ぬか喜び

 

 平成15年8月2日にクロヒカゲモドキ撮影のため、大阪府池田市に行った時の出来事である。前回、

前々回と天候等のせいで2度も空振りし、3度目の正直とばかり気合いを入れ早朝出発し、現地に7時

半に到着したことは2003年蝶日記のとおりである。ススキの原に分け入るもNULL。クヌギ周辺

の下草をたたくもNULL。そして最後の1本のクヌギ周辺を調べた時である。1頭の黒いジャノメ蝶

がゆっくりと飛び出し、近くの木の葉上に静止する。前翅裏面の眼状紋を数えてみると3つある。「ヤ

ッター!クロヒカゲモドキだ」撮影しようと近づくと、暗い林の奥の方にどんどん入り込む。逃がして

なるものかと、執拗に追いかける。何度か静止したのでその度にバシバシとシャッターをきるものの、

光量不足でまともな写真は一枚も撮れない。仕方なくフラッシュ撮影に切り替え30カット程撮影した

だろうか。後でモニターで確認すると、1〜2枚はhpに載せられそうな写真があった。次のフィール

ドでも目的とするカラスアゲハの集団吸水写真が撮れ、この日は大満足で帰宅したのだった。

 帰宅後図鑑3冊でもう一度確認作業。「アレッ。ちょっと違うぞ」図鑑には確かに、前翅裏面の眼状

紋が、クロヒカゲは2つ、クロヒカゲモドキは3〜4つと書かれてある。これではまだ納得がいかなか

ったので、インターネットで検索をする。たくさんあるサイトの中で、こういう内容が記載されている

ものがあった。「3つの眼状紋のうち、一番下の眼状紋が最も大きい」この段階でクロヒカゲモドキの

撮影は無惨にも砕け散った。そういえば、大きさといい、翅の丸みといい、何となく違うような気がし

ていたのであるが、何せ野外で一度も実物を見たことがなかったので、初心者故の大失敗であった。h

pに掲載する前に気づいたことがまだしもの救いか。そして、意外にも、この時調べた多くのサイトの

中で、数サイトはクロヒカゲをクロヒカゲモドキとして紹介していたのである。人のことを言えるレベ

ルではないが、人様に見ていただくには、しっかりと間違いのない同定をしなければならないことを肝

に銘じた1日であった。

 最後に、私がこの日撮影したクロヒカゲモドキならぬクロヒカゲを見たくはありませんか?嘲笑した

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