ローリング・ストーンズ!2003年3月にまたまたやって来てくれました。その後ワールドツアーもSARS騒動などで少し変更があったようですが、順調にスケジュールも消化し、終わりました。

私が彼らのライブを初めて見たのは、1990年の初来日の時でした。この年は東京ドームでの公演しかなく、とにかく東京まで行かねばなりません。それに、待ちに待った初来日ということですから、電話予約でチケットが取れるかどうか、というのがもっと問題です。私は上さんに頼み込んで、朝から延々と電話してもらいました。朝10時受付開始で、つながったのが、2時近くだったそうです。一応S席が取れたのです!(残念ながらチケットがどこかへいってしまって、今はもう無い!)そして一番の問題は、その日に休みが取れるかどうか、ということです。その当時、私は大津市内のある病院に勤めておりました。そこでは常勤の産婦人科医が私を含め二人居ました。相棒というのは私の親友でもあるのですが、立場は私の上司ということになっていましたので、法事があるということで休みにしてもらいました。まさか、ストーンズのコンサートで東京まで行く、と言うわけにも行きませんでしたから。ところがです、その1週間位前になって、突然彼が、『事情があって、実家に帰らなければいけない。』と言いだしたのでありました。何と言うことでありましょう。その当時は、もう、次の来日は無いだろう、と思っていましたので、必死に代わりの医師を捜したのでした。結局当時の母校の病棟医長に頼み込んで、当直をしてもらうことができました。
当日はもう、どきどきであります。グランド・ファンク・レイルロードのコンサート以来の水道橋の駅であります。すごい人でした。5万人も集まるわけですから当然です。ダフ屋のおじさんも、やっぱりたくさん来ていました。『アリーナ席20万だよ、アリーナ席20万で、あるよ!』その時20万は持ち合わせが無かった!あったら買っていたかも。
しかしまあ、S席というのに、3階席の上から10番目くらいでした。売り出された席のほとんど全部がS席ということ?でも、とにかく生のストーンズの初体験ですから、メンバーの登場の途端から、涙、涙でありました。でも、ステージまで遠いことといったら。ステージ上に居るのがストーンズではなくて、もし、いかりや長介とドリフターズだったとしても分からなかったくらいです。特大の双眼鏡でやっとミック、キース、ビル、チャーリー、ロンだとは分かりましたが。オペラグラスじゃとても確認できそうもありません。それに音もずれるのですよ。おそらくステージから音が耳にたどり着くまでに0.3秒位はかかっていると思われます。音速は確か1秒間に約340mですから、センター位の位置から、バックネット裏の3階席までは100mほど有るのでは無いでしょうか?そうすると0.3秒位の数字になります。実際にステージ上でのキースやロン、ビルの手の動きよりは耳に感ずる音が微妙にずれるのです。これは結構妙な感覚です。現場にいて、生のストーンズのステージを見ているというのに姿はステージ上の大プロジェクターか双眼鏡の中でしか見えず、音も微妙にずれているとなれば、今体験している事がなんだか現実味に乏しいような感じになってしまうのです。まるで、テレビで【ライブ映像】と言うテロップが書かれた、衛星中継画像を見ている錯覚に陥りそうでした。コンサートの最初の30分間は感激で夢中でしたが、冷静になるとそんな感じでもありました。
ともかくも、至福のの時でありましたなあ。中学に入った頃から聞き始めた、ストーンズを25年たって、やっと生で経験出来たのですから。出きれば、ブライアン・ジョーンズやミック・テイラーがメンバーだった頃のライブも見たかった。もっと言えば、60年代のマーキーで体験したかった。
思えば、浪人中、73年のことです。一度はストーンズの来日が決まったのでした。チケット発売日には早く起きて、もちろん予備校に向かわず、渋谷東急に向かったのです。しかし、山手線渋谷駅に降り立って、びっくり、もうすでに駅から東急まで4列以上の長蛇の列!なんと言うことか。聞けばもう三日も前から並んでいるやつがいたとか。私は諦めて帰ったのでした。この後、突然の来日中止!ああ、この時のライブを見たかった。私も若かったけど、彼らも若かった。きっと興奮したことでありましょう。残念、残念。

1990年ミック・ジャガーの来日が有りました。このころはミックもキースもソロアルバムを出すし、ストーンズとしてのアルバムはちっとも出ないし・・・、と言うことで、本当に解散してしまうかもしれないし、ストーンズの来日もこれで永遠に不可能か?なんて言う気分でした。そこへ急にミックの来日公演ですから、こりゃとにかく、ミックだけでも見とかなきゃ、一生彼らの生の姿は見れないと言うことで、行きました!
良かったですねえ。ソロアルバムからの曲もやっていましたが、むしろストーンズの曲が多かったくらいでした。しかしやっぱり、ストーンズファンとしては、擬似ストーンズ体験でした。歌っているのはミックでは有りますが、バックはやはりストーンズでは有りません。やっぱり物足りないんですよね。でも生のミックが見れたなんて言うのは、当時としてはもう夢のようでは有りました。確か、翌日の公演はミックのインフルエンザで中止になった訳ですから、幸運でもありました。その後こんなに何回もストーンズとして来日するようになるなんて思いも寄りませんでした。


2003年のライブ。今回は大阪ドーム。これも仕事中にこっそりと、電話予約。運良くチケットが手に入ったのです。席も左の端でしたが、結構前の方で、ステージがよく見えました。端までミックが走って来れば、双眼鏡無しでも、はっきりと見えました!ビルは居なくなってしまったけれど、いいライブでした。みんな還暦と言うのに元気だし、ロックしていた。適当に我々古くからのファンのノスタルジーも満足させてくれたし、新曲も含めて若々しく、かっこよく、十分意欲的であったし、大満足でした。こっそりMDに録音も出来たしね。
(04.02.29)