―悪魔の罠―

 

僕は、ルイ。天使って元からするってことないけど、下級天使の僕は、ほんと寝たり遊んだりしてばっか。別にそれが嫌なわけじゃないよ?上級天使の人なんか逆に寝る時間も割いてお仕事しないといけないんだもん。僕には、そんなの無理だしね。それで、今日も友達と遊んだあと一人になって暇だから秘密の場所でウトウトと眠ろうとしてたんだ。  

     

「―君、どうかしましたか?」

いきなり、僕の頭上から心地良いテノールの声が聞こえた。それでも、僕が、夢だろう…ってほっといたら今度は肩を激しく揺さぶり始めた。

「!!」

僕は、すっごく驚いて飛び起きた。暗闇から急に目を開いたおかげで目がチカチカしたけど、目を凝らして声のしていたほうを見た。すると、そこには、背中まである銀髪を軽く束ねた真っ黒な翼のカッコイイ悪魔がいた。僕が、ビックリして動かなかったので悪魔は、跳ね起きた僕を見てホッとした様子で、僕に微笑みながら説明をしだした。

「遠くであなたの姿を見て…こんな所で寝ているので、どうかしたのかと思いまして。」

「…別に何も…」

「ですが、もう、ずっと、ここに居るでしょう?なにかあるんじゃ…」

そう言いながら僕の顔を覗き込んできた。いきなりのドアップに僕が焦って

「何もないってば!!ほっといてよ!!」

「・・・・・・」

「―な・なに?」

なんだか、いきなり、この悪魔の機嫌悪そうになった気がして恐くなった。だって、この人の顔って凄くカッコ良くて見てると誰でもポーっとなってしまうような顔で今も確かにさっきと変わらないんだけど…
なんか後ろから漂うオーラがこわいよぉ…(涙)

「いえ・・・。ですが、こんな所でうずくまっていたあなたを心配した私に言う言葉にしては、酷いんじゃないかと思いまして。」

「…ゥッ…で・でも!!なんで、名前も知らないアンタにそんな事言わないといけないんだよ!?」

「…フム。名前ですか…。一応、これでも有名なはずなんですが…ディークって聞いたことありませんか?」

「ディーク?・・・ってあのディーク?!」

「あっ、ヤッパリ、知ってますか?良かったですよ。何年も大悪魔をしているのに知られていないとなると悲しいですからね」

「知ってるもなにも…。」

そう、ディークといえば、大悪魔の中でも飛びぬけて有名で、僕と同じ時期に生まれた悪魔の子が、きっと、ディークのようになるんだと目を輝かせて言っていた。でも、まさか、こいつが…?まぁ、悪魔や天使は、力や血が優秀であったりすればするほど、容姿が綺麗だから、それは頷けるけど…。

「…ほんとにアンタがディークなの?」

僕が、上目使いでディークの方を見ると

「ええ」

って答えながらディークは、とびっきりの笑顔をルイに向ける。すると、ルイは、真っ赤になって顔を背けた。

そんなルイを見てニヤッと意地の悪そうなディークの顔が一瞬覗いたのだが、残念な事に顔をそむけたルイには哀れにも気付くことは出来なかったのだ。―そう、ここで気付けば・・・いや、きっと、なにも変わらなかっただろう。

 

ふふふ…。私の微笑だけでこんなにも真っ赤になるなんて、やっぱり可愛いですね。声も予想以上に良いですし。やはりここは…。

「…で?君の名前はなんて言うんですか?悪い事に使ったりしませんから教えて下さい。」

「……ルイ」

「ルイ…ですか。可愛い名前ですね。」

さらっとディークがそんな事を言うと、またまた、ルイの顔は高潮し、まるで真っ赤なトマトのよう…。

…たまりませんね。

「ルイ…実は、私は、君に恋をしていましてね…少しばかり、味見をしても良いですか?やはり、中身も大事ですが、手っ取り早く体の相性から私と合っているか確かめたいので…」

ルイは、「ハッ?なんだって???」と頭の中が真っ白になっている事が安易に読み取れる顔で固まっている。こっちにすれば、それは好都合…。固まるルイを気にせずにルイの唇を奪う。ルイは舌が自分の口の中に入って来たときにやっと正気を取り戻して、身を捩って逃げようとし、ふさがれた口からは「んー!!んー!!」と必至に私への非難の声を出す。それでも、私がしつこく舌を絡めて快楽の欲望を目覚めさせるようなキスをしていると段々とそれは消え失せ、時どき放してやる唇からは、艶のある吐息が零れ、潤む瞳を向け弱々しい手で私の服を握り締めはじめる。


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