ご都合主義。 マンガにとって、なくてはならない展開です。
たとえば、ジャンプ黄金期の代表作である「魁!男塾」では、死んだと思ったら実は生きていたという、当時の格闘ものの黄金パターンといえるご都合主義が多用されていました。 濃硫酸の池に落ちたり、どてっぱらをブチ抜かれたり、見開きでそのキャラの死を訴えたりしても、すべて「実は生きていた」で済ませてしまうその潔さは、男塾の魅力のひとつといえるかもしれません。
メインメンバーの中でも死亡率がやたらと高い飛燕や富樫が死んでも、「どうせ生き返るし」と思ったものです。 そのかわり、雑魚キャラ(男爵ディーノをはじめとする鎮守廊三人衆)は容赦なく殺され、他のキャラは実は助っ人によって命を助けられたのに、彼らだけは助っ人にさえ見捨てられるという、ある意味酷すぎるご都合主義により抹殺されてしまいました。
ちなみに、現在はスーパージャンプで、主人公の剣桃太郎の息子の剣獅子丸が活躍する続編「暁!男塾」が連載されています。 この「暁!男塾」では、本編で死んだまま連載が終了してしまった2号生筆頭の明石さんが何事もなかったように生きていて、更に息子までいるという始末。 ここまでくると、ご都合主義というより作者は何も考えていないだけなんじゃないか、と思っちゃいます。 それどころか、プレイボーイで連載中の「天より高く」では、粉々に砕け散って死んだはずの3号生筆頭・大豪院邪鬼が何事もなかったようにピンピンしていたりと、わざわざ突っ込ませるために出しているんじゃないかという、妙な疑いまで持たせてくれます。 何も考えてないだけでしょうけど。
さて、そんなご都合主義マンガの中でも、よく見かけるのが、突然現れたわけあり美少女が主人公にベタ惚れして、家におしかけるという「押しかけ美少女モノ」です。 古くは「うる星やつら」にはじまり、「ああっ女神さま」「まもって守護月天」などがこれにあてはまるでしょう。
考えてみると、これほどオタクの願望を如実に示しているものは無いでしょう。 なにしろ、自分では何もしていないのに勝手に美少女が自分にベタ惚れして、勝手に同居してくれて、勝手に抱きつてくれちゃうわけです。 自分では何もしないで女の子にもてたいという願望が顕著に見えてしまい、ある意味絶望的な気がしてなりませんが、この類のマンガに需要が多いのもまた事実です。
そんな「押しかけ美少女モノ」の中でも、エスカレートしすぎて、ギャグでやっているのか皮肉ってるのかわからないのが天津冴さんの「がぁ〜でぃあんHearts」。
この「がぁ〜でぁいんHearts」、最初はいきなり空から変身美少女が降って来て主人公の家に居候という例のあの展開なのですが、第2話からは予想だにしない方向へ突き抜けていきます。
主人公と押しかけ美少女の通う学校に制服泥棒があらわれるのですが、犯人は同じ学校の少女。 彼女を捕まえて話を聞くと、実は彼女は宇宙人で、制服を100着集めると服のもつ能力で力を高めることができ、それによって生き長らえることが出来る種族だったのです。 早い話が、盗んだ服によって姿が変わる変身美少女。 その後色々あって、そんな彼女を哀れんで守ってくれた主人公に対し、その少女は例によってベタ惚れ。同居。 いつものあの展開です。
次の話以降、これがひとつのフォーマットとなり、その後は宇宙忍者少女、魔法少女、とある星から来た巫女さん同じように主人公にベタ惚れし同居という身も蓋も無い展開が続きます。 最後にヒロインの女の子になつくネコ娘が登場して同居という、全く同じ展開だけでコミックス1巻終了。 一応、後書きによるとこれでキャラが出揃って今後話が進んでいくそうですが、ここまでやっといてどう話を進めるのか疑問で仕方ありません。 残念ながら、コミックスでしか読んでおりませんので、現在連載中の本編はどのような展開になっているのか知らないのですが。
余談ですが、全員、変身するときは例によって脱いでくれて、ファンサービスも旺盛です。
さて、その「がぁ〜でぃあんHearts」、なんとドラマCD化が決定したそうです。 果たして、この無茶苦茶な話をどうドラマCD化するのでしょうか。 ある意味楽しみです。
以下、キャストです。
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ひな:釘宮理恵 琴乃:望月久代 くるす:鶴野恭子 真夜:荒木香恵 チェルシー:池澤春菜 ディジィ:新谷真弓 トリ:南央美 和也:櫻井孝宏
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2巻も4月10日に発売で、なかなか好調な様子の「がぁ〜でぃあんHearts」。 今後、どのように展開していくのでしょうか。
ネカマアイドルゆきは、「がぁ〜でぃあんHearts」を応援しています☆
(200203)
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