ービールに乾杯?!ー
…ゴクッ…ゴク……そんな風に喉を鳴らして飲む、冷たいビールは、暑い夏だと格別に美味い。しかも、風呂上がりの火照った体には、堪らないものだ。まぁ、「プハァ―!!」なんて事は、龍哉はしないけれど…
「…ビールって、そんなに美味しい??」
小首を傾げて聞く澪は、興味津々で聞いた。澪は、ビールを飲んだことがないらしい。(←なぜ、「らしい」なのかというと、澪は酒を飲むと記憶が綺麗サッパリ飛び、酒を飲んだこと自体も忘れているから、本人に聞いても結局、本当の事は分からないのだ。)
「ああ、美味いよ。」
苦笑い気味に答えると、
「ふ〜ん、そうなんだ。…じゃ、一口、頂戴?」
上目ずかいに「良い??」と聞いてくる。龍哉は、少し考えたが今回は、家だし、他に誰も居ない上に宮田に飲まされる訳でも無いし…とグラスを澪に渡した。澪は、少し濃い色のビールをジッと見た後、ペロリッ…と泡だけを味わってみた。すると
「…っ…苦っが〜。」
と舌を出して、まるで渋いものを飲んだ時のような顔をして見せる。龍哉はそんな澪にクスクス笑って、澪からグラスを取り上げると
「澪には、まだ、早いんだな。」
と言った。澪は、ウ〜…とちょっと納得いかなさそうな顔をして、缶をガシッと掴むと勢い良く―ゴクゴクゴク!!と飲んでしまった。
「れ、澪っ!!」
龍哉は慌てて澪を制したが、時遅く、もう缶は空っぽだった。
「俺にだって飲める!!…友達なんて、中学の時から飲んでたんだから!!」
澪には珍しく、拗ねたかのようにプン!!とそっぽを向いてしまった。
「澪……??」
もしかして、もう酔ったのだろうか??と龍哉は不安で仕方ない。缶に残っていたビールは、半分も無かったはずだから…4口飲めたかどうかだろう…。…まさか、それだけで酔うわけ無いよな…?と思っていると
「……眠…」
といきなり、龍哉のあぐらをかいていた膝を枕にしてコテンと眠ってしまった。
「………」
……澪には、酔うには充分な量だったようだ。澪は、すぐにスース―と気持ち良さそうに寝息を立て始めた。龍哉は、苦笑いすると澪を起こさないように抱え上げ、寝室へと運んだ。