災いを転じて・・・

 

 サイト仲間のMさんと1泊2日で広島県にヒョウモンモドキの撮影に行った時の出来事である。大阪

から高速バスに乗り、まずは尾道に到着。そこからレンタカーに乗り換え、ヒョウモンモドキフィール

ドに到着したのは午後2時。明日は観察会が催されるので、ヒョウモンモドキをタップリと撮影出来る

であろうし、ゆっくりと温泉にでも入って、旅の疲れを癒し、居酒屋にでも繰り出すのも一考。しかし

二人とも蝶屋の端くれ。何とか時間の許す限り、各種の蝶、出来ればヒョウモンモドキを探して是が非でも撮影し

たいということで意見が一致。この蝶は湿地に生息しているらしい。この蝶はアザミやヒメジョオンに

よく訪花に来るらしい等の浅はかな知識から考えるに、ジメジメしていて、花が一杯咲いているような

場所に的を絞り探索すればいいのではないか。ということで、約1時間それらしき雰囲気のあるポイン

を2カ所まわるが、全く見当たらない。やはり初心者が簡単に発見出来る蝶ではないようだ。仕方なく

ウラギンヒョウモン、ミドリヒョウモン、ヒメキマダラセセリ、オオチャバネセセリ等の普通種と遊ん

でもらうことにする。車に戻り、お互い撮影した写真をモニタでチェックしている時、「コンコンコン

」と誰かがフロントガラスをノックする。誰だろうと顔をあげ、ノックの主を見てみると、一人の男性

が、非常に険しい顔をして立っておられた。Mさんがドアを開けると、「私はヒョウモンモドキ保護の

会のものです。失礼ですが、何をされているのですか」二人ともすぐに状況が飲み込めた。ヒョウモン

モドキ密漁者の監視のために巡回されている監視員の方に違いない。多分我々は密猟者と間違われたの

だ。他府県ナンバー車とレンタカーはきっと重点チェック車であろう。「虫も殺さぬ我々が何で・・・・・・」

 Mさんは即座に、「私は明日の観察会に参加予定のM、こちらはMさんです。一日早く来て、撮影を

しているところです。事前に連絡していると思いますが」急に監視員さんの顔が笑顔になる。「Mさん

とMさんですね。ちゃんと聞いております。ところで、これからポイントをまわるのですが、良かった

ら・・・・・」続きは日記のとおり。災いだと思っていたら、福に転じたお話でした。      完