祭神
生魂【いくむすび】
大宮能御膳神【おおみやのめみけつのかみ】




●烏帽子石【えぼしいし】
稲蔵寺の東北500mのところ、矢田丘陵の麓に稲蔵の森があります。この稲蔵の森は、神話に記されているいかるが三十六峯の一つで、この森の境内にある烏帽子石【えぼしいし】が磐座【いわくら】、つまり神の鎮座するところなのです。
 大昔、天照大神の御孫、饒速日命【にぎはやびのみこと】(瓊々枡尊【ににぎのみこと】の兄君)が、大神より授かった十種の神宝を奉じて、天の磐船【いわふね】にのり、河内哮ヶ峰【たけるみね】(磐船山)に天降りになった際命とともに天降りになった生魂、大宮能御膳神の二柱の神がこの烏帽子石に宿られたのであります。
 生魂の神様は生命の神様であり、大宮能御膳神は、五穀豊穣の神様であります。この二柱の神様はその霊験が極めてあらたかで、古くから稲蔵大神、稲蔵明神、稲蔵大明神と尊称せられて多くの人々に信仰されてきました。このようにして、稲蔵明神は、小明村の鎮守として、稲蔵寺の鎮守としてまつられるようになり、稲蔵寺の奥の院ともよばれています。
 稲蔵明神は、古くは武運長久、(平和)、病気平癒(命を守る)の神として、近くは、五穀豊穣、商売繁盛、の神として、また今は学問成就、交通安全の神として多くの人々に尊崇され、現世利益の神として霊験あらたかで参拝人があとをたちません。
 老樹がおい茂る長さ30m、横24mの稲蔵の森の境内には、行場の滝、烏帽子石(高さ6m、まわり12mの花崗岩)、本殿、拝殿、社務所などのほかに、行者、白川大明神、七森姫、伏見稲荷などの神々が、誠友会、蔵満溝などの溝社を中心に奉祀されて、多くのおやしろがあります。



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