仲居さんが、部屋から下がった後……
「ちー…本当に良かったのかな?」
「誠ちゃん?」
「……費用も何もかも叔父さん、叔母さん持ちだろ?悪い気がしてさ…」
「………でも、爺ちゃんがぎっくり腰で婆ちゃんと来れなくなったから俺達に行って来いって言ってくれたんだよ?キャンセルしてもお金取られるんだから楽しんでこいって……」
「それはそうなんだけどな……ちーは良いとしても…俺はなぁ…」
「………なんで?」
本当に分かっていない様子の千草に誠吾は、一つ溜め息をした後、
「……ちーは、孫だろ…俺はちーの幼なじみだけど他人!……なのに、こんな良くしてもらって…」
「……爺ちゃん達、誠ちゃんの事も本当の孫だと思ってると思うよ?それに俺一人だったら来させてくれなかったと思うし…。誠ちゃんとならって言うのが条件みたいなものだったしね」
「………」
「…………誠ちゃん…嫌?……楽しめそうにない?」
千草はちょっと落ち込んだように顔を伏せた。
誠吾は、それに気づいて千草に近寄りきゅ…と抱きしめ、「そんな事ない……ごめんな」と言った。
すると千草は、嬉しそうに微笑んだ後、パッと立ち上がり服を脱いでいく。
「ち、ちー?」
「誠ちゃんも脱いでよ」
「…え?」
「浴衣着て、お風呂に行こうよ。ね?」
にこにこと嬉しそうに笑いながら言う千草に誠吾は、仕方ないなと優しく微笑んだ後、千草に続いた。
温泉には、まだ時間が早い事もあってか誰も居ず、貸し切り状態。掛け湯をした後、二人で浸かるお風呂は気持ち良い物だった。
のんびりと、ゆったりと。
……が、もちろん、それだけで済むはずがない。
何と言っても千草なのだ。こんなチャンスを逃すつもりはない。いつも休みとは言え、次の日の事を考えて押さえ気味な誠吾をクリスマス&温泉という滅多にないイベントで盛り上げ、たっぷりとエッチをするのだ。
そうと決まれば、千草の行動は早かった。
誠吾の方へと近寄り、濁り湯のなか、ツツツ……っと脇腹から腰までを指で撫でたのだ。
誠吾は低く声を上げて逃げようとしたがその前に腕を首に廻し、体も誠吾の上に乗り上げる。
「ちー……」
ほとほと困ったように誠吾は、千草の名前を呼んだがそれで止まる千草ではなかった。自分から口付けて誠吾の手を自分の体へと導く。
そして、舌を絡ませたまま、誠吾自身を探ればピクリと誠吾の体が跳ねた。
そのまま手を動かせば焦ったように誠吾が体を離そうとする。そこで一度、唇を離して言った。
「…誠ちゃん…しよ?」
ゆるゆると手を動かし、耳元で囁く。また、キスを繰り返しながら。
すると次第に我慢強い誠吾の忍耐や理性も崩れてくる。……直接的な刺激はもちろんの事、千草の温泉でいつもより暖かい体温がそうさせた。……そう、引き離そうとしていた手は、千草の体を探る物へと変わっていったのだ……。
「…ん……あっ…」
前を触り…そろりと後ろを撫でて……。反った首筋を舌でなぞれば、千草からは良い声音を聞く事が出来る。
「……ん……あぁっ……誠ちゃ、ん…」
とろんと、涙を浮かべたような千草の瞳。誠吾は、深いキスを仕掛け、舌をきつく吸い上げた。奥まった場所を探る手をもっと深くへと動かしながら…。
「……ちー…」
「ね……誠ちゃん……もっと…」
先の行為を促すように体を摺り付けてくる千草に誠吾は、千草の体を温泉から上げて自分の方へと背中を向けさせた。
「…縁に掴まって……」
誠吾は掠れた声音で千草の耳元へと声を落とす。それから自分の体を千草へと進めた。
「……あっ!ああぁっ……っ!」
「………ちー……もっと声押さえて…」
一度止め、そしてもっと奥へと進める。千草は、唇を噛んで耐えていたけれど、衝撃には耐えられず、結局は誠吾の手の平で押さえられたのだった。
……それからの事と言えば、体を流し、足が立つまで脱衣所にある椅子に座り過ごした後、部屋に戻ってまったりとお茶を飲んで散歩など。
………もちろん、千草の夜はまだまだ始まったばかり。その夜の事は………どうぞ、ご想像にて。