投稿者・亮さん
 私は小説のロードス島戦記が大好きです。
 だから、このゲームの発売が広告された時は、本当に本当に楽しみで、発売の日を指折り数えて待ったあげく、よせばいいのに当日に定価で買ってしまいました。

 なんで地方の街の下水道が、確実にその街の規模の何十倍もあるんですか?
 なんで善の神と邪神の神殿が、まったくおなじ造りをしているんですか?
 ついでに言えば、なんでどの街の作りもおなじなんですか?
 なんで原作では滅多に手に入らない魔法の武器が、そこらのザコをぶち倒すだけでいくらでも手に入るんですか?
 なんでほとんど一定の歩数で敵と出会うんですか?

 …少しプレイしただけで、このような疑問が無数にわいてきて、私の心を確実にすさませてくれました。
 これをロードス島戦記と呼ぶならば、すべてを読み終わったあとのあの感動はなんだったのでしょうか。
 すべて幻にすぎなかったのでしょうか。
 でも、これだけならば、私はきっとこのゲームを何年か後には許すことができたでしょう。
 たけしの挑戦状ですら、今となってはいい思い出だと思っていますから。

 だけど。
 ああ、だけど、このゲームだけは、いまだにどうしても許すことができないんです!
 他に類を見ないほどへっぽこな戦闘システムのために!

 まず、横が3マス、縦が7マスぐらいの(詳しい数字忘れました)細長いチェス盤を思いうかべてください。
 そして、それをちょっと斜め45度ぐらいに傾けて見てください。はい、それがバトルフィールドです。
 そのチェス盤の手前側に、キャラクター達が横ならびになって立っています。そして向側に、敵モンスターがならんでいます。
 ところが、良く見てみると、敵側の中央の後ろ…つまり縦3マスの中央部には、さらにひとつ、黒いマスがついています、こちら側にはないあれは、いったいなんでしょう?
 敵は、強いダメージを与えると、1マス下がります。丁度チェスのコマをはじいたみたいに。そこで好奇心にかられた私は、敵を黒いマスに落としてみました。えいやっ!

 チェックメイト! 敵のリーダーを捕獲した!

 …は?
 ほうけてる暇もなく、戦闘はそこで終わり。
 あの、これはいったいなんでしょう?
 あわてて説明書を見てみると、「画期的なチェックメイトシステム!」とかいって、敵のリーダーを穴に落とすと生け捕りしたことになり、なんと経験値が2倍もらえますといった内容がえらそうに書いてあります。
 うわあ、やったね! これでレベルアップも楽々さ!
 …なんて思えるかどあほぉっっっっっ!!

 このシステムにより、戦闘が赤子の手をひねるより簡単に、かつ、校長先生の訓示よりもつまらないものになっています。
 しかもこれ、ボス格の相手にも有効で、小説中では主人公が最後までかなわなかった「黒衣の将軍」(私が心底惚れぬいたキャラ)を、バトル開始後約3秒でチェックメイトしちまった時は、本気で泣くかと思いました。

 思いかえしてみても、ひどいゲームでした。
 あ、ちなみにこのゲーム、魂の抜け殻のようになってまでやりつづけていたら、バグりやがってアイテムがまったく使えなくなったので、やめました。
 角川。いつか殺る。

 長々と失礼しました。