はじめまして。偶然検索ヒットで赤松論を読んでしまった通りすがりの者です。 先にことわっておきますが、自分は拳児の熱狂的な読者です。 一部偏った見方の内容かもしれませんがご容赦ください。 もしかするとご存知かもしれませんが、実は拳児は連載終了前3回目あたりで編集長 交代による方針の変更(劇画調漫画の削減)のせいで急遽話をまとめなければいけな くなった経緯があり、当初の予定通りに連載が継続していれば違った結末になってい た可能性があります。 話の収集をつけるために苦慮した原作者が、当時感銘を受けていた西洋哲学をシメの 文章に持ってきたそうです。また、なんでも予定では中国編のあとにアメリカ編も構 想していたとか・・・。 周知のとおり、拳児の内容は原作者の体験談そのです。 もし拳児=松田氏とすれば、松田氏自身に師匠のモデルとなった方々に対しての畏敬 の念があるために、最初から拳児が師匠を乗り越える段階まで行かせるつもりがあっ たのかどうかは疑問が残ります。 氏自身も今でこそ「師にどれだけ近づけるか」という意を持たれてはいますが、実際 怒涛のようにあらゆる拳法を駆け巡ったために収集がつかなくなっていた時期があっ たようです。現在では八極拳と心意六合拳に絞って練習されているようで、最近その 二つの境目が無くなってきたとおっしゃられています。(『月刊秘伝』05年12月号) 自分をモデルとしている以上、氏にあれ以上のものは書けなかったわけで、もとより 原作に関しては素人だったために、愚直なほど現在の自分の状態をそのまま書かれて しまったのではないかと思っています。 よって十数年の時を経て、やっとリアルに拳児の物語が収束に至りつつあるわけで、 もしかするともう一度松田氏が筆を取られることがあるならば、とてもいい形の結末 が見れるかもしれません。