―43500ヒット、リクエスト品―
山から町へと降りる道。そこは二人だけに用意されたデートコース。
「…久しぶりだよね〜、一緒にお買い物なんて」
ベルは、少し照れたように俺と手を結んだ。…人前ではさすがに恥ずかしいのか結んでくる事はないけれど、二人でいる時はいつもこうやって甘えてくる。
「あのね、帰ったらお菓子、一緒に作ってくれる??」
「…ああ…」
俺が答えると嬉しそうにニコっと微笑んだ。……そんな甘〜い空気を周りに漂わせながら、二人は町へと歩を進めて行ったのである。
「あっ!ねっ、ブラッド!!あっちにクレープがある〜〜!!」
本当に一つの所に留まるという事を知らないベルは何かを見つけては走り寄って行く。…クレープ屋にベルが向った今も俺が後から着いて行くような形だったんだが……なんだか様子が…??
「名前はなんて言うの?教えてくれたらサービスしちゃうよ?」
にっこり笑った金茶色のキツネサンは、僕の頼んだ苺クリームのクレープを焼きながら聞いてきた。
「……ベル…だけど…?」
…名前なんかでみんなにサービスしてたら赤字なんじゃないのかな?あっ、でも!お客サンと仲良くしたらみんなが何度も買いに来てくれたりするのかな〜〜??…なんて思っていると…
「ベルかぁ〜〜。可愛いね。どこに住んでるの??」
「…エッ?!…」
…う〜ん……僕ってブラッドの家に住んでるから…どこっていわれても上手く説明できないよ〜〜?!……僕がちょっと悩んでから
「……あっちの山の中に住んでるよ?」
山の方向を指差しながら言うと
「あの山に〜〜??えらく不便なトコに住んでるんだな〜??」
キツネサンは、ちょっと眉を眇めたかと思うと
「俺、リューっていうんだ。最近、引っ越してきたんだ〜。ヨロシクな!」
「うん!!よろしくね!!」
にこにことお互いに微笑みながらいると後からブラッドがやってきた。
「……ベル?どうかしたか??」
「ううん?あのね、この人、リューっていうんだって!さっき、友達になったんだよ♪」
「………」
チラリとブラッドとリューがお互いの顔を無言で見たかと思うと先にリューが口を開いた。
「…ベル?この人は??兄弟なわけないよな〜〜?」
オオカミにウサギ。なんとも奇妙な組み合わせだとリューの瞳は、ブラッドを値踏みするように足から髪先まで見上げた(自分がキツネである事はこの際、横に置いといて)……あまりにも露骨な敵対心にブラッドも目を細め、少し身長の低いリューを見下ろした。…その瞬間、二人の間にバチバチと火花が舞おうとした……がっ!こんな二人の空気なんてそっちのけ。ま〜ったく、気付かないベルちゃんは
「ブラッドって言ってね…僕の…その…恋人なの〜!」
頬を染め、照れ笑いを見せながらブラッドの服を指で少し引っ張っちゃったりなんかしたから…
――ゴクッ!!なんて音が二人から聞こえちゃったりする。
「……ベル…」
「うん??」
まだ、照れて頬が赤いベルは、ブラッドのちょぴり熱を帯びた手で自分の手を握り締められ??と頭を捻った。
「……これが代金だ。……ベル、帰ろう」
「えっ?う、うん!…リュー、バイバイ〜〜!」
半ば強引にブラッドに引っ張られ、家の方向へと歩き出すベル。その反対の手にはおいしそうに作られた苺クレープがあるんだけど……ブラッドが早過ぎて、食べれないよ〜〜!!(T-T)