朝、ホームに入ってくる電車に慌てて乗り込む曖昧味。 そう、始まったばかりのOL生活は夜型人間の私にとっ ては苛酷だ。 まだ、覚醒していない頭と体は電車が揺れる度ぐ〜ら ぐら。 40〜60分の通勤時間の間に、曖昧味は電車の吊り革に ぶら下がって眠りこけているのであった。 『あ、この駅で乗り変えなきゃ・・・。』
モーローとしながら、考える。降りる人の波にのまれ
手に握っていた筈の切符がひゅるひゅると線路へと舞 「あ・・。」
ただ呆然と見送る事しか出来ない私に背後から声をか
??? 「貴方!何やってるのー!言わなきゃ!
突然、おいでおいでの手招きをしつつ改札の所まで走
御婦人 「あ、あのコ、あのコ!切符落としちゃったの
必死になってわざわざ私の弁護をしてくれる御婦人。 あいやん「有り難うございました。わざわざ。」 深々とお礼をいう私に、御婦人は
御婦人 「いいのよ〜!疑われたら嫌だものね?
と言ってにこやかに去って行かれたのでした。
『あ、私一区間分の切符しか
|