―アカイロ―
「…ディ―ク!!ディーク!!」
どこへ行っていたのか扉を開けてパタパタと私の方にルイが走ってきた。
「何ですか??」
ニッコリと微笑みながら聞き返すと頬をほんの少し赤くさせ、興奮した面持ちで
「あのさ!これこれ!!」
と言って出された本は……『ビバッ!!人間界の歴史・12月編』であった。
「…?…これは??」
こんな本をどこで見つけたのだろうか??と訝しげにしていると城の中にある図書館で見つけたとのこと。…私の物のはずだが全く覚えがない。きっと読みもせずにそこらへんに放って置いた1冊なのだろうが…。
「この本がなにか??」
「このページ!!」
パッと開らかれたページには、ややふくやかな体型の老人が長く白い髭を蓄え、赤い服を着ていた。(ついでにトナカイも横に描かれていたが)ルイは、その老人を指差し、
「この人の服をね、ディークに着て欲しいんだ!!」
大きな瞳をキラキラと光らせてお願いされた。だが、私は意図が掴めず
「……はっ?」
と聞き返してしまった。…ルイは私にサンタクロースの真似をさせて、欲しいの物でも持ってこさせるつもりだろうか??と思ったが
「小さい頃に知らない人なんだけど、この服を着て天界のパーティに来てた事があったんだ。他にも綺麗な服がたくさんあったんだけど、この服が一番印象に残ってて……駄目…かな??」
不安げに見上げられて、私は苦笑いを零し
「…そういうことなら良いですよ。」
とルイの髪を撫でて微笑んだ。すると、ルイは、嬉しそうに笑った。…がっ!!
「もちろん…私の頼みも聞いて下さいますよね?」
と言うと、笑っていたのが引きつり、私の腕の中から逃げようとした。(…もちろん、私が逃がすはずはありませんけど( ̄ー ̄)ニヤリ)
「大丈夫。無理なことではありません。私がルイに着て欲しい服をクリスマスに用意しますからルイはそれを着て下さったら良いんです。…簡単なお願いでしょう??」
ねっ??とルイに優しく問い掛けるとルイも安心したようにコクンと一度、頷いた。
「嘘つき〜〜〜!!」
「おやおや…。心外ですね〜。私は嘘などついていませんよ??」
クスクスと笑いながら、体をシーツに包ませてこちらを睨むルイの横に座る。クリスマス当日、私が用意した服をルイに見せると、ルイは全身を羞恥と怒りで真赤にさせて嫌だと言ってきた。まぁ、かなり抵抗するものだから私もついつい面白がって”身体”にものをいわせて無理やり着せてしまった。(コトの後に着せられたので、その時はぐったりしていたが今は、回復して文句を言っている最中である)
「ほら…出てきて下さいよ。よく似合っていますよ?」
「―ッ!!に・似合いたくなんてない〜〜!!」
キッと目を鋭くしてこちらを見るルイの瞳には、すでに大粒の涙が浮き上っている。
「私もちゃんとサンタの格好をしているんですよ??ルイも私にもっと見せて下さらなくては…。」
「ウッ…」
――で・でも!!サンタクロースの格好なら良いじゃないか!!ディークはなんでも似合うし、カッコイイんだから。でもさ、僕の格好なんて…。・゚゚・(>_<)・゚゚・。
「絶対、嫌〜〜〜!!」
ますます、蹲ってシーツの中に引きこもってしまう。…ディークはルイのそんな様子に深く溜息をつくと
「仕方がありませんね……」
と落ち込んだように声を落とすと
「ちょっと、強引かも知れませんが…すぐに自分から見せたくなるようにして上げますよ」
と、それはそれは、楽しそうに微笑んだのだった。
注:『ビバッ!!人間界の歴史・12月編』なんて本はありません。あったとしても全く関係ないのであしからず(笑)しかし、ディークの趣味って…。