Trans’〜僕とあたしの境界線〜 | PC/新感覚女装シミュレーションゲーム/Catear/2002.4.4発売 |
世の中には、マニアックな世界をゲームにしたものが数多くあります。 例えば、同人誌を作って女の子と仲良くなろうという、ヲタの世界を描いた「こみっくパーティー」。 このゲームをプレイして、その世界に興味を示したプレイヤーも数多くいます。 また、他にも「ロッククライミング 未踏峰への挑戦 アルプス編」という、登山をシミュレートしたゲームもありました。 こちらは、クソゲーとして有名ですが。 さて、今回紹介するゲームも、とあるマニアックな世界をゲームにしてしまった 女の子の日である3月3日と、男の子の日である5月5日の中間の4月4日…「オカマの日」に発売された「Trans' 〜僕とあたしの境界線〜」。 ジャンルは「新感覚女装シミュレーションゲーム」。 …新感覚というか、それ以前の問題のような気がします。 なにしろ、女装です。 前回紹介した、ママどころの騒ぎじゃありません。 このゲーム、一体どんな層に向けて作られたのか、疑問でなりません。 ゆきは喜んで買っちゃいましたが、なにしろ女装シミュレーションゲームです。 新感覚以前に、誰もこんなジャンル考えもしなかったでしょうし、考えても実行に移す勇気は無かったでしょう。 それを作って出してしまうっていうんですから、その しかし、よく考えると、「女装美少年」というのは、ひとつの萌えジャンルと化しているような気もします。 チャンピオンで連載中の人外爆乳マンガ「エイケン」の主人公・伝助の女装姿はやたらとかわいいことで有名です。 男とわかっているのに萌えてしまい、「自分はノーマルだ!」とその感情を必死に否定しようとした方も多いのではないでしょうか? このわだかまりを捨てると、新世界が開けます。 また、とあるエロゲーでは、数ある女キャラを差し置いて女装美少年がぶっちぎちで一番人気だったという話もあるほどです。 そういえば、竜王戦主催者のOUT OF 眼中さんも、女装の男の子に目が無いと言っておられましたし。 何か間違ってる気がしますが、「可愛い女の子になってあーんなことやこーんなことがしたい」というのは、男の秘めた欲望なのでしょう。 そんな欲望を持ってるのは、ゆきだけではないと信じたいものです。 ほら、鏡に映っているのがいつもの自分とは違う美少女で、その姿にハァハァしてみたいと思いませんか? …ごめんなさい、逝ってきます。←既に体験済み ともかく、このジャンルは、男性には美少女と認識させ、女性には美少年と認識させることができ、上手くいけば「一粒で二度おいしい」のかもしれません。 失敗したら「二兎追うものは一兎も得ず」ですが。 前置きが長くなりましたが、ネカマアイドルで、女装ネタをページで扱っていて、しまいにゃ「脱げ!脱げ!脱げぇー!!」とまでいわれてしまい、もう終わってる感のあるゆきとしては、このゲームを放っておくわけにいきません。 Go For Break! 当たって砕けろ! テリー一族の精神を忘れるな!! というわけで、新感覚女装シミュレーションゲームの世界に逝ってきます。 そのまま砕け散りそうですが。 |
オープニング・リプレイ |
さて、とりあえず最初にことわっておきますが、このゲームはクソゲーかというと、そういうわけでもありません。 むしろ、なかなか面白いゲームだと思います。 とはいえ、そのあまりに衝撃的すぎるジャンルのため、奇ゲーであることにはかわりません。 そんなわけで、この場で紹介させていただきますね。 まず、ゲームをスタートすると、名前入力画面が出てきます。 この画面で一瞬、止まってしまう自分。 名前入力といえば、ギャルゲーの類では男らしく本名プレイが基本です。 ここは、やはり男らしく本名プレイするべきなのでしょうか。 ふと、こんなことが脳裏をよぎってしまい、思わずゲームをこの場で終了。 勘弁してください。 ギャルゲーの本名プレイなんて、相手になっていないほどにハードです。 なにせ、主人公はこれから女装していき、どんどん女の子になっていくのです。 その主人公に、自分の本名を入れてしまうことを考えると、激しいめまいが。 ゲームをスタートして名前入力画面に入った瞬間からの強烈な洗礼。 さすが 「新感覚女装シミュレーションゲーム」、役者が違います。 「ゆきたん、もう似たようなことやってるやん」というツッコミは許してください(w 結局、悩みまくった挙句、適当に創作した名前でスタート。 ヘタレでごめんなさい。 さて、主人公は開始早々彼女の絵里に「なんか小さいし…男としてのスケールが」とか言われてふられていまいます。 失意のままに自宅に戻った主人公。 そこには、彼女が置き忘れた服が。 そして、その中からブラジャーを見つだします。 「女の子の服って、興味あるんだ……」 突然、危険な欲求にかられて、ブラジャーをつけパンティを履いてしまう主人公。 女装がテーマなので当然といえば当然なのですが、しょっぱなから壊れ過ぎです。 そして、服も着ようか、やっぱりやめようかと迷う主人公。 ここで選択肢で「やっぱりやめる」を選んでみますが、「でも…女の子の服って興味あるし…。やっぱりやめた方がいいのかな?」と迷います。 そして再び着るかどうか選択肢。 ここでも「やっぱりやめておく」を選ぶと…「やっぱり男はこれだ!!」といって、いきなり筋トレをはじめます。 そしてマッチョになってエンディング。 「見よ、この大胸筋を!!」 あまりの展開に唖然。 ネタがネタだけに、バッドエンドなのか、ハッピーエンドなのか判断しかねます。 ともかく、いきなり終わってしまったので、最初からやり直しです。 最初の選択肢で彼女の服を着てみます。 そして、口紅もつけてみる主人公。 そんなときに、家のドアをノックする音が。 ガチャリ。 姉とその娘が家に入ってきてしまいます。 いきなりの修羅場、シャレになりません。 「あ、おじちゃん、かわいい!」と姪に言われ、姉からは「あんた何やってるの?」と怪訝な顔をされます。 「ビジュアル系バンドでこんな格好をするんだ」と、苦し紛れのいいわけで逃れる主人公。 一応それで姉は納得、2人はすぐに帰り、ほっとします。 一段落ついたとことで、鏡を見る主人公。 「もしかして…似合ってる!?」 似合い過ぎです。 「これなら、絵里よりもかわいくなれる!」 アナタハ間違ッテマス。 「そうだ、女の子になったときの姿を写真にとっておこう!」 デジカメで写真を撮り、そして女の子の名前もつけなきゃ…と考えます。 「どんな名前がいい…かしら」。 ここで再び名前入力画面。 女の子の名前をつけます。 もうこの際、せっかくだから「ゆき」と命名。 「ゆきは……女の子…よ」 「絵里になんか絶対に負けない…! 僕の理想の女の子になれる!!」 ふられたショックで気が触れた主人公は、華麗に人生の階段を転げ落ちていくのでした。 それから1ヶ月がすぎ、バイト先で女性の化粧などについて書いている雑誌を「彼女のため」という定番の言い訳を使ってもらって帰る主人公。 化粧について知識を深めたところで、「そろそろ女の子の服が欲しいなぁ、明日買いに行こう」と、また1歩壊れる決意をします。 「そういうのを買うなら、女の子の格好でいかなきゃなぁ… とはいえ、そういうわけにもいかないし…。 でも、これをつけていくくらいならいいよね。 その方が気分も出るし。」 気分が出るという理由で、ブラジャーをつけて外出してしまう主人公。 もうだめぽ。 その後、チカンにあった女性を助け、その女性の買い物につきあうことにし、「彼女へのプレゼント」という口実で女性ものの服を物色するのでした。 ちなみに、この場面であかされる主人公のウエスト…58センチ。 細過ぎです。 そして、女性用の服と化粧を手に入れた主人公はこれ以降、女装して外出してチカンにお尻を触られたり、女装専門店に行ってみたりと、どんどんこの世界にはまっていき、女の子になっていくのです。 余談ですが、女装において似合ってしまうのはある種不幸なのかもしれませんね。 なまじ似合ってしまうと、癖になる可能性があります。 この主人公は、その典型的な例といえるでしょう。 とはいえ、一度女装してみたいと思ってる人にとって、似合っている人はうらやましい対象であるわけで…なかなか難しいものです。 ネカマアイドルゆきは、似合っていたせいで踏み外しました。 まさか、自分で自分に萌える日が来るとは思いませんでしたヨ、ええ。自家発萌…とっても便利です。鏡の中の美少女を襲いたいとか思ってみたりしたら、激しく自己嫌悪ですヨ、もう。いや、むしろ(;´Д`)ハァハァですけど。なんというか、写真撮るとき襲われないか心配です( ゚∀゚ ) アヒャヒャヒャヒャヒャ。オレは人間をやめるぞ、ジョジョォォォォォオオ!! 女装してるかわいい男の子が萌え属性で、更に自分が女装してやたら似合ってしまってるゆきは幸福なんでしょうか、不幸なんでしょうか? とっても複雑です。 とりあえず、遠くに来てしまったな、とは思いますが(苦笑) ああ、端から見たら限りなく危険な人だよ、ママー!! |
システム |
女装シミュレーションゲームというだけあって、このゲームは特徴的なシステムがあります。 ひとつは、着せ替えシステム。 これは、店で服を買ったりして、着せ替えするシステムです。 下着、カツラ、上着、スカート、イヤリング、ネックレス、胸パットなど、さまざまなアイテムがあり、非常に多彩な着せ替えが楽しめます。 また、着た服によってイベントが起こり、シナリオが進んでいくという、ゲームの肝の部分となっています。 例えば、ひたすらかわいい系の服を着つづけるとアイドルとしてスカウトされたり、お水系の服を着つづけると水商売の世界に突入したりします。 他にも、最初に買い物をつきあってもらった女性のすすめるスカートをはいていくと、女装状態でその女性と出会い、しかも気づかれずに女の子のまま友達になったりと、なかなか凝っています。 また、この着せ替えシステム、特定のイベントでしか手に入らないアイテムも数多くあり、それを集めるのも楽しみのひとつとなっています。 そして、化粧システム。 そのまんま、化粧をしちゃいます。 このシステム、やけにリアルで、化粧品の種類もファンデーション、口紅、アイシャドウ、マニキュア、チーク、アイライナー、マスカラ、アイブロー、ケア用品まで一通り揃っていて、おまけに化粧講座まであります。 これから女装する人は参考になるでしょう。 こちらも、さまざまな色の口紅やアイシャドウがあったりと非常に凝っていて、多彩なメイクが楽しめます。 そして、心拍数システム。 ドキドキして心拍数があがると、どくんどくんといった心臓の鼓動音が鳴り続け、焦りすぎると女装がばれてしまったりします。 はじめて化粧品を買いに行くときなどは、ものすごく心拍数があがり、延々と鼓動音がなり続け、主人公の心情が非常に上手く表現されています。 はじめてエロ本や少女マンガを買うときと同じような気持ちでしょうか。 最初に姉に女装が見つかったときなども鼓動音がなりつづけて、なかなかリアルです。 リアルすぎてイヤです。 ともかく、このあたりのシステムがなかなかよくできており、ゲームとしても十分楽しめるものとなっています。 ちなみに、主人公はバイトをしてお金を稼いでいますが、バイトで稼いだお金は全て化粧品や衣類などの女装に使ってしまいます。 その潔さは、まさに男の中の男といった感じです。 まぁ、やってることは女装で、身も心もどんどん女の子になっていくんですけど。 |
キャラクター、シナリオ |
さて、肝心のシナリオですが、こちらもなかなかバラエティに富んでいます。 登場人物は、どう見ても女の子…というか、女の子を描いて、これは男だと言い張ってるだけのような気もする女装娘や、やおい好きの女の子、主人公を女の子と間違えてナンパしてくる友人など、一癖も二癖もあるキャラクターがたくさんいます。 シナリオも、女の子として合コンに参加したり、男の状態で女装娘とデートしたり、ウェイトレスになったりと、女装というテーマを存分に生かした展開が目白押しです。 また、女の子とカンチガイされてスカウトされ、アイドルのオーディションを受けるという、どこかで見たような展開もあります。 最終的に、オープニングで主人公を振った彼女がオーディションのライバルとなり、宿命の対決をするという、熱い展開がまっていたりします。 更に、女性ホルモンを飲んで監禁されてマゾの女奴隷として調教されるという、 もうここまでやるのなら、18禁にしてしまって、女装レズプレイやら、女装で襲われたり、強制性転換させられたりと、逝きつく所まで逝って欲しかった気もしないでもないですが、それはやっぱりあんましすぎるのでしょうか。 (一応、このゲームは全年齢対象です) |
まとめ |
史上稀に見る奇ゲーといえるこの「Trans'」ですが、その作りこみやシナリオは、非常に気合が入っています。 それが奇ゲーっぷりに拍車をかけているのですが、一風変わったゲームがしたいという方は楽しめるかもしれません。 最初の数分は、あまりのパワーに圧倒されてつらいでしょうけど。 しかし、その一線を超えれば、楽しめること受け合いです。 一線を超えてまでして楽しまない方がいいような気もしますが。 ともかく、女装ネタの話が好きな人、女装してみたいと思っている人、実際に女装している人、変なものが好きな人は、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか? 大丈夫です、変身願望は誰にでもあるものです。 ほら、自分の性に悩んでいる美少女な男の子って萌えませんか? そこのあなたも、素直になりましょう。 もっとも、このゲームで女装に目覚め、女性願望がふくらみ、女性ホルモンを飲み始めて、挙句の果てには下についているものを切断してしまうという、本当にシャレじゃすまない展開になったとしても、当方は一切関知しませんが。 ネカマアイドルゆきは、「Trans'〜僕とあたしの境界線〜」を応援しています☆ ☆リンク 「Trans'〜僕とあたしの境界線〜」公式ページ ゲームの紹介のほかにも、女装講座などもあります。 |