―当日―

 

…ピンポーン

11時を少し回ったときにチャイムが鳴った.

「いらっしゃい」

扉を俺が開け、近くに澪がたって迎えた.

「よう、そんじゃまぁ、紹介するわ.俺は、宮田彰。よろしく。それと…」

「菱谷有希です。はじめまして.」

「こちらこそ.如月龍哉です。そして…」

「森江澪です.よろしくお願いします.」

ひと通り、紹介し、少しリビングで話したあと、菱谷さんと、澪は、料理をしに行った.

 

―「澪って子、本当に美人なんだな.」

「ああ。でも、菱谷さんも美人だな。何処で知り合ったんだ?」

「有希とは、高校からだ.まぁ、俺から口説いてね.」

「へぇ….」

「…思ったけど、澪君って呼ぶのがいちばん適当かな?」

「…さぁ?まぁ、好きに呼んだら良いじゃないか?あんまり、拘らないみたいだし.」

「んー、でも、あのての子は、人見知りするだろ?あんま馴れ馴れしくすんのもなぁ。」

宮田は、いつもならそんな事は、あまり気にせず、ほとんどのやつを呼び捨てにする.どうやら、俺の恋人という事で、気を回しているようだ.

 

―「澪…君で良いかな?」

有希は、澪の顔を覗った.

「あっ! ハイ!好きに呼んでください.」

「そう、じゃ、澪君もそんな畏まらなくて良いよ.私は、あの二人にしたら、まだ、歳が近いしね.」

にっこりと微笑みながら、料理を進めていく.有希の手際は、凄く良く、早い.

「菱谷さんは…。」

と言った所で、にこっとまた、微笑み

「有希で良いよ.お互い下の方が、話しやすいみたいだし.―で?」

「…有希さんは、俺のこと聞いてますか?」

「んー?聞いてる事って言ったら、十八歳で、龍哉さんと会った馴れ初めみたいな事?でも、彰もそんなに聞いてないみたいだよ.私は、彰からしか聞かないから.」

「俺は、親戚の家を家出して、ずっと龍哉に面倒見てもらってるんです.…俺、何も出来ないから、迷惑かけちゃうし.有希さんからみて、龍哉の重荷になってるように見えますか?」

じっと、真剣な顔で、でも、どこか、不安そうな瞳を向けられた.

「…私は、会ったばかりだから何にも言えないけど、彰から聞いた龍哉さんは、私生活では、本当に、冷たい人なんだって.…大学で会って、彰が話しかけたらしいんだよ.したら、龍哉さん、時間がきたからって、すぐに帰っちゃうし、次に会ったときに飲みに誘ったらなんと、彰の事、誰?って言ったんだって.他にも、彰の事じゃなくても、けっこー、信じられない事言ってたよ.その…女性のこととかね.」

澪は、寝耳に水と言ったように有希の話しを聞く.

「そんな人がさ、私生活を共にするなんて、凄いと思うよ.彰に正面むかってそんな事言える人なんだから、そんなふうには、思ってないと思うよ.」

澪の方を見て、にこっと笑うと澪も、微笑で返してくれた.澪君は、笑うととても可愛い.もちろん、普通にしていて鑑賞しても飽きる事はないけど.

…有希さんは、とても優しい人のようだ.龍哉の友達の人なら、例えどんな人であろうと仲良く出来るようにしようと思ってたけど、そんな考えは、いらないみたいだ.もちろん、彰さんも.龍哉の話しを聞いてビックリしたけど、少し、心の中が、すっきりした感じだ.

「…もし、良かったら、家で働いてくれても良いしね.」

「えっ?!」

「アー、私は、これでもコックなんだ.といっても店は、小さいけどね.」

「…すごい。」

「ははは。 うん、ありがとう.でも、さっきから、澪君の手つき見てたら凄い上手だし、その気になれば、コックになれるかもね.」

―話しているうちに食事が出来、みんなで食べて、二人が帰る時間になった.

 

「じゃ、今日はご馳走様でした.―澪君、あの話は、気が向いたらで良いから.私の店は小さいから、一人でも充分出来るし、澪君みたいな知ってる人しか雇うつもりないから」

「…ハイ.」

そう答えると、有希さんは、家から出て、彰さんが、

「また今度、龍哉の秘話を聞かせてやるし、情報も教えてやるな.龍哉、自分のこと喋らないだろ?―手始めにこいつの誕生日は、10月26日だぜ。」

と、耳打ちで教えてくれた.

「あっ、ありがとうございます」

と反射的に言うと、にやって感じに笑って、「じゃな」と言って有希さんと帰っていった.

「宮田なんて?変な事言われなかったか?…菱谷さんの話しって?」

「あー、有希さんの店で働かないかって.」

「店で?…働きたいのか?」

「うーん….迷ってる.」

だって、少しでも、龍哉にお金を返すなら働くべきだけど、龍哉にそれを言ったらまた、気を使わせてしまいそうで…。

「澪が働きたいなら良いけど….」

「…けど?」

「…その….あー、もう、家に帰ってきたときに澪に居て欲しいってのと、他の奴らに見せたくないんだよ.」

龍哉は、額に手を押し当てて、顔をあまり見れないように隠したけど、少し、顔が赤くなってるのがわかった.俺は、いつもは見せない龍哉にくすくすと笑いながら、腰に腕を回した.

「情けないってわかってるけどなァ.澪と居ると、独占欲が止まらなくなる.」

そういって、俺の腰に手を回し、少しかがんで、俺の唇に優しいキスをしてくれた.

 

―「はぁ…! うん…っ…」

「たつ・・や….」

堪えきれなくて龍哉の手の中に放って、開放感にボォーっと頭が動かない.

「疲れてるだろ?今日は、もう、寝ると良い.」

そういって、俺の髪を優しく撫でてくれる.それが嬉しくて、恥ずかしかったけど、本当にしたいと思ったし、なにか龍哉を喜ばしたいって思った.

「―いいよ。続き…. …したい。」

言ってすぐに顔が赤くなってくるのがわかった.すると、龍哉は、嬉しそうに俺の頬を両手で包み込み、ゆっくりと俺の口の中に舌が入ってきた.…龍哉のキスは、優しいのに、すぐに俺を熱くさせて、その先を求めさせてくる.もっとって、貪欲にさせる.龍哉の触れるところすべてが、性感帯になったように熱く感じさせてくる.龍哉だからこそこんな風になる.前に他の奴にされたときは、男女関係なく気持ち悪かった.龍哉なら、何をされても良い.

「澪….好きだ.」

俺の目を見つめながら、龍哉は言った.すると、顔を寄せ、軽く唇から頬にキスすると顔をずらし、俺の右耳に歯を軽く立て、舌で舐めた.体がゾクッと反応して、声が漏れる.龍哉の息が少しかかるだけで、背筋が反ってしまうのにそんなことされたら、気がおかしくなってしまう.龍哉の顔が下へと移動するたびにやさしい指と舌は、俺を感じさせて、翻弄する.

「…ン…ァッ…」

手で、俺の胸を弄びながら、自身をもう一つの手と舌で虐めてくる.

「…いきたい?」

微笑しながら聞いてきた.俺は、ほんの少しある理性に羞恥を感じさせられ、唇をかんで、かぶりを振る.本当は、すぐにでも出したい.クス….と龍哉の笑いが聞こえた.

「可愛い.」

かぁっと赤くなる顔を背けようとしたとき、奥に濡れている手が伸びてきて、中に入る.

「あ!・・やめ・・!」

体を捩ろうとしても腰に掛けられた手の所為で上手く出来ないし、中にある指をありありと感じてしまう結果となった.

「龍哉!−ハァ…ン」

龍哉って何度も呼んでるのに龍哉は、中にある指で休ませる事無く、追い上げてくる。

「もぉ・・いきたい・・」

涙ぐんで哀願すると龍哉は、中の手はそのまま動かしながら、俺のものを口に含んだ.

「…っ…ああ…!!」

口に出した物は、そのまま飲みこまれ、喉が、ゴクンとなるのを遠い意識の中で聞いた。

「澪….」

そう、囁くように龍哉の声が聞こえたのと同時に龍哉が入ってきて、激しく動く.俺は、喘ぎながら、それを受けとめる.意識を何度も手放しそうになるほどの快楽を体全部で受けとめる.そうして、龍哉は、明け方まで、俺を放してくれなかった.

…龍哉は、俺が慣れてなかった時は、一度で開放してくれていたけど、最近は、何度もしないと許してくれない.前なんて、会社に行くちょっと前にやっと終わって、龍哉は、シャワーだけ浴びて出かけて行った.そして、俺はと言うと、決まって、その日は、動けなくなる.でも、龍哉とそうすることで、俺はとっても幸せになれるから、なにも言わない.龍哉が、そうなったとき、いつも以上に優しくしてくれるのもそれの一つの理由だ.龍哉が、俺を特別に見て、大事にしてくれるように俺も、そう思う.龍哉を喜ばしたいって思う.

―龍哉が会社に行く時間になって、俺が、ベットから起きようとしたとき、龍哉が、朝ご飯を持って、入ってきた.

「起きなくて良い。…また、無理をさせてしまったな.」

龍哉の手が俺の髪を優しく撫でる.なにも言わずに微笑むと、龍哉は、安心したような顔をし、軽くキスをして、会社へと行った。俺は、龍哉の作ってくれた朝ご飯を美味しく食べ始めた.


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