(6月6日)晴れ
久しぶりに休暇を取り、早朝よりマイフィールドに行く。何としてもゼフ、あわよくばウラジロやダイ
センの全開写真を撮りたくてゼフポイント中心に数カ所回る。幸運にも、ミズイロオナガシジミ、ウラ
ジロミドリシジミの撮影に成功する。とりわけウラジロは♂♀表裏の4カットすべてに成功し大満足。
残念ながらダイセンシジミは撮影には失敗するものの、しっかりと観察する事が出来た。2時間程して
高槻から来たという蝶屋さんにお会いする。高槻にも有名なゼフポイントがあるが、そういえば、先週
N師匠が高槻に行くといっていたなあ。念のために聞いてみると、やはり向こうのポイントでお会いし
たとのこと。いろいろとお互いに情報交換したとのこと。本当に世間は狭い。まもなくゼフポイントを
後にして、いつものミスジポイントに向かう。少ないながらミスジの♀個体が優雅にカエデの上を滑空
している。すると、不規則な飛び方のイシガケチョウがやって来る。いつもの風景である。それにして
もウラギンシジミが多い。あちらこちらの葉上に数組の交尾個体を観察する事が出来た。本日の目撃種
は、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、イチモンジチョウ、アサマイチモンジ、ナミヒカゲ、コジャノメ、
アカシジミ、ウラジロミドリシジミ♂、ウラジロミドリシジミ♀、ミズイロオナガシジミ、ルリシジミ
ヤマトシジミ、ダイセンシジミ、ウラギンシジミ、モンシロチョウ、テングチョウであった。明日は、
兵庫県まで足をのばす予定である。
 
(6月7日)くもりのち晴れ
N師匠と目的とする蝶と場所が完全一致したので、二人で兵庫県加古川市にヒメヒカゲの撮影に行く。
二人とも車の運転をしないので電車での出勤である。ポイントに着くや否や小さくて地味な蝶が飛び出
す。「これだよ」とN師匠。この蝶も初めて見る種類だが、想像していたよりはるかに小さい。丁度ウ
ラナミジャノメぐらいの大きさであろうか。早速撮影開始。地面を這うように飛び、すぐに止まるので
一見撮影は簡単そうに見えるが、一定の距離まで近づくと逃げ、また近づくとまた逃げの繰り返しであ
ったが、何とか♂♀個体とも撮影に成功。この蝶以外はあまり期待できないので、2時間程で早々と引
きあげる。かろうじて二桁の観察が出来たが、♂個体は半分がボロ。♀個体は比較的新鮮であった。本
日の目撃種は、ナミアゲハ、キチョウ、ホシミスジ、ヒオドシチョウ、コムラサキ、ヒメヒカゲ、ルリ
シジミであった。
 
(6月8日)快晴
目覚ましは5時半にセットしていたが、昨日、一昨日と連チャンの為起きられず、ゆっくり朝食を済ま
せ、9時半出発でマイフィールドに向かう。栗の花に来るゼフでも撮影しようと思い、ポイントに行く
と先着があり、5分ほど前訪花したウラナミアカシジミを採集したとのこと。実物を見せていただくと
完品の♂個体であった。全国的には普通種であるこの蝶もマイフィールドでは比較的珍品である。くや
しいことしきりであった。本日は5時間程フィールドにいたが、そのうちの4時間以上は、蝶屋さんや
ハイカーさんとの語らいの時間。何をしに山に来ているのか自分でもわからなくなってくる。最後に幾
分早いかなと思ったが、オオムラサキポイントに立ち寄ったが、やはりNULLであった。そのかわり
時期はずれのスミナガシがテリを張りに来たので首尾良く撮影することが出来た。本日の目撃種は、ク
ロアゲハ、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、コミスジ、アカタテハ、ゴマダラチョウ、スミナガシ、キタ
テハ、イシガケチョウ、コムラサキ、ミドリヒョウモン、クロヒカゲ、ナミヒカゲ、アカシジミ、ウラ
ジロミドリシジミ、ルリシジミ、テングチョウであった。
 
(6月14日)くもり後雨
京都にキマルリの撮影に行く予定をしていたが、昼前から雨の予報であったので、急遽ウラナミジャノ
メフィールド→マイフィールドの近場コースに切り替える。ウラナミフィールドへは8時到着。約1時
間で4頭観察。葉の上にじっとしている蝶なので思い存分撮影する事が出来た。ここでの目撃種は、ナ
ミヒカゲ、ウラナミジャノメ、モンシロチョウ、ベニシジミ、ツバメシジミ、セセリチョウ(種名は同
定中)であった。次にマイフィールドに向かう。とりあえずゼフポイントに直行。30分ほどして雨が
降り始めたので帰り支度をしてミスジポイントに行ってみると、蝶屋さんが来ていた。「オオムラサキ
見ましたよ」との事。後3時間待てばテリを張る個体を見られそうだが、こう天気が悪いと多分テリは
張らないだろうと思い、帰ることにする。ここでの目撃種は、ウラジロミドリシジミ、アカシジミ、ミ
ズイロオナガシジミ、モンキアゲハ、ツマグロヒョウモン、ナミヒカゲであった。帰宅後兄から電話が
あり食事をご馳走になる。数軒ハシゴをしたため、家に帰って即バタンキュー。当日の日記は当日に更
新するのをモットーにしていたが、守れなかった。皆さん「飲み過ぎには注意いたしましょう」
 
(6月15日)くもり
昨日行けなかったキマルリフィールドに早朝より、二日酔いにもかかわらず出発。現地9時到着。訪花
個体を狙うためヒメジョオンを一輪単位でそれはそれは丹念に3時間も調べたのに全くのNULL。空
にはツバメ、花にはツバメシジミとよく似た名前の生き物はいるのにどうしてキマダラルリツバメはい
ないのだろうか。しかし、初めて見るカメムシやトンボを撮影出来たのだから良しとしよう。ここでの
目撃種は、モンシロチョウ、ベニシジミ、ツバメシジミであった。次にマイフィールドに行く。ほんま
ようやるわ。14時00分オオムラサキポイントに到着。着いてすぐ1頭がいつものテリ空間を旋回し
たが葉の上には止まらず飛び去る。曇天の日は飛ぶパターンが晴天の日とかなり異なるようだ。スギタ
ニ型なら久しぶりに採集をしようと捕虫網を持参したのに..。16:00になったので網をしまいか
けた時、一頭がいつもの木の、いつもの枝上の葉に止まる。慎重にゲットする。しかし普通型であった
のでリリースする。高いところはオオムラサキ、低いところはスミナガシとアカタテハのテリ張り。蝶
の習性は本当に面白い。ここでの目撃種は、アオスジアゲハ、クロアゲハ、(ミヤマ)カラスアゲハ、
モンキアゲハ、オオムラサキ、スミナガシ、アカタテハ、ナミヒカゲ、ヒメジャノメ、ミズイロオナガ
シジミであった。
 
(6月21日)晴れ
昨年オオヒカゲではえらい目にあった(2002年の日記6月22日分参照)が、懲りずに出かける。
本日は、N師匠も同行し、同じ京都府相楽郡でも別のポイントを探索する事になった。二人ともピンポ
イントは知らないが、「二人の蝶屋がいれば直感でポイントはわかるよ」という師匠の言葉を信じ、最
寄駅から炎天下歩く事にする。30分程歩くと道が3つに別れ、直感で選んだ道を歩いていくと又2つ
に別れているという始末。奇跡的にも選んだ道が最適だったようで、スゲが群生するポイントらしき所
に到着。地主であるおばさんに、「このあたり網を持った人がよくうろついてますか」と聞いたところ
「YES」という返事。このあたりで腰をおろす事にする。着いてすぐ大きなジャノメ蝶が飛び出す。
オオヒカゲである。撮影しようと近づくとすぐに藪の中に消え去った。このパターンを十数回と繰り返
した。師匠の「この蝶は夕方に活発に活動するよ」という言葉を再び信じ、午前9時から午後5時まで
この地にいたが、目撃数は2桁いったにもかかわらずシャッターチャンスは1度しかないという結果に
終わった。本日も本当に疲れました。とりあえず撮影出来て一安心。本日の目撃種は、キアゲハ、スミ
ナガシ、メスグロヒョウモン、キタテハ、イチモンジチョウ、オオヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ナ
ミヒカゲ、ツバメシジミ、ルリシジミ、ウラギンシジミ、ウラナミアカシジミ、イチモンジセセリ、キ
マダラセセリであった。なお、先週同定中であったセセリチョウはオオチャバネセセリのようだ。「も
し違っていたら思い切り叱ってやってください」
 
(6月22日)くもり後雨後くもり
本日は早朝出発でマイフィールドへミドリシジミの撮影に行く予定をしていたが、起きる事が出来ず9
時出発となりターゲットをオオムラサキに変更した。昨日N師匠が、初心者2人を連れてオオムラサキ
を狙いに行くので、暇だったら見に来てくださいとの事だったので、とりあえず第2ポイントに直行す
る。着いてみると、蝶を始めて日が浅い2人のビギナーにオオムラサキを見せたいが為に焼酎と酢とブ
ランデーと黒砂糖をミックスした特製トラップをあちらこちらの木に塗り終えたところであった。丁度
その頃から雨が降り始め、お疲れモードの私はベンチで仮眠をし始める。2時間後雨が止んだので、ト
ラップを注意深く凝視していると1頭の♂個体が吸い寄せられるようにトラップに静止した。さすがに
人工的な生態写真は撮りたくないので、撮影は諦め、「○○さん、オオムラサキ来ましたよ」と呼びか
け、○○さんは見事採集に成功する。初めて見る種類だったそうで、私とさほど年がかわらない○○氏
は満面の笑み。6年前の自分とオーバーラップする。昨日の疲れのせいで早めに帰宅したが、後でN師
匠から電話があり、2人は計3頭採集されたとのこと。これで新しく2人の蝶屋さんが誕生した。本日
の目撃種は、ナミアゲハ、キアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、ルリタテハ、ミド
リヒョウモン、オオムラサキ、ゴマダラチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ナミヒカゲ、ルリシジミ、ミ
ズイロオナガシジミ、キチョウ、スジグロシロチョウであった。
 
(6月28日)雨時々くもり
とりあえず6時に起床したが、あいにくの雨。くもりになったらマイフィールドにでも行こうとスタン
バイはするものの午後になってもいっこうに止む気配がないので、本日は諦める。ぼんやりと庭を見て
いたら、ナミアゲハが同じところに長く止まっているのであわててカメラを取り出し撮影開始。よく見
ると、何と愛犬ミュウが排泄したものを吸汁していた。比較的珍しいケースではないだろうか?本日の
目撃種は、ナミアゲハ、モンシロチョウ、ヤマトシジミであった。明日は滋賀県に行く予定である。
 
(6月29日)雨後くもり後晴れ
低地ゼフのシーズンも終わったので、幾分フライング気味とは思ったが、滋賀県滋賀郡の山ゼフポイン
トに早朝より出掛ける。到着すると何と小雨状態。30分程で止んだので早速撮影開始。発生場所付近
の下草を丁寧に調べたが、全然いない。諦めかけた頃、ウラクロシジミ引き続きウラキンシジミが相次
いで姿を現し何とか撮影することが出来た。しかし、本日の目的であるヒサマツ、フジ、メスアカ、ジ
ョウザン他ミドリシジミ類は姿を見せず。今日は採集者も多い。このうちの3名は、マイフィールドで
もお会いする面々である。関西の蝶屋さんは活動パターンが似通っているようだ。午後3時頃からヒサ
マツがテリを張るらしく、7名の蝶屋さんは100メートルに1名の間隔でテリを張っておられる。こ
の蝶は比較的テリ位置が低く撮影可能なので、8番目に入ろうかと思いはしたが、何か興ざめし、2時半頃当地
をあとにする。やはり1週間ほど早かったようだ。帰りがけ家に「今日晩ご飯はあるの?」と電話をし
たら、家内は「当たり前でしょ。ブチッ」とかなり機嫌が悪そうであったので、あわてて京都駅で生八
つ橋を土産用に買い求める。本日の目撃種は、キチョウ、モンキチョウ、スジグロシロチョウ、アカシ
ジミ、ウラクロシジミ、ウラキンシジミ、テングチョウであった。