が動く度に煌々と光るライトの付け根に、巣はある。
やがてヒナが餌をねだり始めた。
大きな口が4つ。
そろそろ体も見える位に育っている。
何匹いるのか判らない大人の鳥達は、入れ替わり立ち替わり、
底なしの菱形に虫を放り込みにやって来る。
巣の番犬にもなっているクマちゃんと遊んでいると、
「あっちへ行け!」とばかりに頭上にヒステリックな輪を描いた。
ヒナが体を乗り出すと、落っこちそうだ。
ある日、ライトに照らされた巣に、夜はいない筈の親鳥が、
ヒナの体を押さえるように泊まっていた。
今朝、巣の下に1羽のヒナの亡骸があったそうだ。
4羽も育つには小さ過ぎたのか。
元気なヒナに押し出されてしまったのか。
それとも、元気さ故に、自分から出てしまったのか。
残る3羽のうち、1羽は体が小さく、よく見えない。
少し遅い子育てが難しいのか。
生きるとは、こういうことだ。
壮絶で前向きで、あくまでもフェアな真剣勝負だ。
何もしなければ命は明日につながらない。
今日、生きて目が覚めることは幸運。
何もしなくても生きて行ける、何かあったら死ぬ、
生きているのが当たり前で、死ぬのは特別な不運、
そんな間違った考えを植え付けられた、甘ったれた生き物、
地球上で最も愚かで無力であることに自ら気付かない怠惰な生き物は、
人間を置いて他にない。

優等生にしか判らない苦しみというものは確かに存在する。
だがその多くは、本当の天才になれない苛立ちである事も確かである。
認められないのを世間のせいにする。
その心の隙、「闇」などという言葉で表されるほど神秘的でもないただの隙間に、
悪魔は付け込むのだろう。
© K. JUNO ALL RIGHTS RESERVED.
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