投稿者:ゆきにゃん

●このゲームに並ぶ格闘ゲームは無い!

 このゲームは、週間ザ・プレイステーションで世紀の最低点10点(100点満点)を叩き出したゲームです。
 注目作とばかりに、店でこのゲームのジャケットを見てみると、表は一見、普通のゲームに見えます。しかし、裏を向けた途端、非常にバカゲーテイスト溢れる作品に変貌してしまいます。



 もうつっこみどころだらけで逆に困るわけですが。

「今世紀最強の新感覚格闘システム!
 コンビネーションアタックに、コンビネーションブレイク、そしてバーストコマンド!これらを駆使して、魅力溢れる12人のファイターたちと戦おう!もちろん2P対戦も可能だ。
 断言しよう!このゲームに並ぶ格闘ゲームは無い!」


 断言してます。
 ジャケットの画面写真から見ると、とってもつまらなさそうに見えるわけですが、まぁ断言してますしねぇ。

 更に下の方を見ると…

「拝啓フルポリゴン様(涙)
なんと背景はフルポリゴン。超美麗なステージでの迫力バトル!カモメも飛んでるぜ!感涙!」

 カモメも飛んでるぜ、感涙!
 なんだか、異常なテンションです、このジャケット文。
 あまりの出来に気でも触れたんでしょうか。

 というか、カモメを飛ばす前にキャラのモデリングを何とかして欲しいんですけど。

 前々から購入を迷っていたこのゲームですが、おそらく買っても買わなくても後悔すると思われるので、ここは漢らしく玉砕することに決定。
 愚かすぎです、自分。


●果たしてその実態は…

 電源を入れると非常に地味な上に、この手のゲームのお約束らしいスキップ不可な社名ロゴが。
 もうこの時点でダメさ満点と思ってる端で。
 さっそく「NOW LOADING」
 そしてクールな声で「行くか…」。

 なんだかやるせないので、この際「逝ってよし」とでも返しておくことにします。

 ともかく。オープニングデモが開始です。
 当然、ムービーなんていう気の利いたものは存在しません。

 オープニングデモは、まさに適当なモデリングのキャラ同士が適当な戦いを繰り広げています。
 ええ、これ以上ないくらいに適当な。

 ところで、、同じ技ばっか使ってるのは技数が少ないからですか?

 とりあえずデモが終わると、この上なく地味なタイトル画面を経て、ゲーム開始。

 あからさまに怪しい袋をかぶって片目だけ出してるキャラを使ってもよかったのですが、ここはマッチョな海賊を使ってみます。

 ゲーム開始。動かないという専らの噂ですが、とりあえず前を入れてみます。

「なんだ、一応動くじゃないか。ものすごく重いけど
 と、的外れすぎる不満を感じつつ、キックボタンを押してみます。

 (;´Д`)ノ先生!あり得ないくらいにリーチが短いんが!
 まだパンチの方がマシということで、仕方なくパンチ連打。
 するとどうしたことでしょう。
 これだけで勝つわ勝つわ、破竹の快進撃。

 そんなある時、ふと疑問に感じたことが。
 このゲーム、起き上がった後はしばらく動けないんですけど、これは仕様ですか?

 まあ、考えても仕方ありません。仕方ないのでパンチ連打で戦いつづけます。
 たまにボタンを押しても何の反応の無いこともありますが、見なかったことにしましょう。
 ともかく、画面も見ずにひたすらパンチ連打。

 そしてコンティニューはしたものの、本当にパンチ連打だけで数人勝ちぬくと、突然画面が真っ黒に。
 何事かと思っていると、何の説明も無く真っ黒な画面にスタッフロールが。

 えっと…聞くだけ無駄でしょうけど…エンディングは無いんですか?

 混乱しているゆきの耳に追い討ちをかけるように、小学生のような歌が流れてきます。
 るちあたちの歌でダメージを受ける水妖のごとく苦しみながらも、なんとか歌が終わると、とつぜん最初のローディング画面に。
 そして、例の「行くか」という声が。
 呆然としているゆきの前で、有無を言わさずオープニングデモが

 …ねぇ、エンディングは?・゚・(ノД`)・゚・


●その他の見所

 このゲームには、コンビネーションブレイクという、いわゆるはじきシステムがあります。
 もちろん、このどこにでもある新システムがこのゲームを更につまらなくしているのは言うまでもありません。

 はじかれるとしばらく動けなくなるのですが、あまり体勢が変わらないので、どうなってるのかよくわかりません。
 また硬直中にパンチボタンを押すと、硬直後にパンチを打ちます。
 これが非常にうっとうしく、はじかれたのかどうか無理してでも見極めないと、時間差でパンチが出て非常に不快な気分になることができます。
 きっとこれも仕様なんでしょう。

 また、このゲームの移動システムはR1+上下左右でダッシュになります。
 当然、→→でダッシュにはなりません。
 これが俗にいう「歩けない」の要因のひとつかもしれません。

 今まであったシステムを、無理やり使いにくくしたものを「新感覚」とは呼びません。
 まぁ、ダッシュに関しては慣れれば使いやすいんですけどね。

 また、上方向を押しても何の動作もしません。ジャンプが無いのですが、これも操作性の悪さの一端かもしれませんね。
 そして、一番ひどいのがバースト技という、いわゆる超必殺投げ。

 このバースト技が決まると、キャラが相手をたこ殴りするのですが、どう聞いても殴ってる回数より殴った時の音の方が多いです。
 音と動作がずれすぎています。
 更には、殴り終わって吹っ飛んでる時にも殴った時の音が出てることがあります。

 一体何の音なんでしょう?
 実は画面では見えない速度でまだ殴ってるので、モーションがないということなのかもしれません。
 それを人は手抜きと呼ぶのですが。
 他にも操作性の悪さを上げればはっきりいってキリがありません。
 まあ、パンチ連打しか使わないから構わないんですけどね。

 …前言撤回します。
 確かにこれを超えるゲームは存在しませんね、ネガティブな意味で。



ファイティングアイズ最終奥義

 今回はまず以下の文章を読んでください。

 開発者から

 このゲームの最も重要なテクニック、それはコンビネーションブレーク(CB)だ。

 これなくしては成立しない。で、最初のうちは相手の攻撃に合わせてみたいなハイレベルなことは止めよう。

 ガードゲージがマックス近くなら、ガード押しっぱなしでも、素早い攻撃のほとんどは自動的にCBするようにした(だから簡単なんて思うと痛い目みるぜっ!)。また、軽くガードボタンの連打も有効だ。訓練次第ではガードゲージ0でも、6、7割りはCBできるぜっ!

 逆に攻撃側は素早い攻撃や同じ攻撃ではタイミングを合わせられる。時にはステップや、遅い技は有効だぞ。

 さらにサイドステップ。これは今までのものとは大違い! スクリュー状に相手に近づくことができ、しかも少し無敵時間がある。ガード同様、守備的能力だったものが、攻撃的能力に生まれ変わったわけだ。

 最後に、COMレベル4をプレイしてもらえば分かるが、いままでのように無理押しでどうにかなるほど甘くないよ。

 さぁ、いままでに体感したことのないって言う歌い文句は死ぬほど聞いたが、こいつ本当にその新感覚を体感できるぜっ!

P.S. デモは最強のCOMレベル同士が闘い合う。当然、人間もあぁなれるよ。しかもたくさん見るといい事あるかもよ!

”THE FIGHT IS IN YOUR EYES、 TOO.”

 これが、恥ずかしげもなくこのゲームを作った製作者から、あやまって買ってしまった不幸な購入者へのメッセージです。
 すいません、殺っちゃっていいですか?

 このメッセージはファイティングアイズのCD−ROMのデータをパソコン内に読みこむと見ることが出来ます。
 また説明書には載っていない各キャラの技表もここで見ることが出来ます。
 説明書に書いとけよ。

(後日談)
 説明書に書いてなかったのは、どうも「テンキー表示で技表を載せようとして、それがソニーチェックに通らなかったから」だそうです。
 もうどうにでもしてくれ。

 ともかく。ここからゆきのファイアイマスターへの険しい道のりが始まるのです。
「コンビネーションブレイクか…むむぅ」
 などと思い、久々にファイアイをPSにセットすることになるのでした。

 他にやることはないのか、自分?

(補足)

 「ガードゲージ」とはこのゲームのウリである、コンビネーションブレイクに関わるゲージです。
 これが減るとコンビネーションブレイクしにくくなります。
 これを減らすには、ガード系バースト技という超必殺投げを当てる必要があります。
 超必殺投げは「ガード系」と「ライフ系」があり、それぞれいずれかのゲージを減らすことが出来ます。
 これを使用するにはゲージが必要で、これはダメージを受けたりガードしたり、コンビネーションブレイクすることにより増えます。

 ちなみに、相手のガードゲージを減らして、コンビネーションブレイクを使いにくくするという戦略は、結構有効だったりします。



 このゲームにはエンディングがない、と前述しましたが、実はまだ可能性は残っていました。
 最高難度であるレベル4をノーコンティニューでクリアすれば、今度こそエンディングが見られるかもしれません。
 そんなどーせ無理とわかってる淡い期待を寄せ何度か挑んだのですが、開発者のふざけたメッセージ通り、超難度を誇るレベル4クリアは容易ではありません。
 何とかならないかと考えた結果。
 そうだ、コンビネーションブレイクだ!!

 こうして、ゆきは今までほとんど手を付けたことのない、このゲームで最も重要らしいテクニックに挑むことになったのです。

(戦闘中)


 なるほど。
 確かに製作者の言う通り、ガードボタンを押しっぱなしでも、ある程度は相手の攻撃をはじけるようです。
 ガードボタンの連打も有効なようです。
 そこで一度、コンビネーションブレイク中心にCOM戦をプレイしてみることにしました。
 しかし、慣れないことはするものでありません。
 うまく弾けないわ、投げられるわで散々な目にあってしまいました。

 しかし、ある程度プレイしているうちに重大な事実に気付きました。

 このコンビネーションブレイクとやら、立ち状態でも下段攻撃を弾くことが出来ます。
 なら、しゃがみ状態でも上段攻撃を弾くことが出来るのではないかと。

(注)
 このゲームは上段攻撃と下段攻撃しかありません。
 下段はしゃがみガード、上段は立ちガード不可です。
 それって中段だろうってツッコミは無しで。

 そして見事予感は的中。
 しゃがんでいれば投げられないので、攻撃を弾くことさえ出来ればダメージを受ける恐れは全くないようです。
 しかし、そうは問屋がおろしません。
 さすがに全ての攻撃を弾くのは不可能な上、弾いた後の行動がいまいちうまくいきません。
 少し間合いが離れているので投げ技も確実ではなく、攻撃をしても弾かれる恐れがあります。どうしたものか…

 そこでゆきはひらめきました。要は相手との間合いを詰めつつ相手の攻撃を弾けばいいのです。
 しゃがみ前進しながら、ガードボタン連打あるのみ。

 これを悟った瞬間、ゆきは最強の名を手に入れてしまいました。

 ひたすらしゃがみ前進しながらガードボタンを連打しつづけ、CPUが手を出して来ようものなら、すべて弾き、即座に投げ。ゲージが溜まればバースト技で大ダメージ。

 まさに無敵!!そのままあっけなく、ノーコンクリア。
 …やっぱりエンディングありませんでした・゚・(ノД`)・゚・


●ファイティングアイズ最終奥義

 ここまで読んだ方は、もうこのゲームの極意を手に入れたも同然です。
 このゲームにおける最終奥義、それはしゃがみ前進しながら、ガードボタン連打あるのみ。
 これを実行すれば、少なくとも負けることはないでしょう。
 逆に、もし相手がこれを始めたら、こちらは手を出すことさえ出来ません。
 確かに、ガードボタン連打で100%確実に弾けるわけではありません。
 しかし、超連打であれば話は別です。おそらく攻撃を食らうことはありえないでしょう。

 結局、最強のプレイヤー同士が戦うと、互いにしゃがみ前進をしながらガードボタンを超連打し続けるだけで、決着はつきません。
 つまりは、事実上、このゲームでの2P対戦は進行不能です。

 そしてここで、ジャケット裏の最初の文章が私の脳裏に浮かんで来ました。。

「今世紀最強の新感覚格闘システム!
コンビネーションアタックに、コンビネーションブレイク、そしてバーストコマンド!これらを駆使して、魅力溢れる12人のファイターたちと戦おう!もちろん2P対戦も可能だ。断言しよう!このゲームに並ぶ格闘ゲームは無い!」

 実は最大の嘘は「2P対戦も可能」というところではないでしょうか?
 史上初、極意に到達すれば、どのキャラを使用しても2P対戦が進行不能な格闘ゲーム…。

 いままでに体感したことのないって言う歌い文句は死ぬほど聞いたが、こいつ本当にその新感覚を体感できるぜっ!

(後日談)
 ちなみに対戦でこの奥義を試してみた結果、連打が甘いらしく、よほどでないとすべての技を跳ね返すことはできないようです。
 出の早い技はそれで返せるのですが、出の遅い技だと連打よりはタイミングを合わせてガードボタンを押すほうが良いようです。
 どうも、CPU対戦では有効なものの、対人戦では16連射でもしない限りちょっときつそうですね。
 理論上は、すさまじい連打でしゃがみ前身すれば最強なのですが、疲れるだけでした。

 また、ご丁寧に連射コントローラーは無効らしく、そのあたりはさすがに自覚していたのかもしれません。


裏技

●国民よ、割黙せよ!そしてこの闘いを共に語り継ごう!
 (ジャケット裏より抜粋)

 違う意味で語り継がれそうです、この闘い。
 そんなわけで、ファイアイの裏技みたいなものを。
 でも、こんなもの見て誰か喜ぶんでしょうか?


●ソフトリセット

 このゲーム、普通にやると、プラクティスモードに入ってしまうとリセットを押さない限り抜けられません。
 それを防ぐためにソフトリセットソフトリセットがあります。
 説明書に書いとけ。

 やり方は「L1+L2+R1+R2+セレクト」です。


●四無畏の正体

 別に無理してまで知りたいもんでもありませんが、一応。

 まず四無畏でクリアします(レベル1で1ラウンドでOK)

 その後、しばらく放っておいてデモを見てると、袋を取った四無畏の対戦デモが流れたらOK。
 VSモードとプラクティスモードで△ボタンを押しながら四無畏を選ぶと、袋無しの四無畏を使えます。
 名前は「楓」。
 おそらく説明書のクラウスのストーリーに書いてる「紅流 楓」のことでしょう。何の説明も無いですけど。


●2Pカラー使用

 キャラセレクト時に、セレクトを押しながらキャラを選ぶと2Pカラーが使えます。

●ミニゲーム

 これは二級抹茶さんに頂いた情報です。

 オープニングのデモを数回見ると、タイトル画面に「MINI GAME」という項目が現れます。

 これを選ぶとミニゲームが出来るわけですが、対戦専用です。内容は一応秘密。
 せっかくだから、自分の目で確かめて割黙してください。
 殺意を抱くのは間違い無いかと。


ファイティングアイズ裏話

(これらは二級抹茶さんから入手した情報です。)

●ファイアイの真実

 このゲーム、「半年で作った」とか「専門学校生の作品」とか、あらぬ噂が流れていたそうです。
 実際、それでもおかしくないような内容だったのですが…

 しかし、真相は違いました。
 実は開発に3年かかったそうです。
 3年でコレデスカ?

 更に制作スタッフはPSで「メタルジャケット」という作品を既に発表しているそうです。
 これについては、二級抹茶さんのページで詳しく紹介されているので、そちらをどうぞ。


●パッケージ裏の真実

 冒頭でも紹介した、あのパッケージ裏。



 正直、あり得ないわけですが。

 このパッケージ裏から「狙ってクソゲーを作った」とか「まじめに作ったが、途中であきらめてこうなってしまった」などの推測がありましたが、真実は違いました。

 実は、開発チームとマニュアル作成チームが違ったそうです。
 そう、そのチームは、このとんでもないゲームに巻き込まれ無理やりマニュアルを書かされたのです。

 売れない、絶対に売れない。
 そう悟った彼等が走った作戦。
 それこそが、クソゲーハンターをターゲットに据えるという作戦でした。
 つまり、この裏は、このゲームの酷さを心底知った上で、なんとか売ろうという戦略だったそうです。

 例を挙げると…

 「このゲームに並ぶ格闘ゲームは無い!」

 これは、本当に「このゲームに並ぶクソゲーはない」という意味で書いていたみたいです。
 …いや、たしかにそうなんですけどね。

 「国民よ、割黙せよ!せしてこの闘いを共に語り継ごう!」

 割黙。本当なら「刮目」と書くところを、敢えて「割黙」。
 これはどうも、「CD割って黙っとけ」ということだそうです。
 ふざけるなと。

 もちろん、この闘いを違う意味で語り継げということのようで。
 仕方ないので、ここで半永久的に語り継いでおきます。

 結局。まんまと乗せられていたということに。

 はははは…そうか…わたしは騙され…
 い、嫌だっ!!死にたくないッ!!誰か…助けてくれ…!!

 ちなみに初期出荷は500本だそうです。
 某最終幻想八の約一万分の一であるところが、すべてを語っているように思いつつ、ファイティングアイズのCDを叩き割って終了。