背景ショートストーリー(なんか作ってた・・・中身はオイラらしくない^^;)
 
合宿なんてつまらない物だと思っていた。
でも彼女に会って、そんな考えなど吹き飛ばされてしまった。 
 
 息を弾ませて走るあかねが急に立ち止まった。
「どうした?足でもくじいたか。」
 少しはなれたところまで慣性で走りぬけ、振り返える。
「へへ〜っ、いいもの見つけちゃった。」
「また〜!?まったくおまえときたら・・・・・・はぁ〜。で、今度は何見つけたんだ?」
 感性が豊かと言うか、気が散りやすいと言うか。そのくせてんで鈍いし。
 まったく、羨ましくなるくらいの明るさに、俺は今日何度目かのため息と苦笑をもらした。
「こっちこっち〜。ここからだとすごく綺麗に見えるから!」
 少しの興味と大きな期待を持ち、傾斜の付いたわき道をどんどん下りて行く姿を追いかけた。
「ねっ!綺麗でしょ〜。なかなかこんな景色にはお目にかかれないよ。」
 その瞬間、ぐっと心臓を鷲掴みにされた。きりきりと心地良い痛みが走り抜ける。
 眼には、赤く染まる自然やきらめく水辺でもなく、夕焼け色の光の中で振り返る彼女だけが映っていた。
「あ・・・ああ、綺麗だな。」
「こういうの何色って言うか知ってる?」
「おまえらしいきれいな茜色」
 俺の即答に満面の笑みを浮かべてこう言った。
「ありがと♪」
 鈍いんだか鋭いんだか。


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