―夕立―
「……ブラッド、待ってぇ〜!!」
ベルは、冷たい水を含んでベッタリと体にくっ付く重い服を意識しながら、少し先を行く、ブラッドに声をかける。
「ベル!!大丈夫か!?」
同じくビッショリと濡れたブラッドは、足をよたつかせるベルを心配した。…止まっている間にも二人を打つ雨は強まり、雷も鳴り響く。その度にベルは体をびくつかせた。
「地面が滑りやすくなってるから気をつけないと…」
そう、ブラッドとベルは買いだしに出掛け、その帰りに、二人は、山の中で夕立にあってしまったのだ。…出掛ける時は、真っ青な空だったというのに今はなんともどす黒い雲が山全体を覆っていた。最初は木の下に二人で雨宿りしていたものの、激しくなる雨と時間が経つ事によって周りは暗くなってきて、このままでは家に帰れずに山の中を迷ってしまうので、二人は急いで家に帰っているのだ。…それもあと、もう少しの道のり。
「…あと、もう少しだ。頑張れるか?」
冷たくなったベルの頬を撫でて聞いた。ベルの瞳には、雷への恐怖で涙が溜まっていたが、
「……うん!!」
と、ブラッドの優しい瞳に勇気ずけられて頬に添えられたブラッドの手を握り、そのまま家へと全速力で走り出した。
「……う〜〜。」
ベルは、唸りながら服を玄関で脱ぐ。なかなか上手く脱げないが、お風呂を溜めに行っているブラッドが帰ってくるまでに脱ごうと必死に頑張る。…ポタポタと雫が落ちて、髪も服も何もかもが絞ったらどれだけの水が出るのだろうか…??と思えるほどである。
「ベル…」
全部服を脱いで腰にタオルをまいたブラッドが帰ってきて、柔らかいバスタオルを渡してくれる。ベルが、それで簡単に体を拭っているとまだ、半ズボンを脱いでいなかったのでブラッドがそれに手を掛けた
「―えっ?!」
「全部脱がないと風邪を引く…」
グイッと一気に下着まで下ろされたベルは、声にならない悲鳴を上げて顔を真赤にしながら、とっさにタオルでそこを隠した。――いっ、いくらなんでも、恥ずかしいよぉ!!しかも、玄関だし!!…なんて、ベルが思いっきり焦っている事を知ってか知らずか、ブラッドは、べルの額に口付け、優しい声で
「…一緒に風呂に入ろう…」
と言いました。