「……ベル、それは?」

ブラッドは不思議そうにベルに聞きました。

「これ?」

ベルの手には、毛糸で編まれた靴下が。白と赤と緑の毛糸で木々や雪の結晶などをモチーフにされたそれは、なかなか凝った作りに思える。

「これをね、ベッドに飾っておいたらサンタさんがプレゼントを忘れずに置いてってくれるんだよ」

へへ〜っと、ベルは嬉しそうに微笑む。

ブラッドもそんなベルを見て微笑んだ。

二人は、ほんわかしながら寝る準備をして、ベッドに潜り込んだ。

 

 

 

 

それからしばらく後の事。

ベルはすやすやと気持ち良さそうに寝ている横でブラッドがそろりと起き上がった。

それはもちろん、ベルへのプレゼントを置いておくためである。

ブラッドは、ベルが欲しがっていた財布が入った箱を持ってきて、ふとある事実に気が付いた。

ベルが用意した靴下。……何もなかったならばベルの頭上付近にお置いておこうと思っていたものの、もしかしなくても靴下の中に入れておくべきなのでは……?

…………

……

 

それからが、結構大変だった。

というのも、靴下が小さくてなかなか入らなかったのである。やっとこさ入れれた時には、知らず安堵の溜め息が…。

一仕事終えた後、今度は本当に眠るためにブラッドもベッドに入ったのだった。

 

 

 

 

「…どうしてぇ……」

朝起きてみるとそこにはプレゼントと伸びた靴下。

お気に入りの靴下が変わった姿へとなっているのを見て、ベルは泣き出してしまった。

そこで横で寝ていたブラッドも眼を覚ました。起きていきなりベルが泣いていて驚いたが、それどころではない。理由を聞いてみると、どうやら自分の所為の上、何やら勘違いもしている。

「……ベル…すまない。……靴下を伸ばしてしまったのは俺だ…」

「……え?」

「だから、サンタがやったんじゃないんだ」

「え、ええっ!?」

「……すまない」

ベルは、まだ悲しいながらもブラッドを責めたくはないのでもう、大丈夫だと微笑むとプレゼントを開きました。

するとそこには……なんと財布と靴下が入っていたのです!

靴下は、ベルの持っていた靴下とそっくりで一つだけ。

それには、二人とも驚きました。

ブラッドはもちろん、箱の中に靴下を入れていないし、ラッピングも一度として開けませんでした。

ベルはというと、この靴下はずっと前…子供の頃に今はどこで買ったかも覚えていない靴下だったのです。

……なんだかまるで、古い靴下の変わりにやってきたようでした。

「……」

「……」

「……サンタにもお礼…言った方が良いよね?」

「…ああ。……今夜、食事を置いておいた方が良いかも…な…」

 

呆然とした後、二人は眼を合わせてクスリと笑うと同時にこう言ったのでした。

 

「メリークリスマス!」


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