―スキなコト―

 

 

 

「…澪…おいで…」

「え??」

俺はいきなりの事に驚いた。だって、俺は風呂から上がってすぐだったし、喉が乾いてお茶を飲んでる真っ最中だったから。でも…

「髪…濡れたままだろ?…乾かしてやるよ…」

ソファに座ったままでゆったりと柔らかく微笑む龍也は、おいでおいでと手を軽く振った。…俺はなんだか照れくさかったけれど、言われるまま龍也の元へと行った。

「髪、伸びたな…」

龍也の男らしい指が髪に絡まる。そして、ほんの少しだけ耳元をくすぐるように触れさせた。

「……っ…」

ほんのりと熱かった体温があの時を思い出してもっと熱くなる。

「ドライヤー…持ってこないと…」

「…ん?…そうだな…」

にこっと優しく微笑みながら…それでも髪を触る手を離さない。

「…龍也…」

「…ん?」

変わらずに優しく微笑んでいる龍也。…じんわりと目の前が滲んでいくのは嫌なわけでも…何かが悲しいわけでもない。

「龍也…っ…」

堪らなくなって龍也の名前を呼んだ。すると、一層、優しく笑った龍也は、長い腕を広げて

「…おいで…」

と俺の大好きな低くて甘い…男らしい声で俺を誘った。

 

 

「…ふっ……ぁっ…」

器用に動く指先に着たばかりのパジャマを脱がされながら喘ぐ。

「…龍也ぁ…っ…」

「…何?…」

欲情を隠さずに見詰められて、体の芯がゾクリと震えた。

「…ここっ…で?」

煌々と照らされる電気の光が恥ずかしくてそう言ったら…龍也は…

「今さら…だろ?」

クスっと音を立てずに笑われて何も言えなくなる。…そりゃ、今まで数えられなくなるくらい体も重ねたし…お風呂だって入ったこともある。それでも…何度、繋がろうと恥ずかしいものは恥ずかしい…。

「…それに…澪を見たい…」

耳朶に沿うかのように触れさせていた龍也の唇から囁かれた台詞に…全身が熱くなった。

「…澪…」

「―あっ…っ!」

胸をキュっと抓るみたいに触った後、今度は撫でるように甘く舌で愛撫される。

チュッとまるでそこにキスするかのようにされると喉の奥から声が止められなくて困る。

「澪…どうして欲しい?」

顔を胸から上げた龍也は、そう言って俺の首筋に顔を埋めた。…いつものようにキツク肌を吸われて身を震わせる。

「…ぁあっ!…やっ…」

俺は溜めていた涙を目尻に流しながら、翻弄される。それを龍也は唇で受け止めてもう一度俺に聞く。

「どうして欲しい?」

そんな言葉すら…優しい微笑みと共に言われて…なんだか甘やかされてるみたいでくすぐったい。

「……龍也も…っ…」

もう、力のあまり出ない手を龍也のパジャマに掛けて、軽く引っ張る。すると、龍也はほんの少しだけ驚いたように目を開き…すぐに嬉しそうに、鮮やかに微笑んでくれた。

「澪…愛してるよ…」

服を脱ぎ捨て、優しく抱きしめてくれながら龍也は俺にそう言ってくれた。

「…俺も…好き…大好きっ…」

顔を龍也の首筋に埋めて、龍也の匂いを吸う。目を閉じて…鼻を寄せて感じる龍也の匂いは男っぽくて包まれるような安心感があって好きだ。…今はお風呂上りだから、いつもつけているコロンの匂いはしなかったけれど龍也と俺が使っているボディーソープの香りがしてなんだか嬉しかった。

龍也は俺を抱き上げて自分の足の上に迎え合わせに座らせた。

「…た…つやぁ…」

やんわりと握られて刺激される証をどうにかしてほしくて声を上げた。

「…大丈夫……気持ち良くしてあげるよ…」

チュっと音を立てて唇にキスをした後、深く口付けられて苦しくなる。けれど、激しくなった手淫に我慢が出来なくなって口付けられたまま吐精した。…息が荒くなった俺の顔中にキスを降らせながらきつく抱きしめてくれる。

「…澪…良いか?」

濡れた指を秘所に触れさせて中を探られる。痺れるような…もどかしい気持ちになった俺は、龍也の首に両腕を絡めて強請った。

「……早く…欲し、いっ――あっ!!」

一気に満たされる感覚が心まで熱くする。もっともっと信じられないほど熱くして…これが最大限だって思うのに次の瞬間にはもっと熱を高くされる。

嬉しくて…幸せで…堪らない。

「…あぅ…っ…あっ…ぁっ!…」

揺すられる度に上がる声と繋がった場所から聞こえる淫らな音を部屋に響かせながら、龍也と俺は溺れていたった。

 

 

「………」

ソファの上でまだ繋がったままの姿で横たわる。重なった体がまだ熱くて心地よい余韻が全てを満たす。

「…また…お風呂…入らないと…」

「…ああ…」

クスクスと二人で微笑む。それが本当に幸せで。甘くて甘くて…けれど、ずっと感じていたい幸せな気持ち。

「…今度は一緒に…」

龍也の腕に抱き上げられるとほっこりと心が優しくなる。嬉しくて俺は龍也の耳にこう囁いた。

 

「大好き…愛してる…」


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お題は「甘々」でした。…皆様…そう感じて頂けたでしょうか?気に入って頂けると嬉しいのですが…。

…私は書きながらも結構、照れてしまったというか…お腹一杯です。…という感じです(汗)

…長くお待たせしてしまった事、深くお詫び申し上げます。これからもどうかよろしくお願い致します☆