ブール・ル・メリート
( p102〜p103 : THE RED AIR FIGHTER )
16機目の敵機を撃墜し、私は空を飛ぶ猟師のリストの首位に来た。
私は自ら立てた目標を手に入れたのであった。
先年、訓練の最中にいっしょに訓練をしていた友人に「君の目標とは何だい?君は何を望んで空を飛んでいるのか?」と訊かれてふざけて「私は一番のエースになりたいな。そういうのはきっと素晴らしいと思うよ」と答えた。
私は自分自身そのことにおいて成功するとは期待していなかった。
もちろん他の人間も私の成功を期待していなかった。
私は噂を聞いただけで本人から直接聞いたわけではないがベルケが「よいエースになりそうな有望な男は?」と尋ねられた時「あの男だ!」と私の方向を指で指して答えたそうだ。
ベルケとインメルマンはブール・ル・メリートを八つの敵機を撃墜したときにブール・ル・メリートを受勲した。
私はその二倍の数を撃墜している。
私には一体何が起きるだろうか。
私はとても知りたかった。
噂されていたのは私にヤシュタの指揮権が与えられる予定だということだった。
ある晴れた日「Lientant(中尉・大尉どっち……?)フォン・リヒトホーフェンをヤシュタ11の指揮官に任命する」と述べられた一通の電報が届いた。
私は困惑したと言わねばならない。
私はベルケ中隊の私の僚友達とともにとても満足して働くことを知っていた。
そして今私は全く違った人々とともに再び働き始めなければならなかった。
それはひどくやっかいなことだった。
他に私はブール・ル・メリートの勲位に昇進するはずであった。
二日後ベルケ中隊の私の僚友達と私の出発を祝って社交的に座っていたときに司令本部からの電報が届いた。
それには陛下が恵み深く私にブール・ル・メリートを下賜して下さると述べられていた。
もちろん私の喜びは大変なものだった。
それは私の苦痛の慰めだった。
私はヤシュタ指揮官としての生活が楽しいとは想像できなかった。
夢にもいつかリヒトホーフェン飛行中隊ができるということは考えられなかったのだ。
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