三次元漂流記 2002
謎のコンニャク [12月のモデル; コンニャク]
わ〜〜〜っ!
何じゃこりゃ。
数年前からあった庭の植木鉢。
そこに植えられていたのは、ルパン3世で有名な「コンニャク」。
10月に掘り起こした芋は、三歳児の頭ほどはあろうかという、巨大なもの。
写真とっておけば良かったなー。
水にさらしながらすり下ろして、熱を入れるんだか何だかするのだけれど、
その課程でどんどん膨れあがり、、、、、
勘弁して下さい!
というほどでけました。
穴だらけでしたが、まぁ、味がしみておいしかったんじゃないの。

□■■ Dec. 26th

「〜〜してもいいですよ。」という担任の先生の口癖が嫌いだった。
「〜〜してもいい」のなら、しなくてもいい筈なのだが、やらないと怒り出すのだ。
ならば「〜〜しなさい。」或いは、「〜〜しなくちゃダメですよ。」と言わねばならない。
その頃には、大人は子供が期待する程に完璧な生き物ではないことは悟っていた。
「〜〜しても罰は当たらない」という、高飛車な言い回しをドラマなどで耳にする。
罰を与えるか否かは神仏が決めるもの。
命を削って育てた我が子に対する愚痴混じりの切なる要求以外には、口にして良いものではない。
赤の他人に対して吐くなんて状況は考えられない。
あり得ない。
仮にそんな図々しい輩がいるとしたら、それこそ、罰が当たるというものである。


□■■ Dec. 25th

ステキチ
寒いね
今夜から冷えるんだって
どこに眠っているの?
温めたいよ
私よりも体温の高い君には
いつも温めて貰ってばかりだったもの

私の心の錨が消えた
鎖が突然切れて
重く澄んだ水の底に沈んで行った
解き放たれた体は
涙に暮れて走り狂うよ
蜃気楼のような遠い道しるべ
君の手招きするそこは
辿り着けそうもない
はるか果て

「ついておいで」と笑った君
軟弱な私には険しすぎる
温帯の平坦な道
今度は
「好きなところへお行き」と言うんだね
君達の暮らす当たり前の世界は
落ちこぼれの生き物には
途方もなく広く厳しくて
孤独を口にする贅沢にすら気付かずに
偽りの光に導かれたまま
大地に帰ることも許されず
すすけた霧となって空をくすませるだけ


□■■ Dec. 21st

鹿の子。
手術させようと思っていたとか、注射で下ろせば良かったのに、とか、
果ては、どこかで出産して、子供達がみんな死んでしまっても知ったことではない、とか。
色々言われたけれど、子育てのお手伝いが出来て良かったと思う。
一日遅れていたら、間に合わなかった。
素晴らしい生命。
生まれて来て良かったね、心からそう言える。
そうだ。
産んで良かった、育てて良かった、出逢えて良かったと、
知らないところで感じる誰かがいる。
生まれて来るんじゃなかった、そんな考えは、独りよがりなのかも知れない。
存在することの意義。
何も人間に対してだけじゃない。
生きた間に限ったことじゃない。
足跡ひとつ残せなくとも、生まれ落ちた意味は、きっとある。


□■■ Dec. 18th

アティは、優しく名前を呼ぶと、鼻を上げながらこちら側に向かって来た。
少し離れた奥の象舎で、返事をするように柵に鼻をこすりつけている。
2ヶ月前にタイから来たばかりなんだね。
日本の冬は寒いでしょ。
こっちの言葉は少し、覚えたかな?
大きな体なのに、足音ひとつ立てないんだね。

責任能力が無いのなら、選挙権も放棄しなさい。
大人として見られることも諦めなさい。
謝罪の前に言い訳を覚えた、あなたは幼児。
あなたはゴマメ。
法を侵しても知らん顔。
おままごとを続けなさい。
今日は社長?
それとも慈善家?
現実が下らないほど、夢はふくらむよ。


□■■ Dec. 16th

今日は、仕事の電話ばかりだった。
というよりも、仕事の用でしか鳴らない電話が、何度も鳴った。
チリリリリン。
携帯も、呼び出し音を「チリリリリン」にしておけば、
妙に身構えることも無く、軽い気分で出られるというものだ。
「24日空いてますかー?」
「ああ、大丈夫ですよ。」
何でも、誰も受けてくれる人が無かったとのことで、やたらと喜ばれた。
晩飯を終えてから、先程の走り書きに目を向ける。
そうかそうか、年末はみんな忙しいのだな。
「24日火曜日」
ちょっとまて。
12月24日か。
そんな日にスケジュールが空いているどころか、
日付を聞いてもピンと来ない私に、感謝しながら、
半ば、ほくそ笑んでいたんだろう、ええっ、アンタッ!


□■■ Dec. 15th

少し前に送られて来たボンの写真の中の1枚を、加工してデスクトップ画像にした。
立ち上げる度にお前に会える。
やっぱり、正面から見た顔はステキチにそっくりなんだね。
約束の半年はとうに過ぎ、もう、お前はすっかりよその子。
私の見る平べったい断片の中には、私を忘れた幸せなお前。
私の中にはどこか、時の止まった場所がある。
それは、お前達の時を進める為に必要なものなのかも知れない。
私の中の時の流れの無い場所は、ひとつずつ、増えている。
他の部分の流れの速さをいっそう現実的に、途方もなく、残酷に映し出しながら。


□■■ Dec. 11th

ニャン、ピヨ。
長い間、大好きなシュークリームをあげていないね。
そろそろ、あげようか。
霜が、お前たちへの道を阻んでいない時にね。
幸せそうに舐める顔。
でも、それがいけなかったんだね。
キョンには内緒だよ。
この世にあんなにおいしいものがあるなんて。

人の一生とは
迷い、過ち、悔いること
愚かであるにも関わらず生かされた
その代償として

失う悲しみは、失った後にやって来る。
厭でもやって来る。
頼まないのにやって来る。
訪れる度、
喜びの日々を、幸福を、一際まばゆく輝かせては、黒い灰に変えて行く。
丸で鮮やかな花火のように。
苦い燃えカスをだけを残して。
それだけがこの体の一部であったかのように。
歓迎の準備などしなくていい。
怖れずに愛するがいい。
悔いしかもたらさないと判っていても。
偶然に感謝しながら、果敢に立ち向かうがいい。


□■■ Dec. 10th

冬だというのに
また真っ白な花が植えられた
お前がより白く
可愛らしく咲かせるんだね
お前のしっぽのようにふわふわの雪の下
笑っているのかい
あの夜
氷のように冷たいお前の頬に落ちては砕けた熱いしずくが
まだ私の体の中に残っていて
時折
一気にこみ上げては溢れかえるよ
どこへ流れて行っていいのか判らないようで
私もどこへ埋めればいいか判らない
苦しいのに暖かくて
嬉しかったのに悲しくて
いまだにやり場が見つからない


□■■ Dec. 9th

厚かましいというか、図々しいというか。
己のことを「お人好し」などと言うほど、あやしいことはない。
「頼まれればイヤと言えない」
という人間が、本当に面倒見の良い筈がない。
本当にそうなら、ただ、無責任で気が弱いだけ。
そんな恥ずかしいことは、隠すもんである。
多くは、頼まれもしないのにお節介を焼いて、迷惑をかけているのが本当のところだろう。
善人の証だと思っているというところが、もう落第。
第一、自分で言うかよ。

大して親切でもない私が「いい人」と言われる理由。
本当に困っている人しか助けないから。
善人なんかじゃない。
ただ、悪にならないように気を付けるのみ。
悪の意味も、勿論、よく考えた上で。
邪な人間から悪口を言われるのは、むしろ勲章だと思う。
信用が増すってもんだ。
人間なんて、所詮、「善」にはなれないのである。
それを知らねば、悪たることはやめられない。


□■■ Dec. 8th

人間社会は嫌いだから、積極的に関わりたいとは思わない。
だからと言って、背を向けて、不正に知らんぷりをするつもりはさらさら無い。
仮に後ろを向いていても、見えるけどさ。

何故、自分で何でも出来るフリをしたがるのだろう?
自分だけが出来ないと肩身が狭いのか?
出来ると嘘をつくのは、淋しいことではあるが、まだいい。
他人にやって貰ったことを、自分の手柄にしちゃいけないよ。
裏切り以外の何物でもない。
相手の厚意を踏みにじり、自分自身をも否定してしまう行為に他ならない。
愛されなくて当然だ。
人として、終わっているもの。
いや、それ以前に、始まっていない。
まず「生まれて来い」と言いたい。
こういうことって、人にいちいち忠告して貰うべきことかね???

あんたは、愛されないだけじゃない。
愛されるに値しない。
自覚している通り、あんたは決して美しくはない。
だが、その心と行為の醜さは、天のせいじゃない。

は〜い。
相変わらず、下らないね。
そこで怒る君だから、そうなんだね。
人間なんて、下らない。
そんなことも判らないなら、面白い訳がないね。
間違いは、自覚しないと直せないのさ。


□■■ Dec. 7th

経験は積んでおいて損はない。
試行錯誤の時間が省略できるし、その分、
更なる経験や冒険へと進むことが出来るからだ。
自信を元に暴言を吐くもよし。
収拾をつけるのも、恥をかくのも己なら。
人に段取りを整えて貰ったものをこなすのは「経験」でも何でもない。
コピーばかり取らされているOLの方が、まだコピー機の使い方を覚えられるからマシだ。
何も出来ないのに自信だけつけた結果、仮に売れたとしてどうなるかは、
「ジョン=レノンと同じミュージシャン」のつもりだったアイドルや、
若さと水着姿位しか売りのないギャル達の末路を見れば明らかである。
前者がおっさんになっても尚、「混同」状態であるばかりか増長しており、
後者は主婦になってから復帰したものの、
ローカル番組でおばはんぶりを晒して嘲笑を買うのがせいぜいだ。
いくら後輩にペコペコされても、それは敬意からではない。
哀れ、カワイソウ、でも仕方ないやね。
裏口入学と同じ。
能力がないから代わりのものを「売った」のであって、
決して奪われたり、盗まれたりした訳じゃないんだから。

女優になりたいからと脱いだり、体を利用したりするのは是か非か?
今の惨状を見れば、それほどに悪いことではないと思う。
何も出来ないのにテレビに出たいのなら、それしかないじゃんか。
それはそれで、根性だ。
良い心がけとは言えないが、大した力もない癖に、
金はもとより、何の犠牲も払わずに「夢」を叶えようとするハイエナよりはいい。
だいたい、10万や20万そこらでデモ作りの環境が揃う時代に、
「お金がない」とはどういう神経だ。
本当にそんなに困っているのなら、先にすることがあるだろう。
ろくろく勉強もしないで「判らない」なんて言う輩は、
己の「才能」だか何だかの為に、アカの他人を働かせていいとでも思っているのだろうか?!
......往々にして思っているんだな、こりが。
加えて、嘘付き放題の時代。
人にやらせたことをわざと誤解を招くように言うのは、
嘘をついているのとおんなじだ。
そういう連中は、自分が特別な嘘つきだとは自覚していない場合が多い。
世の中、みんなウソツキでノーナシで、オトモダチだと思っている。
外見上も、ぬいぐるみになりすましたE.T.だ。
本人が、「すみません、あたしゃ偽物です」と言わなければ判らない。
ブレードランナーでもなけりゃ見抜けないよ、あ〜こりゃこりゃ。
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