(7月3日)くもりのち晴れ
本来なら滋賀県の山ゼフ狙いのところ、今年から後半部分の交通機関が廃止となったため、仕方なく京都市北部
に行く。現地には9時前到着。いつものコースを歩くことにする。全然いない。とりあえずヒサマツポイントに
行ってみると、既に採集者が一人頑張っておられた。まだNULLとのこと。更に奥へと進む。笹林で数頭のゴ
イシシジミを目撃するも、一向に静止しない。やっと1頭が笹の上に静止したので撮影開始。しかし、恐ろしい
程のボロ個体。さすがに掲載出来ない。午後になって続々と採集者がやって来る。もう一つのヒサマツポイント
で、暫く様子を見ていると、ヒサマツらしきゼフが地上5bあたりに静止。別の採集者の方がチャレンジするも
見事空振り。撮影も大変だが、採集もなかなか難しそうである。結局この日はやたら多いヒメキマダラヒカゲを
唯一掲載するという寂しい結果に終わってしまった。6月は調子良かったのになあ。本日の目撃種は、(ミヤマ
)カラスアゲハ、スジグロシロチョウ、キチョウ、ルリタテハ、アサマイチモンジ、イチモンジチョウ、コミス
ジ、ツマグロヒョウモン、クロヒカゲ、ヒメキマダラヒカゲ、トラフシジミ、ゴイシシジミ、アサギマダラ、テ
ングチョウであった。梢をチラチラと飛ぶゼフ類、目の前を高速で通過したセセリチョウ、クリの花で吸蜜して
したヒョウモンチョウについては残念ながら鑑定不能であった。
 
(7月4日)晴れ
昨日は5時間も山の中を歩いたので、足が棒のようになっていたが、本日も午前5時半起床。といって遠方に行
く訳ではなく、午後からいろいろな家の用事を片づけなくてはならないからだ。地元奈良のクロシジミの撮影に
出掛けることにする。非常に暑く、昨日の疲れもあり、短時間勝負である。ポイント周辺の林縁を半時間程探索
し、何とか3頭目撃し、半開個体も撮影に成功したので、すぐさま帰宅する。帰宅時刻は午前9時ジャスト。や
っぱり撮影は近場に限ります。本日の目撃種は、ナミアゲハ、キチョウ、ツマグロヒョウモン、ジャノメチョウ
クロシジミであった。今から延々と家の用事。ああ気が重い。
 
(7月10日)雨のちくもりのち晴れ
久しぶりに午前9時まで爆睡。外はどしゃ降りの雨。昼前になってようやく薄日も射してきたので、マイフィー
ルドに向け出発。本日の狙いは夏型のスミナガシである。いつものようにクヌギ食堂に到着。数頭のツマグロヒ
ョウモンが追いかけっこ。ユニークな飛び方のイシガケチョウが心を和らいでくれる。そうかと思うと、目の前
を巨大なオオムラサキ♀個体が通過する。いつもの風景である。午後2時半になったので、スミナガシポイント
に移動。約1時間待ったが、現れたのは数頭のオオムラサキ♂の方であった。やはり1週間早すぎたか。本日の
目撃種は上記の他に、ナミアゲハ、クロアゲハ、キアゲハ、モンキアゲハ、カラスアゲハ、モンシロチョウ、ス
ジグロシロチョウ、キチョウ、ゴマダラチョウ、コミスジ、イチモンジチョウ、ヤマトシジミ、ルリシジミ、ム
ラサキシジミ、ウラギンシジミ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメであった。明日は早朝より遠征予定です。
 
(7月11日)くもり一時雨のち晴れ
蝶友のF氏と共に岡山県に向け早朝から出発。第1ポイントには午前9時到着。このポイントは絶滅の危機に瀕
しているウスイロヒョウモンモドキの生息地である。二人とも撮影オンリーなので、何の心配もないのであるが
監視人もおらず、無防備な状態である。「昨年は二桁観察しました」とF氏。いやが上にも期待は膨らむ。いざ
出陣。しかし、約1時間探索したにもかかわらず、全くのNULL。諦めの心境で出口付近を通過した時、一頭
の見慣れぬ蝶が吸蜜している。「これがウスイロです」とF氏。思っていたよりはるかに小さな蝶である。胸の
鼓動を意識しながら、震える手?で数十カット撮影。表裏とも撮影に成功。一安心である。撮影当時突然の雨が
降ったりして、写りの方は微妙であるが、ややスレていたものの、カケもなく、本日の9割方はこれにて終了。
次に第2ポイントに移動。このポイントは、ツマグロキチョウの生息地だそうだ。「これがカワラケツメイです
」とF氏。ありふれた雑草に見えるが、「なるほどなるほど」とうなずく。モンシロチョウばかりで、黄色い蝶
は全然姿を現さなかったが、10分ほどして、キチョウを一回り小さくし、飛び方が緩慢な蝶が出現。「あれで
す」。下草に止まったので、再度十数カット撮影。秋型は先端が尖り、後翅裏面に黒帯が入るので、キチョウと
は一目瞭然であるが、夏型は差が小さいとのこと。撮影したのは多分ツマグロの方だと思います。最後に第3ポ
イントへと移動。このポイントはハヤシミドリシジミとミドリシジミの生息地とのこと。カシワの木をたたく度
に数頭のハヤシミドリが飛び出す。しかし、決して下草には降りず、上へ上へと移動する撮影には不向きな蝶で
あるが、高さ3b程の所に一頭が着陸したので、辛うじて撮影は出来たものの写りの方は?である。ラストにヤ
マハンノキの木をたたく。一斉にミドリシジミが飛び出し、こちらの方は下草に静止。至近距離からの撮影にも
成功し、意気揚々と帰宅し、モニターで確認すると、「ピンボケ」であった。本日は久しぶりに蝶影の濃い地に
赴き、大満足の1日であった。Fさんお疲れさまでした。本当にありがとうございました。本日の目撃種は、ダ
イミョウセセリ、ギンイチモンジセセリ、ホシチャバネセセリ、ホソバセセリ、コキマダラセセリ、ヒメキマダ
ラセセリ、キマダラセセリ、オオチャバネセセリ、チャバネセセリ、イチモンジセセリ、ツマグロキチョウ、キ
チョウ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ムラサキシジミ、ミズイロオナガシジミ、ミドリシジミ、ベニシジミ
ハヤシミドリシジミ、ルリシジミ、ツバメシジミ、クロシジミ、ヒメシジミ、アサギマダラ、ウラギンヒョウモ
ン、オオウラギンスジヒョウモン、ウスイロヒョウモンモドキ、オオヒカゲであった。恐るべし岡山県。なお、
最後に管理人からのお願いですが、「ウスイロヒョウモンモドキ」は、絶滅の危機に瀕していることを今日実感
いたしました。地元、ボランティア、愛蝶家の方々が、保護、保全並びに環境整備等に懸命に努力なさっていま
す。このままでは近い将来絶滅してしまいます。十数年前の状態に回復するまで、採集家さんは是非採集を自粛
してください。この蝶が日本からいなくなって悲しむのは、我々蝶屋さんなのですから。
 
(7月17日)晴れ一時くもり
関西地方も今週の月曜日に梅雨明け。暫くの間、あまり天候は気にしなくても良いが、反面この時期撮影したい
蝶は全然見当たらない。この3日間の休日、家に閉じこもっている訳にはいかないので、本日は、クロヒカゲ、
キマダラ両モドキの開翅個体を是か非でも撮影すべく、北摂地方に始発電車で向かう。まずはクロヒカゲポイン
ト。早朝にもかかわらず樹液の匂いがプンプンする。大いに期待が持てそうである。しかし、クヌギ食堂周辺、
ススキが原を約1時間半徹底的に探索したが、影も形もない。他の蝶もほとんどいない。やっぱりこの時期はだ
めだ。ここでの目撃種は、オナガアゲハ、スジグロシロチョウ、ツバメシジミ、コミスジ、ヒメウラナミジャノ
メ、クロヒカゲ、ダイミョウセセリ、ホソバセセリであった。次に、キマダラポイントに移動する。いつものよ
うに何度も道に迷いながらもピンポイントに到着。しかし、前のポイント同様蝶影は薄い。ひょっとして樹木に
すまし顔で静止しているのではないかと思い、目を皿にして探索したがやっぱりNULL。こうも蒸し暑いと、
蝶も出て来ないのであろうか。ここでの目撃種は、ヒメウラナミジャノメ、ジャノメチョウ、クロコノマチョウ
ヒカゲチョウ、ホソバセセリであった。両種とも初見からほぼ1カ月経過している。無謀な探蝶行であった。
 
(7月18日)晴れたりくもったり風強し
今日はゆっくりと9時起床。まもなくして電話があり、家内の妹夫婦が遊びに来るとのこと。奮発してお寿司を
出前してもらう。昼前から宴会を開始するが、午後からはマイフィールドに行く予定であったので、極力お酒の
方は控える。「兄さん。今日は暑いし山に行くのは止めて、ゆっくり飲みましょうよ」という弟の甘い誘惑にも
負けず、予定どおり午後1時半にスミナガシ狙いで出撃する。スミナガシのテリ張りポイントは数カ所あるが、
今回はクヌギ食堂の近くにある、最もテリ位置の低い(但し訪れる個体は最も少ない)ポイントにゆっくりと腰
をおろし待つことにする。待っている間、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、モンキアゲハ、クロアゲハ、ゴマダラ
チョウ、オオムラサキ、イシガケチョウ、ツマグロヒョウモン、コミスジ、キチョウ、ベニシジミ、ルリシジミ
ヤマトシジミ、ウラギンシジミ、チャバネセセリを見る。4時近くになっても一向に姿を見せないので、帰り支
度をしようとしたとき、黒っぽいチョウが高速でやって来て、テリ張りポイントの葉上に着陸する。「やった」
忍び足で近づいてみると、色、模様とも全然違う。クロヒカゲであった。ガックリ。本日は蝶果もないし、弟の
誘いに応じて、ゆっくり飲んでいれば良かったと後悔する事しきりであった。
 
(7月24日)晴れ帰宅後くもり
未撮影種のミヤマカラスアゲハ求めて、大阪府豊能郡に向け早朝から出発。現地には午前8時到着。アゲハ類の
吸水時刻には少々早いので周辺を探索する。夏型のサカハチ、トラフあたりは楽勝で撮影出来ると思っていたの
に共にNULL。蝶影は非常に薄い。9時半頃になって、ちらちらと黒系アゲハが飛び出したので、いつもの吸
水ポイントへ大急ぎで戻り、待つこと2時間。しかし、一頭のアゲハも現れてくれなかった。アレッ。少し時期
が早かったのかな?ここでの目撃種は、カラスアゲハ、ナガサキアゲハ、クロアゲハ、スジグロシロチョウ、キ
チョウ、モンシロチョウ、コミスジ、ゴマダラチョウ、ルリシジミ、ウラギンシジミ、コジャノメ、クロコノマ
チョウ、コチャバネセセリ、キマダラセセリであった。次にコムラサキのポイントに向かう。昨日ネットで情報
収集し、ピンポイントの現場写真まで掲載されていたので、大いに期待がもてる南摂のポイントである。現地に
は午後2時到着。シダレヤナギ付近で半時間程待つも一向に姿を見せない。時間帯が悪いのかもしれないと思い
休息中の個体を探すべく小さな林の中に入り込む。すると、あちらこちらに青い家?ズカズカと踏み込むと御迷
惑になるかもしれないので、瞬時に退却する。ここでの目撃種は、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、ヤマトシジミ
であった。猛暑の中出撃したのに、狙いとする蝶には会えなかった。ゆっくりと起床し、クーラーのきいた部屋
で、ソーメンを肴にギンギンに冷えたビールを飲んでいた方がストレス発散になったのかな?
 
(7月25日)晴れのちくもり突然雷のち雨
本日はゆっくり8時起床。特に行くあてもなかったが、9時出発で奈良県生駒郡の無名ポイントに行く。いつも
のコースを一往復する。野原ポイントではたった一頭のツマグロヒョウモン♂個体が懸命にテリをはっていただ
け。本命とするイシガケ吸水ポイントも全くのNULL。これでは話にならないのでもう一往復しようと歩きだ
した時、前方30b先に巨大な白い犬。犬、特に野良犬は大の苦手である。子供の頃犬に腕をかまれたことがあ
り、それがトラウマになっているのだろうか。愛犬ミュウを除き、犬には恐怖心さえ覚える。即座に退散する。
ここでの目撃種は、スジグロシロチョウ、コミスジ、ツマグロヒョウモン、クロヒカゲ、ベニシジミ、テングチ
ョウであった。次にマイフィールドに向かう。現地午後1時半到着。5分程して、急に雲行きが怪しくなる。雨
ぐらいなら全く平気であるが、激しい稲光と共に2〜3秒後にドカーン。それも5連発。雷は犬以上に大々の苦
手である。10分後には家路に向かう電車の乗客になっていた。通常出撃した場合、最低でも100回はシャッ
ターを押すのに、本日はたったの3回。日記も写真付きの方が楽しいと思い、掲載する事にする。結構珍品です
ぞ。(笑)ここでの目撃種は、ナガサキアゲハ、アオスジアゲハ、キチョウ、ルリシジミ、ヤマトシジミ、ツバ
メシジミであった。確か本日、HP仲間のM氏がマイフィールドにスミナガシの撮影に行くとおっしゃっていた
が、大丈夫だったのかな?