「…さっ…兄ち…ん…」
「…擢君……っ…」
「…も…ぅっ…苦しっ…」
柔らかな絨毯に頬を伝って涙が染み込んでいくのが分かって、止めたくて咲兄ちゃんに許しを乞う。自分の知らない中が一杯で苦しくて。熱くて大きな物に満杯にされた場所が怖くて仕方ない。でも、咲兄ちゃんは一つ息を零すと汗の滲んだ顔を見惚れてしまいそうな程、色気のある笑みにしてこう言ったんだ。
「駄目だよ……あとちょっと…頑張って…っ…」
「……ぅっ……あぁっ!」
足を抱え上げられてグッとさらに深く自分の中を探るようにされて悲鳴のような声が押さえられなかった。そのあと、咲兄ちゃんは首筋に痛いくらいキスをして…ぎゅっときつく俺を抱きしめた。
ぼうっとして上手く動かない頭と力の出ない腕。俺はそれを精一杯、動かして咲兄ちゃんを抱きしめ返したんだ。そうしたら、咲兄ちゃんは本当に嬉しそうな顔をして
「……大好きだよ…擢君…」
って何度も何度も言ってくれた。俺は、その言葉と俺の涙を何度となく受け止めてくれる優しい唇を意識を失うその時まで確かに感じていたんだ。
「……うぅ〜…」
「……ごめんね、擢君。上手くセーブ出来なかった」
俺をベッドに運んで体を綺麗にしてくれたらしい咲兄ちゃんは、俺が意識を取り戻すとそう言って腰を緩く摩った。……そうだよ。する時は怖いし緊張もするし恥ずかしいし。でも、俺は例えこんなふうになっても嫌なんかじゃない。それは嘘じゃない。
……でも、しんどさが全くなくて幸せそうな顔をされるのは俺が何にも仕返し出来ないようで、なんだか悔しくて
「……年取ったら俺が勝つ……」
と枕に呟くのも忘れなかったさ。
「……咲兄ちゃん……」
「……ん?」
俺は一息いれて、小さい声だったけれど
「……ら、来年は一緒にホテルに行こう……」
といった。咲兄ちゃんはそれに俺の大好きな笑顔で
「……もちろん…」
と言ってくれたんだ。