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玲ちゃんの華麗なる誘惑
作者:OUT OF 眼中さん
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昔、お兄ちゃんが好きな女性のタイプを聞かれたとき、盗み聞きした内容を今でも覚えている。 「妹みたいな子・・・かな。繊細で優しい子が好きだな」 「えー!? おまえの妹ってネクラじゃん」 「そんなことないよ。可哀想だけど学校で苛められて凄く傷ついてるんだ。もっと元気になって欲しいよ」 「ふーん、そうなんだ」 そう、絶対に忘れない。だって思わず泣いてしまった私は、この日にお兄ちゃんに恋したのだから・・・。 「ただいまー」 「お帰りなさいませ、あなた」 三つ指ついて玄関で迎えた私を見て、飛び退ったお兄ちゃんが玄関のドアに思いっきりぶつかる。
「れ、玲。なんて格好してるんだよぉ」 「うふふふ、裸エプロンは夫婦の基本でしょ」 裸にエプロン一枚の姿で思わず床に人差し指で円を書いて恥かしがる私を見て、お兄ちゃんは泣きそうな表情を浮かべている。
「勘弁してよ、玲ぃ。母さんに見つかったら殺されちゃうよぉ」 「大丈夫。私がお兄ちゃんのこと、由佳里さんから守ってあげる」 「嬉しいけど、母さんは怒らせたく無いよ」 「うーん、そうだよね。じゃあ、しばらくは由佳里さんには内緒ね」
軽くウィンクすると、お兄ちゃんは明らかにほっとした表情を浮かべる。 確かにお兄ちゃんのお母さんの由佳里さんは怖いからね。
「それじゃあ、リビングにおやつあるからカバンを置いたら来て頂戴」 「う、うん」 背を向けた私にお兄ちゃんがどもった声で返事を返す。お兄ちゃん、私のお尻を見て驚いちゃったみたいね。 「玲、頼むから服を着てよぉ」 「だーめ、お兄ちゃんにもっと楽しんで貰いたいもの」 私が腕に抱きついていると、リビングのソファーに座ったお兄ちゃんはちょっと泣きそうな表情をしている。 目を逸らしているけど、ときたまちらちらと私の胸に目が行っているのがわかるわ。
「と、ところで、おやつはどこ?」 「うふふ、じゃーん」 「生クリーム?」 私が何処からか取り出したボールいっぱいの生クリームに、お兄ちゃんは不思議そうな顔をしている。 「そうよ、生クリーム」 「生クリームだけ?」 「もちろん違うわよ」 私の言葉にほっとしたお兄ちゃんが、次の瞬間にぎょっとした顔になる。私がエプロンの上のリボンを解いて胸をはだけたからだ。
「れ、玲、まずいよ」 「大丈夫よ、お兄ちゃん」 私は生クリームを指でたっぷりと掬うと、そっと両胸の先に乗せる。 「これで隠れたでしょ」 「そ、そういう問題じゃあ・・・」 「さあ、どうぞお兄ちゃん。召し上がれ」 「ま、マズイよ、玲」 「別に生クリームを食べるだけでしょ。どうぞ、召し上がれ」 「・・・」 お兄ちゃんは十五分くらい凄い悩んでたけど、結局は生クリームを食べてくれたわ。 お兄ちゃんのペロペロした動き、すごく気持ち良かったな・・・あ、もちろんズボン越しにお兄ちゃんがクリームを出すの手伝ってあげたんだ。 「はあ・・・」 「祐介くん、どうしたんだい? 元気が無いみたいだね」 「い、いえ・・・何でも無いです」 夕飯後における家族の団欒の時間、義理の父さんの質問に僕は慌てて首を振った。 玲に似て繊細な父さんに、まさかあなたの娘さんに手でイカせて貰いましたなんて、口が裂けても言えるわけが無い。
「そうよ、単純な祐介に悩みなんてあるわけないわよ」 ましてや、北極クマも裸足で逃げ出す豪傑である母さんに聞かれたら、墓の下に埋められるだろう。 カラカラと笑っている母さんを見つつ、僕は誰にも聞かれないようにため息を吐くのだった。
「由佳里さん、ちょっと大事なお話があるんですが・・・」 「ん? 玲ちゃん、何かな」 玲の改まった声に、母さんは彼女に向き直る。玲が何の話だろう?
「お宅の息子さんをくれませんか」 「ぶーっ」 母さんが飲んでいたお茶を吹き出す。吹いた先に居た玲はもちろんモロに浴びた。
「ご、ごめんごめん。でも、れ、玲ちゃんが変な冗談を言うからイケナイのよ」 「冗談じゃないです、本気なんです」 ハンカチで玲の顔を拭く母さんに、玲は真面目な声で答える。 「あんな唐変木の何処がいいの?」 僕にビッと指をさして母さんが言う。母さん、息子に向かってそれはないよ・・・。
「そんなことないです、お兄ちゃんはとても素敵で格好良くて、私の王子様なんです」 熱にうなされたかのように夢見る口調で話す玲に、北極グマキラーの母も流石にたじろいだようだ。あ、さり気なく父さんが泣いている。まだ十代の娘が早くも結婚を口にしているんだから、そりゃあ泣きたくもなるだろう。 「う、うーん。別にあんな息子なら幾らでもあげてもいいんだけど・・・ほら、玲ちゃんもまだまだこれから素敵な出会いがあるかもしれないじゃない」 「ううん、私はお兄ちゃん以外の男なんて考えられません」 きっぱりとした玲の言葉に場が静まりかえる。唯一、夕刊を逆さに持ってすすり泣きを隠している父さんの嗚咽が聞こえるだけだ。 「それに・・・お兄ちゃんの子供も欲しい」 恥らって俯きながら、さらりと玲が爆弾発言をする。そのとき、僕の頭の中には「この世の終わりだ」という言葉がリフレインしてたのは言うまでも無い。頬を赤く染める玲の言葉に、母さんの顔が大魔人みたく変わるのが見えた。 「ゆううううすけええええええ、まさか玲ちゃんに手を出してないでしょうねえ」 「し、してないしてない」 「本当に?」 「天に誓って」 母さんがオニもたじろぐ形相で僕に近寄る。神様、頼むから僕が手を出しているのでなく、玲が僕に手をだしているという思い込みが通じますように・・・。 「お兄ちゃんは清い体です」 助けは思いがけないところから来た。玲が僕の前でかばってくれたのだ。 「玲」 「玲ちゃん・・・」 流石に本人に言われたら、母さんも手も出せないだろう。た、助かった。 「お兄ちゃんとはペッティングしかしてません」 ジイイイィィィィザァァァァァアアアス。 「お兄ちゃん、大丈夫かな?」 布団の中で私はそっと呟く。あれからすぐに由佳里さんはお兄ちゃんを寝室に連れて行ってしまった。関節技をかけられて苦痛の叫びをあげるお兄ちゃんを助けてあげたかったんだけど、寝室にカギが掛かっていて手が出せなかった。 「お兄ちゃん、帰って来たら慰めてあげるね」 私はお兄ちゃんのお布団の中で微笑む。もちろん、一糸まとわぬ姿で寝ているのは言わなくてもわかるよね。傷ついたお兄ちゃんは慰められて、そして二人の愛は更に深まる。ああ、完璧だわ。 「それにしても遅いなあ」 叫び声が止んでるから、もう戻って来てもおかしくないんだけど。お兄ちゃんが入れやすいように、少しオナニーでもして待ってようかな・・・。 「玲ちゃん、早く起きないと遅刻するわよ」 「あ、うん」 由佳里さんの言葉で目を覚まして布団から起きあがる。あれ、ここお兄ちゃんの部屋よね・・・それなのに何も思い出せない。 「ゆ、由佳里さん。お兄ちゃんは?」 「えっ、祐介ならもう下でご飯食べてるわよ」 「そ、そうじゃなくて」 「ああ、祐介なら玲ちゃんの部屋で寝たみたいよ。玲が寝てるから、自分の部屋では寝れないって」 そ、そんなあ。 「少しはお説教が効いたみたいね。これで祐介も玲ちゃんに手だししないでしょう・・・れ、玲ちゃん、その親の敵を見るような目で睨むのを止めてくれない」 「おはよう」 「おはよう、玲」 リビングに行くと、お兄ちゃんがいつも通りの返事を返してくれる。とっても心が安らぐなあ。 「ついでにお父さん、おはよう」 「おはよう・・・」 ん? お父さんは死霊がついたような落ち込んだ声で返事を返してくる。何かあったのかな・・・まあ、いいか。 「お兄ちゃん、今日は何時頃帰ってくる?」 「大体、いつも通りかな。でも友達とゲーセンで遊ぶかもしれないから、少し遅くなるかも・・・」 「いやだ、いやだあ。お兄ちゃん、愛しの妹を一人にしないで」 「わ、わかったよ。いつも通りに帰ります」 「やった。お兄ちゃん、大好き」 隣の席に座っているお兄ちゃんに私は抱きつく。お兄ちゃんはどうしていいかわからないような顔してるなあ。 「祐介、遅刻するわよ」 「わ、わかった」 由佳里さんの声にお兄ちゃんは慌てて立ちあがる。お兄ちゃんは電車で通学してるから、私より早く出ていかないといけない。一緒に行けなくて、ちょっと寂しいな。 お兄ちゃんが出て行くのに続いて、私も玄関へと向かう。 「玲ちゃん、こんな奴のためにわざわざ見送りしなくてもいいのに」 「ううん、お兄ちゃんを見送りするのは私の務めだから」 「そ、それじゃあ、行ってくるね」 「待って」 急いで出て行こうとするお兄ちゃんの腕を掴んで、私は引きとめる。 「お兄ちゃん、行ってらっしゃい」 チュッとお兄ちゃんの頬にキスする。お兄ちゃんは顔を真っ赤にしながら、玄関から出て行った。もお、恥かしがりやさんだなあ。でも由佳里さんが怒りで顔を真っ赤にしてたのは、何でかなあ? リビングに帰るとお父さんがまだ朝刊を読んでいた。 「あれ? お父さん、まだ居たの?」 「う、うん・・・」 お父さんの返事が涙声だったみたいだけど・・・まあ、いいか。さてと、今日の放課後はどんなプランで行こうかしら。 「ただいま・・・」 「おにいちゃん、おかえりなさーい」 「どわっ」 お兄ちゃんは昨日と一緒で、玄関に勢い良くぶつかった。 「玲、その格好はどうしたんだ?」 「えへへ、気に入った?」 「な、何だよ、それは」 お兄ちゃんが私の胸に留めてある名札を指差して叫ぶ。フリフリのブラウスにピンで留めたチューリップ型の名札には1年2組、あおしまれいと縦書きで書いてある。 「えへへ。きょうはね、れいちゃん、おにいちゃんにうんとこどもっぽくあまえたいの」 「え、えぇ!?」 「だめかな?」 グスグスとちょっと泣くと、お兄ちゃんは慌てて首を横に振る。 「わかったわかった。だから泣かない泣かない」 「ほんとー、やったー!」 ぴょんぴょんと跳ねる私を見て、お兄ちゃんはちょっと溜息をつく。うーん、ちょっとお兄ちゃんを驚かせ過ぎたかな? 「カバン、部屋に置いてくる・・・」 「おにいちゃん、まって」 「何?」 「だっこしてぇ」 お兄ちゃんはがっくりと玄関に膝をついた。ちょっと悪いお願いしちゃったかなぁ? それでもお兄ちゃんは私をだっこして玄関から自分の部屋、そしてリビングまで運んでくれた。結構辛そうだったのに、一言も「重い」って言わなかったお兄ちゃんって、やっぱり凄い優しいなあ。 リビングで私はお兄ちゃんの膝の上にちょこん・・・という程私は小さくないけど・・・座っている。お兄ちゃんはちょっとぐったりしてるかな。 「ねえ、おにいちゃん」 「なに?」 「あのね、れいのからだおかしいかなあ?」 「ん、どうして?」 「あのね、れいね、まだけがはえてないの」 「ぐえほげほげほ・・・」 私の一言にお兄ちゃんがむせる。 「きょうこちゃんやみかちゃんははえてるのに、れいははえてないの」 「ちょ、ちょっと待って。そんなことないでしょ」 お兄ちゃんが焦った声を出す。それはそうよね、三日前に私のヘアを見てるんだから。 「じゃあ、おにいちゃん。さわってみてよ」 「え、で、でも」 「お願い・・・」 涙目でお願いすると、お兄ちゃんはしぶしぶ頷く。うふふ、お兄ちゃんはやっぱり優しいなあ。 ワンピースの裾を捲り上げ、お兄ちゃんにパンツを見せる。可愛いうさぎさんの絵柄が入ったパンツに、流石にお兄ちゃんもビックリしたみたい。うふふ、玲のお尻に硬くなったお兄ちゃんのあそこが当たってる。 「じゃあ、確認するよ」 「おにいちゃん、おねがい」 パンツの裾から手を入れて、お兄ちゃんの綺麗な指が私のお腹を降りてくる。そして、太腿に近づいたとき、 「あ、あれ? 本当にない」 お兄ちゃんが驚いた声で、わさわさと私の股間を探る。うふふ、一時間前にお兄ちゃんのために剃ったんだから無いのは当たり前よ。 「はあはあ、おにいちゃん」 「え、玲?」 潤んだ目で見る私にお兄ちゃんは一瞬動きが止まる。 「ご、ごめん、すぐにどかすよ」 「おにいちゃん、もっとぉ」 うーん、我ながら迫真の演技・・・でも濡れちゃってるから、あながち演技ってわけじゃないんだけどね。 「ま、まずいよ、玲」 「おにいちゃん、もっとさわってぇ」 むむむ、お兄ちゃんの理性が勝ちそうだわ。こうなったら、 「あ、だ、だめだってば玲」 「おにいちゃん、れいもおにいちゃんのこときもちよくするから」 テントを張ったお兄ちゃんの股間に私はお尻を擦りつける。お尻にしっかり挟んで、グリグリと食い込ませる。 「れ、玲」 「あ、おにいちゃん。きもちいいよぉ」 お兄ちゃんの手がクリトリスを擦る。やったあ・・・あ、お兄ちゃん、上手だよお。 二時間後、お兄ちゃんはぐったりとソファーに寄り掛かってる。私はお兄ちゃんのくれた白いクリームを口で味わってる。しょっぱいけど、お兄ちゃんの味って気がする。 お兄ちゃんってやっぱり上手なんだよね、お兄ちゃんの指だけで二回もいっちゃった。お兄ちゃんに「おにいちゃん、いれて」って頼んだんだけど、断わられちゃったんだ。けれど代わりにペロペロしてくれて、お礼に私もお兄ちゃんのをフェラチオしてあげたの。 お尻の感触で一回イッちゃってるから、流石にお兄ちゃんも疲れたかな。 「玲・・・」 「なあに、おにいちゃん?」 精液をこくんと飲み干して、お兄ちゃんに返事する。 「そろそろ父さんと母さんが戻って来るから、着替えないと」 そうか、そんな時間か・・・じゃあ、そろそろ仕上げね。 「おにいちゃん、れいね、おしっこにいきたいの」 「え? じゃあ、トイレに行かないと」 「でもね、ひとりじゃしーしーできないの」 指を咥えて上目使いでお兄ちゃんを見ると、お兄ちゃんは悶絶している。 「だ、だ、駄目だ。玲、頼むから一人で行って」 「れい、ひとりだとおといれぬらしちゃうの。おにいちゃん、てつだって」 「だから、駄目だって」 「う、うう」 「泣いても駄目だって」 う、泣き真似が効かない・・・こうなったら。 「やだやだやだ、いっしょにきてくれないとおとうさんとゆかりおかあさんがかえってくるまで、このかっこうでいるもん」 「う・・・玲、卑怯だぞ」 「うえーん」 「・・・わかったよ」 「やったー」 「ん? 祐介、どうしたの?」 「疲れた・・・」 夕食後、僕はぐったりとリビングの床に横たわっている。 あれから玲をトイレに連れて行って、太腿を抱えておしっこさせたのだ。「おにいちゃん」と甘えた風に言う玲の声と、玲のあそこから出てくる黄金の液体に興奮してしまった自分が情けない。「おにいちゃん、たってる。れいのおしっこみて、こうふんした?」と玲に言われたときには流石に首を括りたくなった。 「お兄ちゃん、大丈夫?」 「玲、少し休ませてくれ」 玲が僕の上に圧し掛かり、背中におっぱいを擦りつけてくる。流石に、三回もイッた後だと玲の行為にも欲情しない・・・う、股間が。 「祐介、玲ちゃんに何もしてないでしょうね?」 「してないよ・・・」 老衰死直前の患者みたいな僕の声に、流石に母さんも信じたのか追求してこない。 「お兄ちゃん、本当に大丈夫? 何だか死にそうな声だよ」 「死ぬほどじゃないけど、正直言うと大丈夫じゃない」 「お兄ちゃん、私のせ・・・」 「違う違う、玲の所為じゃないよ」 身を起こして玲に手を大きく振って、違うとアピールする。コロンと床に転がった玲はそれを見てキョトンしている。 「本当に?」 「本当、本当」 ちらりと母さんに目をやると、幸いなことに玲と同じようにキョトンとしているだけだ。良かったあ。 「そんなに疲れてるなら、寝たらどう」 「うん、そうするよ。先に風呂に入ります」 鉛が詰まった上に三十倍の重力にかけられたような重い体を引きずり、僕はよろよろと風呂に入りに行く。やっと休める・・・。 「お風呂入って来るね、由佳里さん」 「うん、ゆっくりと温まってきな・・・ちょっと待って。いま祐介が入りに行ったばかりでしょ」 「お背中流してあげるの」 「だ、だ、駄目。絶対ダメ」 「えっー!」 玲、頼むから休ませてくれ。このままだとお兄ちゃん、母さんにチョークスリーパーで殺されるか、玲の手で腹上死しちゃう。あ、父さんがまた啜り泣いてる。 「お兄ちゃん、お帰りなさい」 「あ、うん。玲、ただいま」 翌日の夕方、私はお兄ちゃんにごく普通に玄関でお出迎えしてあげた。お兄ちゃんは私が何かすると思ってるのか、ビクビクしている・・・ちょっと悲しいな。まあ、何かするんだけどね、ふふふ。 「お兄ちゃん、着替えたらおやつあるからリビングに来てね」 「うん、わかった」 お兄ちゃんは玄関脇の階段から自分の部屋に駆け上って行く。その間に私はキッチンで紅茶をティーポットからカップに移し、リビングへと運ぶ。あ、もうお兄ちゃんが戻って来た。 「お、レモンパイかぁ♪」 「今日はお兄ちゃんの好物だよね」 お兄ちゃんはソファーに腰掛けると、さっそくレモンパイに手をつける。私も横で一緒に食べ始めた。私がお兄ちゃんにアプローチする前のただ仲のいい兄妹に戻ったような感じ。よしよし、すっかりお兄ちゃんは油断しているな。 「ねえ、お兄ちゃん・・・大事な話があるんだけど」 「ん?」 フォークを咥えたお兄ちゃんが私を見る。よしよし、ここまではリハーサル通り。 「あのね、お兄ちゃん・・・お兄ちゃんは私のことどう思ってる?」 「えっと・・・その・・・大事な妹だと思ってるよ」 「その大事っていうのは妹として? それとも・・・」 私は必死に真剣な表情を作ってお兄ちゃんを見つめる。お兄ちゃん、ちょっとショックを受けたような顔をしていた。 「玲・・・その・・・」 「答えて、お兄ちゃん」 私の目から涙が零れ落ちる。ナイスよ、ナイスなタイミングだわ。 「玲」 「お兄ちゃん」 「ま、前は妹として玲のことが好きだったけど・・・い、今はその・・・」 「その?」 「お、女の子としても確かに意識してるよ・・・」 ・・・生まれてきて良かったぁ。今までの努力は無駄じゃなかったのね。今のお兄ちゃんの言葉は回してあるテープレコーダーに取ってあるから今にも飛びあがって喜びたかったんだけど、それを必死に押し殺して私は続けた。 「お兄ちゃん、嬉しい」 「あ・・・」 涙目で私はお兄ちゃんに顔を近づける。いつもと違ってムードたっぷりのキス。触れるだけの唇の感触だけど凄くいい。・・・おっといけない、続けなくちゃ。 「お兄ちゃん・・・して」 私の甘く囁く声にお兄ちゃんは目を見開いてこっちを見る。躊躇して何かを言う前に、私の人差し指がお兄ちゃんの唇をそっと閉じさせた。 「何も言わないで・・・して」 そっと立ちあがって私はするりと服を脱ぐ。もちろんこのときのために服は脱ぎやすいワンピースで、下にはブラもしていない。 「お兄ちゃん・・・」 ショーツだけをつけた私は再びお兄ちゃんにキスする。柔らかい唇の感触を味わいながら、お兄ちゃんの手をそっと私の胸へと持って行く。 「玲」 唇の下でくぐもって聞こえるお兄ちゃんの呼び声。私のまだ薄い胸を怖々と揉んでくれている。ああ、お兄ちゃんの不器用な愛情が伝わってくるようで、とっても気持ちいいよぉ。 「お、お兄ちゃん」 とっても甘い声を聞かせて、私はうっとりとお兄ちゃんを見つめる。しゅるりと紐パンの結びを解いてすかさずパンツを外す。そしてお兄ちゃんのズボンのジッパーに手をかける・・・焦らないように焦らないように・・・やった、うまくズボンを下ろせた。 「お兄ちゃん」 「玲・・・」 あ、お兄ちゃんのおちんちんの先っぽが私に当たってるぅ。い、いよいよ入って来るのね。嬉しい・・・。 「れ、玲・・・やっぱり」 あん、だめぇ、止めたりしたら。でもこういう時の切り札がこっちには残ってるんだから。 「お兄ちゃん・・・玲のバージン・・・お兄ちゃんにあげたいの」 あ、お兄ちゃんの目つきが変わった。お兄ちゃん凄い興奮してる、やっぱり効果てきめ・・・あ、は、入ってくる。 「あ、うああああ」 「れ、玲!?」 ま、まだ先っぽが入っただけなのに、さ、裂けちゃいそう。う、うあああ。 「や、止めないでお兄ちゃん」 「玲、でも」 「お兄ちゃんに、お兄ちゃんにバージンをちゃんとあげたいの」 そ、そう、入れて。おちんちん入れてお兄ちゃん。奥までギチギチに入れて、もっと痛くして。そうするとお兄ちゃんのものになった気がするの。 「わかった、そっと入れるね」 「いいの・・・わ、私は構わないから・・・お、お兄ちゃん動いて」 もっと無理矢理入れて。もっと玲を苛めて・・・あ、やっと奥まで入ってきた。
「く、うぐぐ・・・」 「あ、玲・・・キツイよ」 「お、お兄ちゃん・・・う、動いて」 お兄ちゃんがゆっくりと動き始める。もっと、もっとぉ。 「玲・・・こ、腰が気持ち良くて動いちゃう」 「お兄ちゃん・・・玲、幸せなの」 次第に我慢できなくなったようにお兄ちゃんの動きが速くなってくる。あん、痛い、凄い痛くて・・・気持ちいいの。
「う・・・玲」 お兄ちゃんのおちんちんがビクビクしてる、そろそろラストね。 「出して、お兄ちゃん・・・中に出して」 「で、でも」 「大丈夫だから」 「うっ」 お兄ちゃんのおちんちんが私の奥を抉って、そして熱い液体が私の中に弾ける。 「い、イッちゃう、イッちゃうよ、お兄ちゃん・・・あーん、お兄ちゃんの赤ちゃん出来ちゃう」 ああ・・・気持ちいいな・・・生きてきた中で一番幸せ・・・。 ・・・終わった。僕はあと二ヶ月か三ヶ月かで、大きくなった玲のお腹を見た人間最終兵器の母さんにゴルゴダの丘で殺されるだろう。さらば我が短き人生よ、本当に短かったぞ。
「お兄ちゃん、元気無いね」 リビングのカーペットの上で息絶えた僕の顔を玲が覗き込んで言う。ちなみに玲はさっきからこの世の春が来たように浮かれている。 「そう見える?」 「うん、何か顔が真っ青だよ」 そりゃあ、死人だからね。 「どうして?」 「だって、そりゃ・・・」 玲の耳元に口を近づけて、一際小さい声で言う。 「玲が妊娠しちゃうかもしれないじゃないか」 僕の声に、玲はビックリしたように僕を見る。さっきまで喜びに溢れていた玲の目が、見る見るうちに涙目になって行く。
「お、お兄ちゃん・・・私と赤ちゃ」 「わあっ、しっ、しっ」
慌てて玲の口を手で塞ぐ。ダイニングでそれぞれ雑誌を読んでる父さんと母さんが何事かとこっちを見るが、僕の何でも無いという必死の目つきが通じたのか再び目を雑誌に落とす。あ、危なかった。 「お兄ちゃん、私としたこと後悔してるの?」 「いや、してないよ。ただ・・・」 「なに?」 玲が必死の目つきで僕を見る。うっ・・・玲のこの目は凄い苦手なんだよな・・・苛められて苦しんでいた頃の玲を見るみたいで・・・。 僕は震えながらも必死に言葉を続ける。
「玲と赤ちゃんを作るのは早いと思ってさ」 「どうして? 私はお兄ちゃんの赤ちゃん欲しいよ」 「い、いやさ・・・出来ちゃった結婚じゃなくてさ・・・その、いつかちゃんとプロポーズしたいと思ってたから・・・」 わ、我ながらくさい台詞だ。おまけにこの年で子供が出きるのは嫌だって、隠してるし。 「お、お兄ちゃん・・・私・・・私・・・」 「玲?」 「とっても嬉しい」 玲が僕の唇にむしゃぶりついてくる。ああ、やっぱり僕は玲が好きなんだな・・・彼女をいつまでも悲しませたくない・・・あの頃みたいに。いつか大きくなったら玲と結婚して、子供を作るのも悪く無いな。玲、好きだよ。 「ゆ、祐介ぇー」 玲の向こうから幽鬼のような母さんの声が聞こえてくる。し、しまった、リビングだったのを忘れてた。せ、せめて死ぬ前に玲の甘い唇をあと一秒だけ吸わせて。 その夜、祐介の叫びは一晩中続いたという。 「お兄ちゃん、大好き・・・むにゃむにゃ」
END
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