ドサッとソファに倒されて、僕は、どうしたら良いのか迷っていると

「俺…ほんとは、もっと、光輝さんの事、前から知ってた。だから、後ろにいたのは、偶然なんかじゃなくて、ずっと、声をかける機会を待ってたんだ。」

「え?」

「…俺、光輝さんの事好きだよ。恋人になりたい!!」

「!?」

なにか、柔らかく暖かいものが唇に触れた。そう思った瞬間にぬるっとしたものが、口の中に入った。僕は、それが舌である事に気付くまでに時間がかかった。

僕は、グイッと、悠の体を押しのけた。

「っ!!何を…。」

「・・・本当だよ?前に光輝さんが、俺の顔に触ってくれた時、凄く嬉しくて、どうしても、言いたくなったけど、知らない奴に言われたって、光輝さん、絶対、振り向いてくれないって思ったから言わなかったけど…。」

「それは…。」

僕は、絶句した。その通りだったから。でも、悠が、俺の事をそんな風に思っていたとは、全く思わなかった。いや、考えてなかったと言ったほうが良い。

「今、好きな人がいないなら、俺と付き合ってよ。・・・光輝さんが、男がダメなんだったら気持ち悪いだろうけど、一回だけで良いから、ちゃんと考えてみてよ。俺、そうでないと、諦められないから。」

「・・・・・・」

悠が本気で言っている事は、顔が見えなくても張りつめている空気で分かった。…男に告白されたのは、初めてで、迷ってはいるが、僕は、不思議な事に悠とのキスを気持ち悪い…嫌だとは、思わなった。それうえ、強い言葉とは裏腹に離した唇が少し震えていたのをいとおしく思えた。

「悠…。あなたは、僕の何処が好きなんです?僕は、目が見えない。好きになっても、同じ物を見る事も出来ませんよ?あなたの顔でさえ見れないんです。きっと、あなたに迷惑…負担をかけます。」

「そんなの…。いいよ!!光輝さんが見えない分、俺が見る。光輝さんだったら、負担でもなんでもかけて良いよ。だから、俺を一緒にいさせてよ。どんな事が合っても、絶対、俺は、離れたりなんかしないから。」

「悠・・・。」

「本当に好きなんだ。・・・俺だって、男を好きになったなんて初めは、信じられなかったし、諦めようとしたよ?でも、出来なかったんだ。どうしても、光輝さんの事を考えちゃうんだ。・・・俺、もう、どうしたら良いかわんないよ。」

消えてしまいそうな声で、悠は、言った。僕は、悠の告白を聞いていて、心がどう言って良いのか…暖かくなると言うのか、幸せな気持ちになった。…どうやら、僕は、悠をすでに好きになっていたようだ。さっき、胸がうずいたのもその所為なのだと、今更ながら気付いた.・・・なんて、自分は、鈍い人間になってしまったのだろうと苦笑いをこぼした.

「…悠。僕は、目の面倒も見てもらう事も、もちろんですが、本来、僕は、我侭で、独占欲が人一倍凄いんです.一度、僕のものになったなら、何があろうと、逃がしてはあげません。・・・それでも良いですか?」

「えっ!!それじゃあ・・・!!」

「あなたの熱烈な告白を聞いてなびかない訳がないでしょう?」

本当は、聞く前からなんだけどな…と意地悪げに微笑む顔の下で呟やいた。

「うれしい!!…よかったぁ!!」

ぎゅっと、悠が、僕の背中に腕を回し、胸に顔を埋めながら言った.その声は、嬉しさと安堵の混じった溜息のように聞こえた。僕は、今まで知らなかった細く華奢な腰、小さな肩を強く抱きしめた。柔らかく、ふわふわする猫っな髪からは、甘く優しい匂いがして、愛おしさが込み上げてくる.

「…光輝さん…」

すっと僕の頬に悠の手が触れ、覚えのある柔らかいものが唇に触れた.僕は、今度は、自分から舌を入れて、悠のすべてを知らべるかのように深く、長い時間をかけてその時を過ごした。


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