―バレンタイン―
「急にどうしたの??お姉ちゃん?」
ベルは、いきなり家にやって来た姉に首を傾げながら聞いた。
「急にって…ベル、私が来たのがそんなに嫌なの??」
わざとらしく目を手の平で隠し、泣き真似をする。しかし、そんな姉にすっかり騙されてしまうのがベルなのである。
「えっ?!ち・違うよォ!!そういうんじゃなくって…!!」
予想どうりにベルは、焦り、パニックになり、それこそ泣きそうな顔で説明をしようとする。姉は、指の間からその姿をみて機嫌を良くするとまたまた、意地悪な事を言い出す。
「だって、ベル、最近、家に帰ってきてくれないし、電話だってかけてくれないじゃないの…」
「―!!僕、そんなつもりじゃ……ゴ・ゴメンナサイ…」
涙目になり、あと、もう一押しで本格的に泣いてしまいそうなベルに
「良いのよ……それよりもベルの恋人は、今いないんでしょうね??」
けろりとした顔を見せてまったく、関連のない事を聞き出す。そんな姉に戸惑いながらも心優しく、人を疑う事を知らないベルは、答えてしまう。
「えっ、うん!!今日は、山で薬草を取ってくるんだって言ってたけど…??」
「そう、なら丁度良いわ。…ベル、今日は、何の日??」
「ふぇ??……えっと…」
うーん*2、……なんだっけ??…何もないんじゃ???
首を傾け、う〜んと何度も唸りながら必至に考えているベルに「ヒントは、これよ」と紙袋に入ったものを渡した。その袋に入っていたものは、―チョコレート!!!
「―ああっ!!もしかして!!」
「やっと分かった??ベル、町に来ないからきっと、買ってないと思って、買ってきたのよ。」
にこっと、優しい顔で頬笑む姉にじ〜んと感動するベル。ベルがお礼を言うと
「じゃ、チョコを作るときに絶対に裸にエプロンにするのよ!!」
と言い残してさっさと、家に帰って行ってしまいました。