(8月2日)晴れ
本日は、(ミヤマ)カラスアゲハの集団吸水写真を撮るべく大阪府豊能郡に行く予定であるが、クロヒカゲ
モドキのことが少し気になっていたので、まずは池田に行く。出始めが6月下旬の蝶であるので、多分null
であろうけれども。現地に7時半到着。ススキの原に突っ込む。やはり全然であった。いたのはホソバセセ
リ1頭のみ。次に樹液がたっぷり出ているクヌギ周辺のチェック。良く似た蝶は飛び出すが、やはり本命に
出会うことはなかった。ここでの目撃種は、コミスジ、クロヒカゲ、クロコノマチョウ、コジャノメ、ヒメ
ウラナミジャノメ、サトキマダラヒカゲであった。今年3度目のチャレンジであったが完敗であった。気を
取り直し、豊能郡に向け出発。10時半到着。いつものコースを歩くことにする。しばらくして水溜まりで
カラスアゲハ、クロアゲハ、コチャバネセセリ、ウラギンシジミ等の集団吸水に遭遇する。一安心。水溜ま
りがある場所では必ず蝶が吸水している。思う存分撮影する事が出来た。ただ残念だったのは、第1目標だ
ったミヤマカラスアゲハがいなかったことだ。ここでの目撃種は、上記以外にコミスジ、イチモンジチョウ
アサマイチモンジ、ゴマダラチョウ、スミナガシ、モンシロチョウ、キチョウ、ヒメウラナミジャノメ、ル
リシジミであった。
 
(8月3日)晴れ
この時期、関西地方では特に狙いたい蝶はない。日帰りで行けるめぼしい蝶と言えば三重県のキリシマミド
リシジミぐらいのものか。現地に行けば観察は十分に出来そうであるが、撮影となると、テリ張りの高さを
考えると100%駄目なようが気がしたので断念し、本日も近場ポイントにする。とりあえず9時出発。昨
日あたりから梅雨明けの本格的な夏シーズン到来で非常に暑い。外にでるのも躊躇うような日射しであった
が、家にいて粗大ゴミ扱いされるよりは、フィールドに出て大自然を満喫する方を選ぶ。今年2回目となる
生駒郡の無名ポイントに10時半到着。昨年同時期ウラナミシジミがいた野原に行って見るもキアゲハとツ
マグロヒョウモンがテリ張り合戦を繰り広げているだけで本命は見ず。ここでの目撃種は上記の他に、サト
キマダラヒカゲ、コミスジ、ミドリヒョウモンであった。次に半時間程度歩いたイシガケポイントに移動。
いきなりスミナガシの吸水現場に遭遇し10カット程撮影。昨日は裏翅だけであったが、本日は表翅を撮影
する事が出来、2日がかりで1セット完了する。しかし、マイフィールド以外では比較的珍しいと思ってい
たこの蝶も行くたびにすんなり目撃出来るとは、うれしくもあり、悲しくもあり、複雑な気持ちであった。
残念ながら、狙っていたイシガケチョウ、アサギマダラにはお目にかかることはなかった。ここでの目撃種
は、モンキアゲハ、カラスアゲハ、クロアゲハ、ナミアゲハ、スジグロシロチョウ、キチョウ、コチャバネ
セセリ、クロヒカゲ、ルリシジミ、ヤマトシジミであった。8月中に信州に行こうと思っていたが、小遣い
も徐々に目減りし、我が家の大蔵大臣も最近なお一層財布の紐がかたくなっているので、微妙な情勢である
一発勝負で、確変連チャンしか道はないのだろうか。
 
(8月9日)暴風雨後くもり夕方一時晴れ
とりあえず午前7時起床。息子と二人で花見ならぬ風見をする。暴風雨圏に入っている割には風はさほど強
くないが、とってもフィールドに行ける状態ではないので、再度床に入る。次は午前11時起床。風はやや
強いものの、晴れ間ものぞき、自宅の庭に、ツマグロヒョウモン、モンシロチョウ、ヤマトシジミが飛ぶ。
これだけの風雨であったので、蝶の成虫は壊滅的な打撃を受けたはずなのに、いつもと変わらぬ風景。昆虫
のしたたかさ、逞しさには本当恐れ入る。午後になって風も弱まった頃、本日も元気にマイフィールドに行
く。いつもの展望台に到着すると、この地でよくお会いする、ビデオカメラで蝶撮影をしているK氏がおら
れた。「こんな天気に山に来るのはよっぽどの変人ですね」とお互いの顔を見ながら大爆笑。長い時間蝶談
義に花が咲く。午後5時頃からようやく晴れ間がのぞき、一斉に蝶が飛び出す。狭い空間をルリタテハとチ
ャバネセセリが激しくテリ争いを開始。ツバメシジミとヤマトシジミは素知らぬ顔。蝶の生態は何時間見て
も飽きない。本日の目撃種は、ナミアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、カラスアゲハ、
ツマグロヒョウモン、オオムラサキ、スミナガシ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒカ
ゲ、コジャノメ、ルリシジミ、ベニシジミと超ボロのミズイロオナガシジミであった。一発勝負に敗れ、信
州への道は閉ざされたので、当分は近場中心に頑張ります。
 
(8月10日)晴れ
台風一過。天気は最高だが、うだるような暑さ。どこに行こうか若干迷ったが、兵庫県のシルビアポイント
に行くことにする。蝶情報誌を見ると、ほとんどが9〜10月の実績であり、この時期本当にいるのかどう
か自信がなかったが、杞憂に終わった。約1時間半で2頭目撃。昨年はヤマトシジミとの違いがよくわから
なかったのでえらい目(2002年の日記9/15分参照)にあったが、今回は両者の違いを頭にインプッ
トしていたので、飛んでいる姿を見るだけで認識出来た。それにしても数が少ない。この蝶も大事に守って
いかなければならない種類のひとつだ。これ以上いると熱射病になりそうだったので早々と引き上げる。本
日の目撃種は、ナミアゲハ、コムラサキ、ツマグロヒョウモン、キチョウ、シルビアシジミ、ヤマトシジミ
ベニシジミ、ツバメシジミであった。来週半ばから盆休み。暇はあっても金はなし。
 
(8月13日)くもり後晴れ
前々回撮影出来なかったチャバネセセリと訪花するアゲハ類でも撮影しようと思い、本日も飽きずにマイフ
ィールドに向かう。8時半現地到着。チャバネセセリはしっかりとテリを張っていてくれた。しかしなかな
か敏感な奴で、マクロ撮影を許してくれなかったため、写りは今一。初めて撮影する種類なので良しとしよ
う。次に夏場よくアゲハ類が訪花に来るポイントまで半時間ほど歩く。案の定、クロアゲハ、モンキアゲハ
オナガアゲハ、アオスジアゲハがかわるがわるやって来る。花までの距離が結構あるので6倍ズームで数十
カット撮影するも、こちらの方もどうも写りが悪い。写真のない日記よりも写りが悪くてもある日記の方が
喜んでいただけるのではないかと勝手に決め込み、あえて掲載することにする。この時期特に撮影したい蝶
がいないので、どうも気合いが入らない。本日の目撃種は、ナミアゲハ、クロアゲハ、オナガアゲハ、アオ
スジアゲハ、モンキアゲハ、キチョウ、スジグロシロチョウ、ナミヒカゲ、クロヒカゲ、コジャノメ、ヒメ
ジャノメ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、チャバネセセリ、テングチョウ、ツマグロヒョウモ
ンであった。
 
(8月15日)雨後くもり
昨日は、電車の中に傘を忘れるやら、通勤定期券を紛失するやらで最悪の1日であった。今日も天気は良く
ない。庭にあるキンカンの葉上でナミアゲハの幼虫を発見。毎年よく見かけるが、終齢幼虫になるとはかっ
たようにスズメが来て食べてしまうので蛹になった姿は一度も見たことがない。「頑張って成虫になってく
れよ」と願う私であった。そうかと思うと、サザンカの葉には無数のチャドクガの幼虫。今年だけでも草ム
シリの時に2度もひどい目(2回とも皮膚科に通院)にあっているので、家内と二人で熱湯消毒をしてやっ
た。同じ鱗翅目の幼虫なのにこうも待遇は違うものであろうか。昼前から雨が止んだので、マイフィールド
に行こうと思ったが、定期券の事が心配なのでダメ元で駅に電話をする。「その定期券なら定期券売場で保
管していますよ」という朗報。ホッと胸をなで下ろす。大阪市内に定期券を取りに行ったため、マイフィー
ルド到着は午後2時。特に狙いたい蝶はないが、とりあえずクヌギ食堂に行く。いましたいました。オオム
ラサキの♀個体が無心に食事をしている。少し離れた所でクロヒカゲとサトキマダラヒカゲが遠慮がちにお
食事。少し経つと、ルリタテハとアカタテハがオオムラサキのいる所に強引に割り込む。オオムラサキは威
嚇のため、翅を開閉させるが、両者は全く動じない。嫌気がさしたのかオオムラサキは飛び立ってしまった
これで撮影は終わりかと思ったが、意外にも草ムラに不時着。それも思い切り翅を開いた姿で。やっぱり山
に来て良かった。本日は定期券も見つかったし、オオムラサキの全開写真も撮れたしで最高の1日であった
本当毎日一喜一憂するこの頃である。本日の目撃種は上記の他に、ナミアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ
カラスアゲハ、アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモン、コミスジ、ゴマダラチョウ、ナミヒカゲ、コジャノ
メ、ヒメウラナミジャノメ、キチョウ、スジグロシロチョウ、ルリシジミ、ウラギンシジミ、ヤマトシジミ
ベニシジミ、チャバネセセリであった。
 
(8月16日)くもり後晴れ
本日は8/3と全く同じコースを行く。最初は野原ポイント。ボロのツマグロヒョウモン2頭が追いかけっ
こしているだけ。その他の蝶はキチョウとスジグロシロチョウだけであった。次にイシガケポイントに移動
する。あまり期待していなかったが、ようやく待望のイシガケチョウ吸水現場に出くわす。20カット程撮
影後ふらっと近くの木の葉上に翅を閉じて静止。表裏とも撮影出来て本日も大満足。このポイント並びにこ
こに来るまでに出会った蝶は、ナミアゲハ、モンキアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、アオスジアゲハ、
クロヒカゲ、コジャノメ、アカタテハ、コミスジ、ゴマダラチョウ、ホシミスジ、ムラサキシジミ、ヤマト
シジミ、クロヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、イチモンジセセリであった。ホームページの容量もほぼ満タ
ンになってきた。削除作業をボチボチ始めなくっちゃ。
 
(8月19日)晴れ
午後10時半、愛犬ミュウと夜の散歩に出掛ける。道端でバタバタしているアブラゼミを一気に食べてしま
う。この犬何故だかアブラゼミが大好きで、毎年2桁は賞味しているだろうか。外灯付近で♀のカブトムシ
を発見し、持ち帰ることにする。このあたりもまだまだ自然が残っている。久しぶりに家族が1名増える。
 
(8月23日)晴れ
比較的冷夏で推移した今年の夏も盆過ぎから急に真夏に逆戻り。本日も非常に蒸し暑い。給料前とあって、
近場ポイントに行く事にする。ウラナミジャノメポイントに9時到着。ややフライング気味だと思っていた
が、約2時間かけて何とか3頭観察することが出来た。6月に発生する一化と比較してやや小ぶりである上
に意外にも敏捷であったため、マクロ撮影には失敗したが、健在であったので一安心。ここでの目撃種は、
ナミアゲハ、ホシミスジ、ナミヒカゲ、クロヒカゲ、ウラナミジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、チャバネ
セセリ、キマダラセセリ、キチョウ、ツバメシジミであった。次にマイフィールドに行く。イシガケチョウ
のテリ張りポイントを偶然発見したが、なかなか地上に降りて来ず、撮影は諦める。あまりの暑さのために
早めに切り上げたため、ここでの目撃種は、ナミアゲハ、キアゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ、ツマグロ
ヒョウモン、コミスジ、イチモンジチョウ、クロヒカゲ、ナミヒカゲ、キチョウ、スジグロシロチョウ、ルリシジミ、ウラギンシ
ジミと平凡な結果に終わった。9月も半ばになれば秋の蝶が楽しめるので、もう少しの辛抱である。
 
(8月30日)くもり後晴れ
HP仲間であるM氏のサイトに京都府下でクロセセリが土着しているとの記述があったので、早速「連れて
って」とメールしたところ、「9月中下旬が適期なので、本日はウラナミジャノメ、クロヒカゲモドキのフ
ィールドに行きませんか」というお誘いがあり、勿論快諾。最寄駅で待ち合わせをし、M氏の車に同乗させ
ていただき、まずはウラナミポイントに9時前に到着。大阪府のポイントは先週も行ったが、このポイント
は初めてである。さすがに環境は大阪府のポイントと似通っていたが、こちらの方がはるかに蝶影は濃く、
先週撮影出来なかった表翅も撮影に成功し大満足であった。次にモドキポイントに行く。若干時期は遅いが
♀個体ならかすかな可能性はあるということであった。着いてすぐ、クロヒカゲモドキの♂個体を発見。念
のためM氏に確認していただくと、間違いないという返事。興奮を覚えたが、AB型の特性上、冷静を装い
20カット程撮影する。この時期にしては比較的新鮮な個体であったので再び大満足。車中いろいろと蝶談
義並びに仕事の話等をする。比較的人見知りする私であるが、共通の趣味を持つ方とはざっくばらんに何で
も話を出来るのは不思議である。京都府南部もなかなか面白いフィールドである。本日の目撃種は、キアゲ
ハ、カラスアゲハ、モンキアゲハ、キチョウ、スジグロシロチョウ、ツマグロヒョウモン、アカタテハ、ヒ
メアカタテハ、キタテハ、ウラナミジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、クロコノマチョウ、ナミヒカゲ、ク
ロヒカゲ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ、キマダラセセリ、テングチョウであった。
 
(8月31日)くもり後晴れ
本日は昼から用事があるのでフィールドには出られない。いつものように庭の探索。ナミアゲハ、ヤマトシ
ジミ、ツマグロヒョウモン、ウラギンシジミ、ルリタテハを見る。最後の2種は自宅では初めて見る種類で
ある。いつかバタフライガーデンを作ろうと、クヌギ、エノキ、カンアオイ、キンカン、パンジー等は植え
ているが、この2種の食草はないんだけどなあ。それと8月15日に見つけたナミアゲハの幼虫は影も形も
なかった。やはり自然界で生き延びるのは大変である。本日は日記を書く予定はなかったのだが、用事を済
ませて最寄駅に着いたのが午後9時。川付近の欄干に何気なく目をやると、大型の蝶が静止していた。暗い
のでクロコノマチョウかウスイロコノマチョウか判断がつかない。さすがにデジカメは持っていなかったの
で不本意ながら優しく採集(勿論生きたままですよ)し自宅に持ち帰ることにする。ラッキーなことにウス
イロコノマチョウの方であった。自室で放蝶し、静止したところを撮影する。2年前の私なら、沖縄産以外
は標本を所有していないので100%展翅していただろうが、撮影派の私はすぐにリリースする。翅がボロ
かったのも要因ではあるが?昨日ご一緒だったM氏の日記にも書かれていたと思うが、関西地方も亜熱帯化
しているのではないだろうか?